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免疫刺激剤 実績あり

国内特許コード P110003567
整理番号 B18P27
掲載日 2011年6月23日
出願番号 特願2005-506241
登録番号 特許第4850512号
出願日 平成16年5月13日(2004.5.13)
登録日 平成23年10月28日(2011.10.28)
国際出願番号 JP2004006793
国際公開番号 WO2004100965
国際出願日 平成16年5月13日(2004.5.13)
国際公開日 平成16年11月25日(2004.11.25)
優先権データ
  • 特願2003-136876 (2003.5.15) JP
発明者
  • 新海 征治
  • 水 雅美
  • 櫻井 和朗
  • 甲元 一也
  • 沼田 宗典
  • 松本 貴博
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 三井製糖株式会社
発明の名称 免疫刺激剤 実績あり
発明の概要 免疫刺激性オリゴヌクレオチドが、安全でトランスフェクション効果の高いキャリアーと複合体化された新しいタイプの免疫刺激剤を開示している。免疫刺激性オリゴヌクレオチドをβ-1,3-結合をもつ多糖類(好ましくは、シゾフィランのようなβ-1,3-グルカン)と複合体化し、免疫刺激剤として投与する。免疫刺激性オリゴヌクレオチドの好ましい例は非メチル化CpGモチーフを含むものである。多糖類は核酸結合性および/または細胞親和性官能基で修飾したものを使用するのが好ましい。
従来技術、競合技術の概要

免疫応答の刺激活性を有するオリゴヌクレオチド(以下、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、免疫刺激性核酸または免疫刺激性DNAと記述することがある)は、1984年にTokunagaらによりBCGの抗腫瘍性成分を検索する過程で発見された。そして、その活性化作用がシトシン・グアニン ジヌクレオチド(5’-CpG-3’:所謂CpG配列)を含む特定の塩基配列に起因するものであることが明らかにされた(Tokunaga,T.,et al.,J.Natl.Cancer Inst.,72,955(1984)(非特許文献1);Tokunaga,T.,et al.,J.Natl.Cancer Res.,79,682(1988)(非特許文献2)。
脊椎動物または植物以外のCpG配列をもつゲノムDNAにも同様の活性が認められている。免疫刺激活性にはCpGコアの前後の配列も重要と考えられ、特に、メチル化されてないCpGを有し、その前後に置換プリン(Pu)と置換ピリミジン(Py)が配列した5’-PuPuCpGPyPy-3’が、代表的な非メチル化CpGモチーフとしてコンセンサスを得ている(Krieg,A.,et al.,Nature,374,576(1995)(非特許文献3))。ここで、非メチル化CpGモチーフとは、よく知られているように、少なくとも1つのシトシン(C)-グアニン(G)配列を含む短いヌクレオチド配列(一般的には4~10個のヌクレオチドから成る配列)であって、該シトシン-グアニン配列におけるシトシンの5位がメチル化されていないものを指称する。なお、以下の説明において、CpGとは、特にことわらなり限り非メチル化CpGを意味する。
有用なCpGモチーフ(ヘキサマー)の例を以下に記載する(ただし、A:アデニン、G:グアニン、C:シトシン、T:チミン、U:ウラシル)。
AACGTT、AGCGTT、GACGTT、GGCGTT、AACGTC、AGCGTC、GACGTC、GGCGTC、AACGCC、AGCGCC、GACGCC、GGCGCC、AACGCT、AGCGCT、GACGCT、およびGGCGCT
これらの配列を含む8~100個程度で構成されるオリゴヌクレオチドが免疫刺激活性を有するものである(特表2001-503254(特許文献1))。
以下の配列は、NK細胞の活性化に有効と報告されたCpGモチーフを含む免疫刺激性オリゴヌクレオチドの例である(下線部分がCpGモチーフを示し、また、大文字はチオール化DNAを表わす)(伊保澄子,山本三郎,Annual Review免疫2001,137-146(2002)(非特許文献4))。


CpGモチーフ以外にも、免疫刺激性核酸として知られている幾つかの配列がある。例記すると、5’TTTT3’のようにチミジンに富むTリッチ核酸、5’GGGG3’のようにグアニジンに富むGリッチ核酸、チミジンとグアニジンの両方に富むTGリッチ核酸、シチジンに富むCリッチ核酸などが非CpG免疫刺激性核酸として最近注目されている(特表平08-500738(特許文献2);特表2002-512599(特許文献3);特表2003-510282(特許文献4);特表2003-510290(特許文献5))。
これらの免疫刺激性核酸の免疫系細胞に対する効果の大きな特徴は、抗原提示細胞を活性化することである。マウスやヒトの単球、マクロファージ、樹状細胞などに直接作用して、IL-6、TNF-α、IL-12、IFNα/β、IL-18、一酸化窒素などの免疫力増強作用をもつサイトカインを産生させる。
免疫性疾患に対する治療用の核酸ならびにDNAワクチンの組成物に関する特許出願が、最近、増えており、例えば、ザ ユニバーシティ オブ アイオワ リサーチ ファウンデーションの出願によるものは、ウイルス、細菌、真菌または寄生体の感染によって引き起こされる免疫系不全や、ガンにかかっているヒトや動物の処置、リポ多糖やエンドトキシンの暴露から生ずる気流の急性減少を起こした被験体のための治療的使用などのため、またはアジュバント用に多数のCpGモチーフ系の配列を提案している(特表平10-506265(特許文献6);特表2001-503267(特許文献7);特表2001-513776(特許文献8))。
CpGモチーフをDNAワクチンに使用する特許の出願で、魚介類に対するものも認められる(特開平9-285291(特許文献9))。
同様に、動物のパルボウイルスの感染予防の目的のためのものもある(特表2000-509976(特許文献10))。
また、特許文献1、11および12などにも、免疫刺激活性を有する類似の配列が多数記載されている(特表2002-517156(特許文献11);特表2002-526425(特許文献12))。
アンチセンスDNAを用いる遺伝子治療の場合と同様に、免疫刺激性オリゴヌクレオチドのリン酸バックボーンは、ヌクレアーゼ耐性化のために、ホスホジエステル結合の部分がホスホロチオエート結合に修飾されている例が多い。また、免疫刺激性オリゴヌクレオチドの細胞との親和性を高める目的でリポソーム、カチオン脂質、コレステロールなどのトランスフェクション剤を併用する例も多く見られる。
遺伝子治療の際のアンチセンスDNAのトランスフェクション剤としては、当初、レトロウイルスまたはアデノウイルスがin vitroで極めて見込みのある結果を与えたが、これら天然由来のウイルスの炎症性、免疫原的性質、ならびに突然変異誘発および細胞ゲノム中への組み込みの危険性が原因して、これらのin vivoおける使用は制限されている(Mulligan,Science,260,926-932(1993)(非特許文献5);Miller,Nature,357,455-460(1992)(非特許文献6);Crystal,Science,270,404-410(1995)(非特許文献7))。
天然由来の遺伝子のトランスフェクション剤の代替物として、ウイルス系よりも取り扱いが簡単であるのみならず、細胞へDNAを確実に効率良く集中させることが可能な人工材料の非ウイルス系キャリアーの使用が提示された(Tomlinson and Rolland,J.Contr.Rel.,39,357-372(1996)(非特許文献8))。
現在、非ウイルス性の人工キャリアーとしてよく検討されているのはポリエチレンイミン(PEI)である。多数の異なった付着細胞および浮遊細胞ライン中では、3次元的分岐構造のカチオンポリマーであるPEIは、ある場合には平均以上のトランスフェクション率を引き起こす結果になった(Boussif et al.,Gene Therapy,,1074-1080(1996)(非特許文献9))。
また、PEIと同様、窒素を含む置換基で修飾された、種々のカチオン性ポリマー、カチオン性脂質などが遺伝子キャリアー、トランスフェクション剤、薬物担体などという名称で、最近、多数の特許が出願されるようになってきた。
しかしながら、PEIのようなカチオン性ポリマーの安全性についてはほとんど確認されていないのが現状である。カチオン性を付与するには、通常、アミノ基の存在が不可欠であるが、アミノ基を有する物質は生理活性が高く、体内毒性等の危険性が考えられる。事実、今まで検討されたいかなるカチオン性ポリマーも未だ実用に供されておらず、医薬品添加物辞典等に記載されていない(医薬品添加物辞典(非特許文献10);日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社(非特許文献11))。
一方、筋肉内注射製剤の臨床薬として実際に使用されている多糖類に、β-1,3-グルカンが存在する。この多糖は天然では三重螺旋構造をとっていることが古くから知られている(Theresa M.McIntire and David A.Brant,J.Am.Chem.Soc.,120,6909(1998)(非特許文献12))。
さらに、この多糖は、既に生体内での安全性が確認されており、婦人科癌に対する免疫増強法の筋肉内注射薬として20年以上の使用実績がある(清水,陳,荷見,増淵,Biotherapy,,1390(1990)(非特許文献13);長谷川,Oncology and Chemotherapy,,225(1992)(非特許文献14))。
このようなβ-1,3-グルカンを、DNA等の生体材料とコンジュゲートし、遺伝子キャリアーに使用できることが知られている。この先行技術には、天然のβ-1,3-グルカン、すなわち、三重螺旋構造を有するβ-1,3-グルカンをそのまま使用し、これと生化学活性のある材料を、共有結合を介して、β-1,3-グルカン/生体材料のコンジュゲートを製造する方法が述べられている(PCT/US95/14800)(特許文献13)。
また、最近、本発明者らにより、β-1,3-結合を主鎖とする多糖類が、人工的に処理されることで、各種の核酸と新しいタイブの複合体を形成することが見出された(PCT/JP00/07875(特許文献14);PCT/JP02/02228(特許文献14);櫻井,新海,J.Am.Chem.Soc.,122,4520(2000)(非特許文献15);木村,甲元,櫻井,新海,Chem.Lett.,1242(2000)(非特許文献16))。
本発明の目的は、免疫刺激性オリゴヌクレオチドを、安全でトランスフェクション効果の高い新タイプのキャリアーと複合体化し、免疫刺激剤として提供することにある。

産業上の利用分野

本発明は、免疫刺激剤(Immunostimulant:免疫賦活剤または免疫促進剤などとも呼ばれる)の技術分野に属し、特に、免疫性オリゴヌクレオチドを、新規なトランスフェクション剤と複合体化することにより得られる、安全で、薬効の高い免疫刺激剤を提供することに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 免疫刺激性オリゴヌクレオチドとβ-1,3-結合を有する多糖類との複合体から成る免疫刺激剤であって、前記免疫刺激性オリゴヌクレオチドが、非メチル化CpGモチーフを含み、該オリゴヌクレオチドのリン酸バックボーンが、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート修飾されており、前記β-1,3-結合を有する多糖類が、β-1,3-グルカンまたはβ-1,3-キシランである、免疫刺激剤。
【請求項2】 β-1,3-グルカンがシゾフィラン、カードラン、レンチナン、パーキマン、グリホラン、ラミナランまたはスクレログルカンから選ばれたものである、請求項1の免疫刺激剤。
【請求項3】 オリゴヌクレオチドと多糖類との複合体が、水素結合と疎水性相互作用を介して形成される三重螺旋構造状のものである、請求項1の免疫刺激剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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