TOP > 国内特許検索 > ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長

ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長 実績あり

国内特許コード P110003444
整理番号 E067P01
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-564675
公表番号 特表2006-514780
登録番号 特許第5252465号
出願日 平成15年7月15日(2003.7.15)
公表日 平成18年5月11日(2006.5.11)
登録日 平成25年4月26日(2013.4.26)
国際出願番号 US2003021916
国際公開番号 WO2004061969
国際出願日 平成15年7月15日(2003.7.15)
国際公開日 平成16年7月22日(2004.7.22)
優先権データ
  • 60/433,844 (2002.12.16) US
  • 60/433,843 (2002.12.16) US
発明者
  • ベンジャミン・エー・ハスケル
  • ポール・ティー・フィニ
  • 松田 成正
  • マイケル・ディー・クレイブン
  • スティーブン・ピー・デンバース
  • ジェームス・エス・スペック
  • 中村 修二
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長 実績あり
発明の概要

極めて平坦な無極性a面GaN膜をハイドライド気相成長法(HVPE)によって成長させる。得られる膜は、種々の成長技術によって素子を順次再成長させるのに適している。

従来技術、競合技術の概要


2. 関連技術の説明
(注:本出願は多くの異なる特許、出願明細書および/または刊行物を参照しており、これらは、1から順に付けた参考文献番号を用いて本明細書に記載する。これらの参考文献番号順に並べた種々の刊行物のリストを「参考文献」とタイトルをつけたセクションに示す。これらの刊行物は、それぞれ参照として本明細書中に組込まれる。)



窒化ガリウム(GaN)、ならびにアルミニウムおよびインジウムが組込まれている窒化ガリウムの三元および四元化合物(AlGaN,InGaN,AlInGaN)の有用性は、可視および紫外オプトエレクトロニクスデバイスおよび高性能電子デバイスの製造の分野で定評がある(参考文献1~3参照)。このような素子は、典型的には、分子線エピタキシー(MBE)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)またはハイドライド気相成長法(HVPE)などの成長技術によってエピタキシャル成長させる。



GaNおよびその合金は六方晶系ウルツ鉱型結晶構造の時最も安定している。この構造の結晶は、120°回転対称の二つ(または三つ)の等価な基底面軸(a軸)によって示され、この軸はすべて、主軸のc軸に垂直である。図1は一般的な六方晶系ウルツ鉱型結晶構造100の概略図であり、重要な面102,104,106,108のほか、軸110,112,114,116を図中に示す。



ウルツ鉱型構造内のガリウム原子および窒素原子は、それぞれc軸に沿う平面毎に配置されるので、その結果、各平面は一種類の原子、GaまたはNのみを含むことになる。電気的中性を維持するために、GaN結晶は、窒素原子のみを含む一つのc面(N面)、およびガリウム原子のみを含む一つのc面(Ga面)で終端する。その結果、GaN結晶はc軸に沿って分極されている。これらの結晶の自発分極はバルク性質であり、結晶の構造および組成に依存する。



平坦なGa側c面の成長は比較的容易であるため、ほぼすべてのGaN系デバイスは、極軸であるc軸と平行に成長する。さらに、隣接する異なる層の界面における歪みによって圧電分極が生じる。分極の総量は自発分極および圧電分極の寄与の総和であり、その正味の影響によって量子ヘテロ構造内に電荷分離が発生する。量子井戸内の電荷分離は、電子-正孔再結合の効率を低下させ、放射波長をレッドシフトさせる(参考文献4~8参照)が、いずれも発光オプトエレクトロニクスデバイスの動作においては望ましくない。c軸配向のデバイスに特徴的な分極効果を除くことができれば、GaN発光デバイスの効率が向上すると考えられる。



GaNのオプトエレクトロニクスデバイス中の圧電分極効果を除くことのできる方策の一つとして、結晶の無極性平面上にデバイスを成長させることが考えられる(参考文献9~11参照)。このような平面は、GaおよびNの原子を同数含み、電気的に中性である。さらに、順次形成される無極性層は相互に等価であるので、バルク結晶が成長方向に沿って分極することはない。GaNの対称性が等価である無極性平面の一例を挙げると、{11-20}平面群があり、a面と総称されている。高電子移動度トランジスタのような電子素子上、または可視および紫外レーザーダイオードおよび発光ダイオードのようなオプトエレクトロニクス素子上のa面基板上で成長させることにより、c面GaN上に同様に成長させた素子と比較して、素子性能を著しく向上させることができた。



GaNのバルク結晶は、単に結晶を切断するだけでは、素子をその上に再成長させるための面を出すことができないので、利用不可能である。一般には、GaN膜は最初にヘテロエピタキシャル成長、つまりGaNと適切に格子整合できるような異質基板上に成長させる。近年、多くの研究グループによって、HVPEを利用して十分に厚い(>200μm)GaN膜をヘテロエピタキシャル成長により堆積させ、異質基板を不要にすることができるようになり、これによってホモエピタキシャル素子の再成長に使用することのできる自立GaN基板を得ることができるようになった(参考文献12~13参照)。HVPEには、MOCVDより1から2オーダー、およびMBEより3オーダー程度、成長速度が大きいという長所があり、これは基板作製にとって大変好ましい利点である。



しかしながら、現在まで、HVPEによって成長させることができるのは平坦なc面GaN膜のみであった。a面GaNの場合、ほとんどすべての技術において、その成長膜は、図2に示すように、「鋸歯状」面または切子面の多い形態を示す(参考文献13~15参照)。図2は従来のa面GaN成長膜の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。このような表面構造が、基板または素子の層材料として使用するうえで許容可能な範囲にないことは明らかである。



したがって、ホモエピタキシャル素子層の再成長基板として使用するのに好適な高品質のa面GaN厚膜を成長させる方法が、当該技術分野において必要とされている。より具体的には、極めて平坦な鏡面a面のGaN膜を成長させる方法が当該技術分野において必要とされている。本発明はこの要求に応えるものである。

産業上の利用分野


関連出願の相互参照
本出願は、本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の米国特許仮出願の優先権を主張する。



ベンジャミン・A.ハスケル(Benjamin A.Haskell)、ポール・T.フィニ(Paul T.Fini)、松田成正(Shigemasa Matsuda)、マイケル・D.クレイブン(Michael D.Craven)、スティーブン・P.デンバース(Steven P.DenBaars)、ジェームス・S.スペック(James S.Speck)、および中村修二(Shuji Nakamura)による第60/433,844号、2002年12月16日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長技術(TECHNIQUE FOR THE GROWTH OF PLANAR,NON-POLAR A-PLANE GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人識別番号30794.94-US-P1;および



ベンジャミン・A.ハスケル、マイケル・D.クレイブン、ポール・T.フィニ、スティーブン・P.デンバース、ジェームス・S.スペック、および中村修二による第60/433,843号、2002年12月16日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による転位密度の低い無極性窒化ガリウムの成長(GROWTH OF REDUCED DISLOCATION DENSITY NON-POLAR GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人識別番号30794.93-US-P1。



両出願とも参照として本明細書中に組込まれる。



本出願は、本出願と同日出願され本発明の譲受人に譲渡された同時係属の、ベンジャミン・A.ハスケル、マイケル・D.クレイブン、ポール・T.フィニ、スティーブン・P.デンバース、ジェームス・S.スペック、および中村修二による国際出願第PCT/US03/21918号、発明の名称「ハイドライド気相成長法による転位密度の低い無極性窒化ガリウムの成長(GROWTH OF REDUCED DISLOCATION DENSITY NON-POLAR GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人識別番号30794.93-WO-U1に関し、この出願は本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許仮出願、ベンジャミン・A.ハスケル、マイケル・D.クレイブン、ポール・T.フィニ、スティーブン・P.デンバース、ジェームス・S.スペック、および中村修二による第60/433,843号、2002年12月16日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による転位密度の低い無極性窒化ガリウムの成長(GROWTH OF REDUCED DISLOCATION DENSITY NON-POLAR GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人識別番号30794.93-US-P1;およびベンジャミン・A.ハスケル、ポール・T.フィニ、松田成正、マイケル・D.クレイブン、スティーブン・P.デンバース、ジェームス・S.スペック、および中村修二による第60/433,844号、2002年12月16日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長技術(TECHNIQUE FOR THE GROWTH OF PLANAR,NON-POLAR A-PLANE GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人識別番号30794.94-US-P1;の優先権を主張し、上記出願は参照として本明細書中に組込まれる。




1. 本発明の技術分野
本発明は半導体材料、方法およびデバイスに関し、より具体的にはハイドライド気相成長法(HVPE)による平坦な無極性a面窒化ガリウム(GaN)の成長に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に平坦な無極性a面窒化ガリウム膜を形成する方法であって、
無極性a面GaN膜が、平坦な鏡面で、試料面積10~20μmでの2乗平均平方根(RMS)粗さは2nm未満であり、後のデバイス再成長に好適な上面を得られるように、3ゾーン水平フロー式HVPEシステムを使用して、
(a)前記システムのリアクタr面サファイア基板を載置する工程と、
(b)前記リアクタを排気するとともにリアクタに精製窒素(N2)ガスを注入して満たし、内部の酸素および水蒸気の濃度を低下させる工程と、
(c)前記リアクタ内の全チャネルに水素(H2)および窒素(N2)の混合ガスを流すと共に、1040℃の成長温度までリアクタを加熱する工程と、
(d)前記リアクタ内のガス流に無水アンモニア(NH3)を加えることによって前記r面サファイア基板を窒化する工程と、
(e)前記リアクタの圧力を76Torrの堆積圧力に低下させる工程と、
(f)前記リアクタ内のr面サファイア基板上で、直接前記a面GaN膜の成長を開始するために、前記リアクタ内で塩化水素(HCl)ガスをガリウム(Ga)ソースに流し始め、600℃を上回る温度でHClガスをGaと反応させ一塩化ガリウム(GaCl)を形成させる工程と、
(g)少なくとも少量の水素ガス(H2)を含むキャリアガスを使用しGaClを前記リアクタ内のr面サファイア基板に移送し、V/III比(GaClに対するNH3のモル比)を1~50として、前記r面サファイア基板でGaClをアンモニア(NH3)と反応させ、窒化ガリウム膜を形成する工程と、
(h)所望の成長時間が経過した後、HClガスを流すことを中断し、リアクタの圧力を大気圧に戻し、リアクタの温度を室温に下げ、リアクタの温度が低下している間にGaN膜が分解しないようにガス流に無水アンモニア(NH3を含ませる工程とを含む方法。

【請求項2】
前記平坦な無極性a面GaN膜を、自立GaN基板として用いるのに十分な厚さに形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
産業区分
  • 固体素子
  • 表面処理
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2004564675thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村不均一結晶プロジェクト 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close