TOP > 国内特許検索 > 水銀捕捉剤及び体内水銀の排泄方法

水銀捕捉剤及び体内水銀の排泄方法

国内特許コード P110003555
掲載日 2011年6月23日
出願番号 特願2009-275632
公開番号 特開2011-116700
登録番号 特許第5569835号
出願日 平成21年12月3日(2009.12.3)
公開日 平成23年6月16日(2011.6.16)
登録日 平成26年7月4日(2014.7.4)
発明者
  • 愛甲 博美
  • 柴原 隆志
出願人
  • 学校法人加計学園
発明の名称 水銀捕捉剤及び体内水銀の排泄方法
発明の概要 【課題】生体内に存在する水銀を捕捉して効率よく排泄させることが可能な水銀捕捉剤を提供する。
【解決手段】下記式(1)



で表される中心骨格を有する2核モリブデン錯体を有効成分として含有する水銀捕捉剤を投与することによって体内に蓄積されている水銀を排泄する。このとき、前記2核モリブデン錯体が、該錯体の中心骨格中のモリブデン原子に対して含硫黄アミノ酸、特に、システインが配位したものであることが好適である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



人間活動によって大気中に放出される水銀の量は年を追うごとに増加している。放出された水銀は大気中の水分、海水、土壌等に蓄積され、さらに、水銀が蓄積された土壌や水で育った、植物、家畜、魚介類等に蓄積され、最終的には人体に濃縮される。人体や動物に取り込まれた水銀の大部分は体外に排泄されるが、一部は生体内に蓄積して、その量が多い場合には、中枢神経・内分泌器・腎臓などの器官に障害をもたらす場合があり、特に胎児や幼児に対して有毒であるとされている。また、水銀の一部は、動植物に取り込まれて食物連鎖が進む過程で、より毒性の強い有機水銀へと変化する。





このようなことから、水銀の環境中の含有量について環境基準が定められているなど、水銀の取扱には厳しい管理が課されているが、様々な状況を通して水銀が人体へ取り込まれることは避けられない。例えば、大気汚染が激しい場合には、大気中から直接人体に侵入する水銀量が問題となることもあり得る。また、食品、特に魚介類などには多くの水銀が含有することが知られている。さらに、水銀を含有する電池、温度計、蛍光灯の製造や回収作業、虫歯治療で使用された水銀を含有する歯科材料(アマルガム)からの漏出、殺菌剤等として水銀を含有するワクチンの接種又は水銀を使用した金鉱石からの金の取り出し作業、などによる水銀の摂取についても危険性が指摘されている。





体内への水銀の蓄積による健康被害については、重症筋無力症、多発性硬化症、アルツハイマー氏病、リュウマチ、膠原病などの全身病、鬱病、躁鬱病、不眠症、自律神経失調症、各種アレルギー、リンパ節症などの神経・内科病、腎臓障害などの泌尿器科病、さらには皮膚病、眼病、循環器病等さまざまな種類の疾患への関与が疑われている。従って、体内に蓄積された水銀をできる限り多く取り除き、健康を回復させることが重要である。





体内に蓄積された水銀の排泄には、これまでに、水銀に配位するキレート剤が有効であることが知られている。水銀中毒治療薬としては、DMPS(2,3-dimercaptopropanesulfonate sodium)、DMSA(2,3-meso-dimercaptosuccinic acid)、ALA(alpha lipoic acid)などのキレート剤が使用されている。しかしながら、これらのキレート剤は人体にとって必要な必須金属も同時に体外に排泄してしまうため、これらを使用する場合には、同時に必須金属を補給する必要があった。また水銀の排泄効率も不十分であった。





非特許文献1及び2には、下記式(I)





【化1】








で表される不完全キュバン型硫黄架橋モリブデン錯体を用いた体内水銀の排泄について記載されている。当該文献には、金属水銀蒸気を暴露したマウスに対して、前記錯体を含有する水溶液を経口投与した場合には、水やL-システインを投与した場合と比較して、尿への金属水銀の排泄量が増加したことが記載されている。一般に、体内に入った水銀は、その大部分が酸化されて2価の水銀イオン(Hg2+)の状態で存在することが知られているが、当該錯体は0価水銀(Hg)に対して反応するものであったため(非特許文献3)、体内水銀の排泄効果は十分ではなかった。





また、下記式(2)





【化2】








で示される錯体がこれまでに知られており(非特許文献4)、陰イオンである当該錯体と、その対イオンとなるナトリウムイオンや亜鉛イオンとの塩の結晶構造解析について報告例がある(非特許文献5及び6)。しかしながら、陰イオンの当該錯体と水銀イオンとの塩については記載されておらず、当該錯体の水銀捕捉剤としての効果もこれまでに知られていなかった。

産業上の利用分野



本発明は、2核モリブデン錯体を有効成分として含有する水銀捕捉剤に関する。また、このような水銀捕捉剤を人以外の動物に投与して、該動物の体内に蓄積されている水銀を排泄する、体内水銀の排泄方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(
【化1】


で表される2核モリブデン錯体を有効成分として含有する水銀捕捉剤。

【請求項2】
生体内に存在する水銀を捕捉して排泄させるためのものである請求項1に記載の水銀捕捉剤。

【請求項3】
水銀捕捉剤が2価水銀イオン(Hg2+)を捕捉することを特徴とする請求項1又は2に記載の水銀捕捉剤。

【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の水銀捕捉剤を人以外の動物に投与して、該動物の体内に蓄積されている水銀を排泄する、体内水銀の排泄方法。

【請求項5】
前記動物が家畜、養殖魚介類又はペットである請求項に記載の体内水銀の排泄方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
本技術について、ライセンスや共同研究等をご希望の方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close