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2次元フォトニック結晶及びそれを用いた光デバイス

国内特許コード P110003607
整理番号 701
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2004-378706
公開番号 特開2006-184617
登録番号 特許第4923234号
出願日 平成16年12月28日(2004.12.28)
公開日 平成18年7月13日(2006.7.13)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 高山 清市
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 2次元フォトニック結晶及びそれを用いた光デバイス
発明の概要 【課題】 TE偏波とTM偏波の双方に対する条件を容易に満たすことができる2次元フォトニック結晶を提供する。
【解決手段】 本体20に、第1領域21には円形の空孔23を三角格子状に、第2領域22には正三角形の空孔24を三角格子状に、それぞれ配置する。これにより、第1領域21にはTE偏波に対するフォトニックバンドギャップ(PBG)であるTE-PBGが、第2領域22にはTM偏波に対するPBGであるTM-PBGが、それぞれ形成される。第1領域21と第2領域22では空孔の周期や大きさ等のパラメータを独立に設定することができるため、TE-PBGとTM-PBGに共通するエネルギー領域(完全PBG)を大きく、且つ容易に形成することができる。この完全PBG内のエネルギーに対応する導波路25や共振器26、27等を形成することにより、偏波分合波器や、偏波に依存しない周波数(波長)分合波器などを形成することができる。
【選択図】 図6
従来技術、競合技術の概要


光通信は今後のブロードバンド通信の中心的役割を担う通信方式であることから、その普及のために、光通信システムに使用される光部品類に対して更なる高性能化、小型化、低価格化が求められている。このような要求を満たす次世代光通信部品の有力候補のひとつとして、フォトニック結晶を利用した光通信用デバイスがある。これは既に一部で実用段階に入っており、偏波分散補償用フォトニック結晶ファイバーなどが実用に供されている。現在では更に、波長分割多重通信(Wavelength Division Multiplexing:WDM)に使用される光分合波器等の開発が実用化に向けて進められている。



フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を形成したものである。この周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を誘電体本体内に周期的に配置することにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関するバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域は「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ばれる。



このフォトニック結晶中に適切な欠陥を設けることにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。点状に形成された欠陥はその波長の光の光共振器として使用することができ、線状に形成された欠陥は導波路として使用することができる。



上記技術の一例として、特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を形成した2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。



特許文献1に記載のものを含め、多くの2次元フォトニック結晶では、電場が本体に平行に振動するTE偏波又は磁場が本体に平行に振動するTM偏波のいずれか一方の偏波に対してPBGが形成されるように設計される。この場合、他方の偏波に対してはPBGが形成されない場合や、形成されたとしてもそれが該一方の偏波のPBGとは異なるエネルギー領域に形成される場合には、同一の周波数(波長、エネルギー)のTE偏波とTM偏波を一緒に用いることはできない。



例えば、WDMにおいて同一の周波数に対して更にTE偏波とTM偏波を独立に用いることができれば、それを行わない場合よりも多重数を2倍に増やすことができる(偏波多重)。しかし、上記のように、従来の2次元フォトニック結晶を用いた光合分波器では、同一周波数のTE偏波とTM偏波の双方を独立に使用することができないため、偏波多重を行うことが困難である。



そこで、TE偏波及びTM偏波の両方に対してPBGを形成し、その両PBGが共通域を持つようにした2次元フォトニック結晶を作製することが検討されている。以下、この共通域を「完全フォトニックバンドギャップ(完全PBG)」と呼ぶ。例えば、特許文献2には、スラブ状の本体に三角形(三角柱状)の空孔を三角格子状に周期的に配置することにより完全PBGが形成される2次元フォトニック結晶が記載されている。この特許文献2に記載の2次元フォトニック結晶では、完全PBG内の周波数の光は、TE偏波及びTM偏波をそれぞれ独立に用いることができる。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、[0032]、図1、図5~6)
【特許文献2】
特開2004-294517号公報([0021]~[0022]、[0041]~[0043]、図1、図14~17)

産業上の利用分野


本発明は、光分合波器等の光デバイスに用いられる2次元フォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、可視光以外の電磁波も含むものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
スラブ状の本体に周期的に屈折率分布を設けて成る2次元フォトニック結晶であって、
a) TE偏波に対するフォトニックバンドギャップを有する第1領域と、
b) 第1領域に隣接して設けられ、該第1領域とは異なる屈折率分布を有し、少なくとも一部のエネルギー領域が前記TE偏波フォトニックバンドギャップと共通する、TM偏波に対するフォトニックバンドギャップを有する第2領域と、
c) 前記第1領域と前記第2領域の双方を通り、前記屈折率分布の欠陥を線状に設けることにより形成され、該第1領域では前記TE偏波フォトニックバンドギャップ内にTE偏波に対して所定周波数の欠陥準位が設定され、該第2領域では前記TM偏波フォトニックバンドギャップ内にTM偏波に対して前記所定周波数の欠陥準位が設定されると共に、該第1領域及び該第2領域のいずれか一方において、欠陥準位が形成された偏波とは異なる偏波における前記所定周波数がフォトニックバンド内となるように設定されている導波路と
を備えることを特徴とする2次元フォトニック結晶。

【請求項2】
前記第1領域の屈折率分布が、前記本体とは屈折率が異なる円形の異屈折率領域を三角格子状に配置したものであり、前記第2領域の屈折率分布が、前記本体とは屈折率が異なる正三角形の異屈折率領域を三角格子状に配置したものであることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項3】
前記第1領域及び前記第2領域の導波路の近傍にそれぞれ、その領域に対応する偏波が共振する共振器を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項4】
前記第1領域又は前記第2領域のいずれか一方を通り、前記導波路と共に該一方の領域の共振器を挟むように、前記屈折率分布の欠陥を線状に設けることにより形成される第2導波路を備えることを特徴とする請求項3に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項5】
前記第1領域及び前記第2領域の双方を通り、前記導波路と共に双方の領域の共振器を挟むように、前記屈折率分布の欠陥を線状に設けることにより形成される第2導波路を備えることを特徴とする請求項3に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶を1つの構成単位として、該構成単位を複数個接続して形成され、全構成単位の導波路が連続していることを特徴とする2次元フォトニック結晶。

【請求項7】
本体の厚さが全ての領域で等しいことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶を用いた光機能素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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