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歯周病治療用組成物

国内特許コード P110003490
整理番号 E065P11
掲載日 2011年6月22日
出願番号 特願2005-163337
公開番号 特開2006-333794
登録番号 特許第4925157号
出願日 平成17年6月2日(2005.6.2)
公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
発明者
  • 齋藤 正寛
  • 筒井 仰
  • 眞鍋 理一郎
  • 関口 清俊
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 学校法人神奈川歯科大学
発明の名称 歯周病治療用組成物
発明の概要 【課題】 歯周病治療用組成物、歯根膜誘導方法およびそれらに用いられるポリペプチド、ポリヌクレオチド、組み換え発現ベクターおよび形質転換体を提供する。
【解決手段】 ヒトADAMTSL4αタンパク質、ヒトADAMTSL4βタンパク質、マウスADAMTSL4αタンパク質およびマウスADAMTSL4βタンパク質が歯根膜再生工程を制御する因子であることを同定した。これらのタンパク質を含む組成物、これらのタンパク質をコードする遺伝子が導入されている形質転換体を含む組成物、これらのタンパク質をコードする遺伝子を含む組み換え発現ベクターにより、歯根膜を誘導することができる。その結果、歯周病によって崩壊した組織を修復することができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


歯周病は口腔内常在菌により引き起こされる慢性炎症性疾患である。その病態は、加齢と共に進行する。そして病態が重度に進行した歯周病では、歯を支える歯周組織(歯根膜、歯槽骨、セメント質)は崩壊し、その結果、支持組織を失った歯は抜去される。厚生省歯科疾患実態調査では、50歳以上の約50%が歯周病に罹患しており、75歳以上の高齢者にいたっては、75%以上が歯牙喪失者であることが報告されている。さらに、歯周病による咀嚼機能喪失の喪失は、単に咀嚼機能の低下をまねくのみならず、全身の健康にも影響を及ぼすことが報告されている。したがって、歯周病再生医療が確立すれば、歯の寿命を延長することができるのみならず、高齢者のquality of lifeにも大きく貢献することが期待できる。



従来から、歯周病の治療には、病原菌に感染した部位を対症療法による手段で対処する方法が広く用いられている。しかしながら、歯周病は大きな組織崩壊を伴う疾患であるため、崩壊した組織の自然修復は難しく、治療後に組織を修復することが必要であった。そのため、従来からさまざまな組織修復方法が開発されてきた。



例えば、ゴアテックス膜もしくはポリ乳酸などの人工材料を用いた再生療法が開発され、一部の臨床ケースではその有効性が示されている(非特許文献1、2参照)。なお、上記人工材料を用いた再生療法の開発過程で、歯周組織修復過程の初期段階に、歯根膜再生工程が必須であることが報告された。その結果、歯根膜再生能力を有する生理活性物質が、歯周組織修復薬剤の候補として注目を集めるに至った。



このような状況下、生理活性物質と人工材料とを併用した歯周組織の再生療法も開発されている(非特許文献3、4参照)。この再生療法は、上記生理活性物質としてサイトカインや増殖因子などを用い、積極的に歯根膜再生工程を促進しようとするものである。具体的には、上記生理活性物質として、骨形成タンパク質であるBone morphogenic protein(BMP)2、BMP7、血小板成長因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)が用いられている。これら生理活性物質の中で、bFGFは、歯周組織修復能力が高いことが報告されている。



本発明者らが注目したADAMTSL(a disintegrin-like and metalloprotease domain with thrombospondin type I motifs-like)遺伝子は、ADAMTS(a disintegrin-like and metalloprotease domain with thrombospondin type I motifs)ファミリーに属する新規遺伝子ファミリーであって、ADAMTSファミリーに属する遺伝子に特徴的なprometaroprotease domainとdisintegrin-like domainとを欠く新規遺伝子ファミリーである。



現在までにマウスにおいては、ADAMTSLファミリーに属する遺伝子として、ADAMTSL1~4遺伝子の4種類の遺伝子が知られている。また、ヒトにおいても、ADAMTSLファミリーに属する遺伝子として、ADAMTSL1~3遺伝子の3種類の遺伝子が知られている。



これらADAMTSLファミリーに属する遺伝子のうち、ヒトADAMTSL1遺伝子およびヒトADAMTSL3遺伝子に関しては、COS-1細胞で強制発現すると、ADAMTSL1タンパク質およびADAMTSL3タンパク質が、細胞外に分泌され、しかも細胞接着を制御するvinculinと局在が一致することが確認されていた。このことから、上記タンパク質が細胞接着を制御する細胞外マトリックス因子であることが示唆されている(非特許文献5、6参照)。
【非特許文献1】
Minabe M et al. J Periodontol Vol.62,No.3,p171-9(1991)
【非特許文献2】
Bartold PM et al. Periodontol Vol.24,No.1,p253-269(2000)
【非特許文献3】
Gestrelius S et al. Clin Oral Investig Vol.4,No.2,p120-5(2000)
【非特許文献4】
Murakami S et al.J Periodontal Res Vol.38,No.1,p97-103(2003)
【非特許文献5】
Hall NG et al. Matrix Biol. Nov;22(6):p501-10(2003)
【非特許文献6】
Hirohata S et al. J Biol Chem. Apr5;277(14):12182-9(2002)

産業上の利用分野


本発明は、歯周病治療用組成物およびそれに用いられるポリペプチド、ポリヌクレオチド、組み換え発現ベクターおよび形質転換体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)もしくは(b)に記載のポリペプチドを含む歯周病治療用組成物。
(a)配列番号2、4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;または
(b)配列番号2、4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ歯根膜を誘導する能力を有するポリペプチド

【請求項2】
以下の(a)もしくは(b)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入されている形質転換体を含む歯周病治療用組成物。
(a)配列番号2、4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;または
(b)配列番号2、4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ歯根膜を誘導する能力を有するポリペプチド

【請求項3】
以下の(c)または(d)のいずれかに記載のポリヌクレオチドが導入されている形質転換体を含む歯周病治療用組成物。
(c)配列番号1、3、5もしくは7に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または
(d)配列番号1、3、5もしくは7に示される塩基配列と相補的な塩基配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ歯根膜を誘導する能力を有するポリヌクレオチド

【請求項4】
生体吸収材料を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歯周病治療用組成物。

【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の歯周病治療用組成物を歯周病罹患部位へ充填する充填工程を含むことを特徴とする非ヒト歯根膜誘導方法。

【請求項6】
以下の(a)もしくは(b)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組み換え発現ベクターを歯周病罹患部位の細胞へ導入する遺伝子導入工程を含むことを特徴とする非ヒト歯根膜誘導方法。
(a)配列番号2、4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;または
(b)配列番号2、4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列において、1またはそれ以上のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ歯根膜を誘導する能力を有するポリペプチド

【請求項7】
以下の(c)または(d)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む組み換え発現ベクターを歯周病罹患部位の細胞へ導入する遺伝子導入工程を含むことを特徴とする非ヒト歯根膜誘導方法。
(c)配列番号1、3、5もしくは7に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または
(d)配列番号1、3、5もしくは7に示される塩基配列と相補的な塩基配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ歯根膜を誘導する能力を有するポリヌクレオチド
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 関口細胞外環境プロジェクト 領域
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