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反応性置換基を有する生分解性重合体 コモンズ

国内特許コード P110003524
整理番号 Y00-P370-1
掲載日 2011年6月23日
出願番号 特願2005-305112
公開番号 特開2006-083396
登録番号 特許第4804102号
出願日 平成17年10月20日(2005.10.20)
公開日 平成18年3月30日(2006.3.30)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発明者
  • 白浜 博幸
  • 安田 源
  • 馬場 栄一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 反応性置換基を有する生分解性重合体 コモンズ
発明の概要 【課題】 本発明は、成形性が良好で各種の利用形態に応じた機能性を有し、生分解性に優れた生分解性重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】 発明者らは側鎖に水酸基等の置換基を有するポリラクチド系高分子の研究を行なった結果、このような反応性に富む置換基(官能基)を持つ生分解性重合体が高い生分解性を示すことを見出し、このような反応性に富む置換基(官能基)を持つ生分解性重合体を安定に製造する方法を見出すことにより、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、ラクチドとフェノール性水酸基を有するデプシペプチドとを開環重合して得られる生分解性共重合体を提供する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


生分解性重合体は、手術用の糸などの医療用材料や、除草剤などの農薬組織体として利用されている。また近年、自然環境中に放置された時に酵素や微生物によって分解される点が環境保全面から注目され、研究が進められている。生分解性重合体は、種々の製品形状に加工するための成形性が良好である必要がある。また環境放置型重合体の場合は、生分解速度も速いことも求められている。
従来の代表的な生分解性重合体に脂肪族ポリエステルがある。脂肪族ポリエステルは生体適合性があり、分解物が無害である点において優れている。
代表的な脂肪族ポリエステルであるポリカプロラクトンは、比較的早い生分解速度をもっており、さらに柔軟性(耐衝撃性)に優れているが、機械的強度に劣り、また融点が約60℃と低く成形性に劣るという課題がある。



また、同じく脂肪族ポリエステルであるポリラクチドは、機械的性質が優れている反面、生分解速度が緩慢であり、固くて脆い、成形加工が困難などという課題がある。
ポリラクチドの成形性を改良するための技術としては、例えば、L-ラクチドをアゼライン酸・エチレングリコールとの共重合体とすることによって、L-ラクチドの重合体(融点181℃)に比べて融点が140℃に下がり、押し出し加工における粘度が低下して成形性が改良される技術が報告されている(特許文献1)。しかし、この公報には、生分解速度についての記載はなく、改善の余地があると考えられる。
また、ポリラクチドの生分解速度を改良するための技術としては、例えば、ε-カプロラクトンとオキセタンないしジメチルトリメチレンカーボネートからなるブロック共重合体が汚泥中ないし酵素を使った分解実験において易生分解性(分解速度に優れる特性)であることが報告されている(特許文献2)。しかし、この共重合体は、側鎖に官能基をもっていない。



また、デプシペプチドを用いて生分解速度を改良するための技術として、側鎖にアルキル基等の各種の基を持ったデプシペプチド重合体が報告されている(特許文献3)。しかし、この重合体は、既存の医療材料よりも分解速度を遅くしようとするものであり、側鎖に官能基をもっていない。
一方、リシンやアスパラギン酸に基づくデプシペプチドとL-ラクチドとの共重合体が生分解性を示す報告もなされており、ラクチド共重合体の側鎖にアミノ基やカルボキシル基を導入すると生分解性を有することが示されており、更にこのような官能基を導入するために重合時にベンジル基等で保護し、重合後に脱保護する方法も開示されている(非特許文献1)。
また、セリンに基づくデプシペプチドとL-ラクチド又はε-カプロラクトンとの共重合体が生分解性を示す報告もなされており、側鎖に水酸基を導入すると生分解性を有することが示されている(非特許文献2)。



生分解性重合体が側鎖に官能基を持っていると、その官能基を用いた種々の修飾が可能なので、生分解生重合体としての利用範囲を広げることができる。即ち機能性の高い生分解性重合体が得られる。発明者らは、この視点から、側鎖に置換基を有する高分子の研究を行なっているが、従来の置換基は反応性が乏しく、反応性に富む置換基(官能基)を持つ生分解性重合体はまだ知られていなかった。



【特許文献1】
特開平7-53685号
【特許文献2】
特開平7-304835号
【特許文献3】
特許第2559208号
【非特許文献1】
T. Ouchi, et. al. J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 1997 35, 377-383
【非特許文献2】
G. John, et. al. J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 1997 35, 1901-1907

産業上の利用分野


この発明は、反応性置換基を有する生分解性共重合体に関し、より詳細にはラクチドとフェノール性水酸基を有するデプシペプチドとを開環重合して得られる生分解性共重合体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ラクチドとフェノール性水酸基を有するデプシペプチドとを開環重合して得られる生分解性共重合体。

【請求項2】
前記ラクチドがL-ラクチドである請求項1に記載の生分解性共重合体。

【請求項3】
下記化学式
【化1】


(式中、n及びmは正数を表す。)で表される生分解性共重合体。

【請求項4】
請求項3に記載の生分解性共重合体をポリイソシアネートで架橋させた重合物。

【請求項5】
保護されたフェノール性水酸基を有するデプシペプチドとラクチドとを開環重合させ、該フェノール性水酸基を脱保護することにより生分解性共重合体を製造する方法。

【請求項6】
前記生分解性共重合体が下記化学式
【化1】


(式中、n及びmは正数を表す。)で表される請求項5に記載の生分解性共重合体の製法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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