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高分子とキラリティーを有する液晶材料とからなる複合材料、該複合材料の製造方法、および該複合材料を用いる光素子

国内特許コード P110003479
整理番号 K012P47
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2005-130712
公開番号 特開2005-336477
登録番号 特許第5269284号
出願日 平成17年4月28日(2005.4.28)
公開日 平成17年12月8日(2005.12.8)
登録日 平成25年5月17日(2013.5.17)
優先権データ
  • 特願2004-134993 (2004.4.30) JP
発明者
  • 菊池 裕嗣
  • 長谷場 康宏
  • 長村 利彦
  • 梶山 千里
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • JNC株式会社
発明の名称 高分子とキラリティーを有する液晶材料とからなる複合材料、該複合材料の製造方法、および該複合材料を用いる光素子
発明の概要

【課題】 液晶材料含有率が高いにもかかわらず、高透明性で光学的に等方性であり、広い温度範囲で大きく安定したカー係数を示す高分子/液晶複合材料、およびその製造方法とそれを用いる光素子を提供する。
【解決手段】 高分子と液晶材料からなり、可視光線以上の波長の光を実質的に散乱せず、かつ電界を印加していない時に光学的に等方性であり、液晶材料がキラリティーを有する液晶材料であることを特徴とする高分子/液晶複合材料による。カー係数が1×10-9mV-2以上を示し、またはカー係数が1×10-10以上を示し、かつ温度差10℃でのカー係数の比が1.5以下である領域が存在する高分子/液晶複合材料を得ることもできる。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


本発明において、光素子とは電気光学効果を利用して、光変調や光スイッチングなどの機能を奏する各種の素子を指す。ディスプレイ、光通信システム、光情報処理や種々のセンサーシステムでは光の強度、位相あるいは偏光面を外部からの電気信号で変化させる光変調素子が必要とされる。電界印加による屈折率の変化を利用した光変調については、ポッケルス効果、カー効果が知られている。カー効果とは電気複屈折値Δnが電場Eの二乗に比例する現象であり、カー効果を示す材料ではΔn=KλEが成立する(K:カー係数(カー定数)、λ:波長))。ここで、電気複屈折とは、等方性媒体に電界を印加した時に誘起される複屈折値である。



液晶材料が等方相である温度においてもカー効果が観測され、ネマチック相(カイラルネマチック相)-等方相転移温度直上において、非常に大きなカー定数が観測されている。これは等方相中におけるネマチック的分子配列の短距離秩序の存在に起因するものと考えられている。しかし液晶材料の大きなカー係数を利用した光素子の実用化には、大きなカー定数を示す温度範囲が狭いことが問題となる。高分子/液晶複合材料全体の33%のネマチック液晶(E-7、Δn(屈折率異方性値)=0.224、Δε(誘電率異方性値)=13.8)を用い、高分子としてNorland 60(エポキシ樹脂)を用いて、液晶材料の微小滴を高分子マトリックス中に形成する技術が報告されている(例えば特許文献1や非特許文献1を参照)。この材料のカー係数は、室温近傍において4×10-10mv-2程度であり、かつ温度依存性が大きい。また、単なるネマチック液晶を高分子等により、ほとんど可視光線を散乱しない程度の微少領域に分割し、カー効果材料として機能させる方法が提案されている(例えば特許文献2を参照)。菊池らにより、高分子ネットワークと連続相を有するネマチック液晶からなる複合体からなり、高分子の3次元ネットワーク構造により短距離の秩序を有する共同的液晶分子集団を能動的に形成させる技術が報告されている(例えば非特許文献2、非特許文献3または非特許文献4を参照)。しかし、これらに示されている技術においては、カー効果の発現温度範囲が不十分であり、かつカー係数も小さい。さらに、これらに示されている高分子/液晶複合材料中の液晶含有率は60%以内である。



優れた光素子を作製するためには可視光以上の波長領域の光を実質的に散乱せず(以下、単に、高透明性ということがある)かつ光学的に等方性(以下、単に、等方性ということがある)とすること、次に、その高分子/液晶複合材料が大きなカー係数を安定的に広い温度範囲にわたって示すことが必要である。複合材料中の液晶含有率が低いと、光素子として使用した場合に電界印加時に複屈折の変化に寄与する部分が少ないため大きな電気複屈折を発現させることができない。他方、液晶含有率を高くすると、所望の高透明性と等方性を保持することができない。しかし、この二律相反する課題を解決した技術は見当たらない。




【特許文献1】特開昭63-253334号公報

【特許文献2】特開平11-183937号公報

【非特許文献1】J. Appl. Phys., 67(9),4253-4259(1990)

【非特許文献2】高分子論文集, vol.59, No.10, 602-607 (2002)

【非特許文献3】第22回液晶討論会講演予稿集3D17、413頁(1996)

【非特許文献4】日本液晶学会討論会講演予稿集3C07、217頁(1996)

産業上の利用分野


本発明は高分子と液晶材料とからなる高分子/液晶複合材料、該複合材料の製造方法、およびそれを用いる光素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
高分子と液晶材料からなり、液晶材料がキラリティーを有する液晶材料であり、モノマーと液晶材料との混合物を重合して得られる高分子/液晶複合材料において、モノマーと液晶材料の混合物が等方相を呈する温度で重合が開始されることを特徴とし、可視光線以上の波長の光を実質的に散乱せず、かつ電界を印加していない時に光学的に等方性である高分子/液晶複合材料。

【請求項2】
高分子/液晶複合材料が可視光線以上の波長の光を実質的に散乱せずかつ光学的に等方性の液晶相の状態で重合を終了することを特徴とする請求項1に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項3】
高分子/液晶複合材料が等方相を示す状態で重合を終了することを特徴とする請求項1に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項4】
カー係数が1×10-9mV-2以上を示すことを特徴とする請求項1に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項5】
カー係数が1×10-10mV-2以上を示し、かつ温度差10℃でのカー係数の比が1.5以下である領域が存在する請求項1に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項6】
室温でカイラルネマチック相またはブルー相を呈し、かつカイラルピッチ長が100μmから10nmである液晶材料を用いることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項7】
室温でカイラルネマチック相またはブルー相を呈し、かつカイラルピッチ長が10μmから10nmである液晶材料を用いることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項8】
室温でカイラルネマチック相またはブルー相を呈し、かつカイラルピッチ長が1μmから10nmである液晶材料を用いることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項9】
液晶材料含有率が65~99重量%であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項10】
高分子が架橋構造を有すことを特徴とする請求項1に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項11】
二官能以上のモノマーを含有するモノマーを用いることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項12】
高分子がメソゲン部位を有することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項13】
印加電界の二乗と電気複屈折値が比例関係にあることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の高分子/液晶複合材料。

【請求項14】
請求項1に記載の高分子/液晶複合材料を製造する方法であって、モノマーと液晶材料の混合物の重合において可視光線以上の波長の光を実質的に散乱せずかつ光学的に等方性の液晶状態または等方相で重合を終了することを特徴とする方法。

【請求項15】
請求項1~13の何れか1項に記載の高分子/液晶複合材料を用いることを特徴とする光素子。


【請求項16】
少なくとも一方が透明な一対の基板、該基板の一方または両方に形成された電極、前記基板間に挟持された液晶層と前記基板の外側に偏光板を有し、前記電極を介して液晶層に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶表示装置であって、前記液晶層が、請求項1に記載の高分子/液晶複合材料から構成され、電界を印加していない時には光学的に等方性であり、電界印加時には光学的異方性を示し、前記液晶材料が室温でのカイラルピッチ長が100μmから10nmのキラリティーを有し、前記高分子は三次元架橋の網目状構造を形成し、液晶材料は該高分子中で一つの連続した層を形成し、液晶層に対する液晶材料の含有率が65~99重量%であることを特徴とする液晶表示素子。

【請求項17】
液晶層に用いる液晶材料のカイラルピッチ長が室温で1μmから10nmであることを特徴とする請求項16に記載の液晶表示素子。

【請求項18】
液晶層に用いる液晶材料が室温でカイラルネマチック相またはブルー相を呈し、且つ該液晶材料のカイラルピッチ長が室温で1μmから10nmであることを特徴とする請求項16または17に記載の液晶表示素子。

【請求項19】
一対の基板の一方の基板上において基板面に並行で、且つ少なくとも2方向に電界を印加できるよう電極が構成されていることを特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

【請求項20】
電極がマトリックス状に形成されて、画素電極を構成し、各画素にはアクティブ素子を備え、このアクティブ素子が薄膜トランジスター(TFT)であることを特徴とする請求項16~19のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

【請求項21】
請求項16~20のいずれか1項に記載の液晶表示素子を用いることを特徴とする液晶表示装置。
産業区分
  • その他無機化学
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005130712thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 組織化と機能 領域
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