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高分子固定化パラジウム触媒及びその製法 実績あり

国内特許コード P110003509
整理番号 E076P50
掲載日 2011年6月22日
出願番号 特願2005-247062
公開番号 特開2007-061669
登録番号 特許第4904556号
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
登録日 平成24年1月20日(2012.1.20)
発明者
  • 小林 修
  • 杉浦 正晴
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 高分子固定化パラジウム触媒及びその製法 実績あり
発明の概要 【課題】 原料として安価なパラジウム(II)化合物を用い、芳香族高分子に0価のナノサイズパラジウムクラスターが安定に担持された、高分子固定化パラジウム触媒を提供する。
【解決手段】 芳香族側鎖を有する高分子を含む溶液中で、2価のパラジウム塩及びアルカリ金属塩を加熱処理することにより、パラジウムが還元され、芳香族高分子にナノサイズパラジウムクラスターを担持することができる。本発明は、芳香族側鎖及び架橋基を有する架橋性高分子、2価のパラジウム塩及びアルカリ金属塩を、当該架橋性高分子を溶解する溶媒中で溶解または分散させ、これを60~200℃で加熱し、冷却後当該架橋性高分子に対する貧溶媒を加えることにより生じた組成物を析出させ、当該析出物中の架橋基を架橋反応させることから成る高分子固定化パラジウム触媒の製法である。この触媒はHeck反応や鈴木-宮浦カップリング反応おける触媒として有用である。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


パラジウムのナノサイズクラスターは環境、エネルギー、医療、化学工業などの分野で重要な役割を担う材料として注目され、これまでに多種多様なナノサイズパラジウムクラスターの製造方法が報告されている。一般に金属クラスターはサイズが小さいほど、材料としての機能は高いが、不安定で凝集しやすい。また、材料として利用する場合、ナノサイズクラスターとしての機能を損なわない形でのコンポジット化が必要である。この目的のために、様々な素材がナノサイズパラジウムクラスターの担体として検討されているが、有機高分子もその一つである(非特許文献1、特許文献1)。有機高分子にパラジウムクラスターを固定する場合、多くは配位性の官能基を介しての固定、又は物理的な封入による固定が行われるが、一般に強い固定化によると微小クラスターとしての機能が低下し、弱い固定によると、機能は低下しにくいものの担体からの解離やクラスター同士の凝集が起こり易い。



近年、マイクロカプセル化法を用いたパラジウムの高分子への固定が開発された(非特許文献2~3)。この手法によりパラジウムは、スチレン系高分子のベンゼン環との弱い配位によってサブナノメートルサイズのクラスターとして固定され、非常に高い触媒活性を示した。その後本手法は、架橋やミセル化の手法を導入することで高活性を保持しつつ、より安定性の向上した高分子固定化パラジウム触媒へと発展している(非特許文献4~7、特許文献2、3)。



マイクロカプセル化法では、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4)など0価のパラジウムを原料として、配位子交換によりパラジウムを芳香族高分子に固定した。その結果、得られた高分子固定化パラジウム中には0価のパラジウムがホスフィンフリーの状態で存在し、これが小さなクラスターサイズとともに触媒としての高活性の一因と考えられる。しかしながら、Pd(PPh3)4は比較的高価であり、より安価なパラジウム原料からの製造法の確立が望まれている。
チオールや界面活性剤などがナノサイズ金属クラスターの安定化に有効であり、また4級アンモニウム塩には溶液中の金属触媒を分散させる効果があることが知られている(非特許文献8~9)。4級アンモニウム塩を用いてマイクロカプセル化を行うことにより、通常のマイクロカプセル化の手法では固定できない酢酸パラジウム(II)を原料としても、芳香族高分子に0価のパラジウムを固定できる(非特許文献10)。
一方、酢酸パラジウム(II)が還元剤非共存下、温和な熱処理により分解・還元されて、0価のパラジウムを生成することが報告されている(非特許文献11)。



【特許文献1】
WO99/41259
【特許文献2】
特開2002-66330
【特許文献3】
特開2002-253972
【非特許文献1】
Uozumi, Y. Topics in Current Chemistry, 242, 77 (2004).
【非特許文献2】
Akiyama, R. 他 Angew. Chem., Int. Ed. 40, 3469 (2001).
【非特許文献3】
Akiyama, R. 他 J. Am. Chem. Soc. 125, 3412 (2003).
【非特許文献4】
Kobayashi, S. 他 Chem. Commun. 2003, 449.
【非特許文献5】
Okamoto, K. 他 J. Org. Chem. 69, 2871 (2004).
【非特許文献6】
Okamoto, K. 他 Org. Lett. 6, 1987 (2004).
【非特許文献7】
Okamoto, K. 他 J. Am. Chem. Soc. 127, 2125 (2005).
【非特許文献8】
Reetz, M. T. 他 Chem. Commun. 1996, 1921.
【非特許文献9】
Reetz, M. T. 他 Adv. Mater., 11, 773 (1999).
【非特許文献10】
萩尾浩之 他 日本薬学会第125会年会要旨集4,108頁 (2005)
【非特許文献11】
Reetz, M. T. 他 Chem. Commun. 2004, 1559.

産業上の利用分野


本発明は、2価のパラジウムを原料として、芳香族高分子に0価のパラジウムをナノサイズクラスターとして固定した高分子固定化パラジウム触媒の製法、その製法により製造された触媒及びその使用法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
芳香族側鎖及び架橋基を有する架橋性高分子、2価のパラジウム塩及びアルカリ金属塩を、当該架橋性高分子を溶解する溶媒中で溶解または分散させ、これを60~200℃に加熱し、冷却後当該架橋性高分子に対する貧溶媒を加えることにより析出物を生じさせ、当該析出物中の架橋基を架橋反応させることから成り、該アルカリ金属塩が、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム又は酢酸カリウムである高分子固定化パラジウム触媒の製法。

【請求項2】
前記架橋性高分子が更に親水性側鎖を有する請求項1に記載の製法。

【請求項3】
前記2価のパラジウム塩が、酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、シアン化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酸化パラジウム、硫化パラジウム、若しくはパラジウムアセチルアセトナート、又はこれらの混合物である請求項1~2のいずれか一項に記載の製法。

【請求項4】
前記2価のパラジウム塩が、酢酸パラジウムである請求項3に記載の製法。

【請求項5】
前記架橋性高分子が更に芳香族側鎖以外の疎水性側鎖を有する請求項1~のいずれか一項に記載の製法。

【請求項6】
前記架橋性高分子が、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基を有する側鎖を含む請求項1~のいずれか一項に記載の製法。

【請求項7】
前記架橋性高分子が、更に、水酸基、1級若しくは2級のアミノ基又はチオール基を含む側鎖を少なくとも一種有する請求項に記載の製法。

【請求項8】
前記架橋性高分子が、スチレンを含む重合性モノマーの共重合体である請求項1~のいずれか一項に記載の製法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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