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シミュレーション装置、およびプログラム コモンズ

国内特許コード P110003609
整理番号 922
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2007-517716
登録番号 特許第4940433号
出願日 平成17年11月24日(2005.11.24)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
国際出願番号 JP2005021528
国際公開番号 WO2006126293
国際出願日 平成17年11月24日(2005.11.24)
国際公開日 平成18年11月30日(2006.11.30)
優先権データ
  • 特願2005-150440 (2005.5.24) JP
発明者
  • 松岡 達
  • 藤本 新平
  • 濱田 輝基
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 シミュレーション装置、およびプログラム コモンズ
発明の概要

【課題】従来のシミュレーション装置においては、グルコース受容からインスリン分泌をシミュレーションできない、という課題があった。
【解決手段】グルコースに関する情報であるグルコース情報を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けたグルコース情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するインスリン生成部と、前記インスリン生成部が生成したインスリン情報を出力する出力部と、を具備するシミュレーション装置により、グルコース受容からインスリン分泌をシミュレーションできる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


インスリンは、膵臓ランゲルハンス島のβ細胞から血中に分泌されるホルモンの1つである。また、血糖値が上昇すると、膵β細胞はグルコーストランスポーターを介して細胞内にグルコースを取り込み、ミトコンドリアでATPを産生する。ATP濃度増加に伴い、KATPチャネルが閉じ、細胞膜が脱分極する。この脱分極によって電位依存性Ca2+チャネルが開き、Ca2+が細胞内に流入し、インスリン分泌を引き起こす。そして、インスリンは、体内の各細胞表面にあるインスリン受容体に結合すると、その細胞は血中のグルコースを取り込み、血糖値を低下させる。以上の動作により、インスリンは、血糖値を低下させる。



また、SU剤は、膵β細胞のSU受容体に結合し、KATPチャネルを閉じることによってインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させる薬剤である。



かかる、グルコース受容からインスリン分泌に至るまでの概念を説明した概念図が図10である。



以上のβ細胞内の動作をシミュレーションする、従来のシミュレーションモデルとして、膵β細胞外グルコース濃度依存的な細胞内ATP、ADP、Ca2+等のイオンの時間推移を数式化したモデルがある(非特許文献1参照)。



また、Ca2+-uniporterモジュール、小胞体モジュール、ミトコンドリア、および小胞体の細胞内容積率を数式化したモデルがある(非特許文献2参照)。



さらに、膵β細胞内のインスリン顆粒の位置・活性化情報を定性的に推定した仮説が存在する(非特許文献3参照)。



なお、SU剤のKd値については非特許文献4に記載されている。また、関連する文献に、非特許文献5がある。

【非特許文献1】Magnus G., et al、Model ofβ-cell mitochondrial calcium handling and electrical activity. I. Cytoplasmic variables.、Am. J. Physiol.、米国、1998、274、C1158-C1173

【非特許文献2】CHRISTOPHER P. FALL , et al、Mitochondrial Modulation of Intracellular Ca2+ Signaling、J. Theor. Biol.、米国、2001、210、 151-165

【非特許文献3】Rorsman P.、The pancreatic beta-cell as a fuel sensor: an electrophysiologist's viewpoint、Diabetologia、米国、1997、40, 487-495

【非特許文献4】Schmid-Antomarchi, et al. 、The receptor for antidiabetic sulfonylureas controls the activity of the ATP-modulated K+ channel in insulin-secreting cells.、THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY、1987、262、15840-15844

【非特許文献5】Detimary P., et al.、Concentration dependence and time course of the effects of glucose on adenine and guanine nucleotides in mouse pancreatic islets.、THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY、1996, 271, 20559-20565

産業上の利用分野


本発明は、膵β細胞のインスリン分泌に関するシミュレーションを行ったり、SU剤の膵β細胞に対する薬理作用を予測したりできるシミュレーション装置等に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】グルコースに関する情報であるグルコース情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けたグルコース情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するインスリン生成部と、
前記インスリン生成部が生成したインスリン情報を出力する出力部とを具備し、
前記インスリン生成部は、
産生されるATPに関する情報であるATP情報を取得するATP情報取得手段と、
細胞内に流入するCa2+に関する情報であるカルシウムイオン情報を取得するカルシウムイオン情報取得手段と、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記グルコース情報に基づいて、ゴルジ体付近で生成されるインスリンに関する情報である第一インスリン情報を生成するゴルジ体付近インスリン情報生成手段と、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第一インスリン情報に基づいて、細胞膜付近でのインスリンに関する情報である第二インスリン情報を生成する細胞膜付近インスリン情報生成手段と、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第二インスリン情報に基づいて、リン酸化されたインスリンに関する情報である第三インスリン情報を生成するリン酸化インスリン情報生成手段と、
前記カルシウムイオン情報と、前記第三インスリン情報に基づいて、活性化されたインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成する活性化インスリン情報生成手段と、
を具備するシミュレーション装置。
【請求項2】前記活性化インスリン情報生成手段は、
前記カルシウムイオン情報と、前記第三インスリン情報に基づいて、活性化されたインスリンに関する情報である第四インスリン情報を生成し、当該第四インスリン情報に基づいて、インスリン分泌速度に関する情報であるインスリン情報を生成する請求項1記載のシミュレーション装置。
【請求項3】グルコースに関する情報であるグルコース情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けたグルコース情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するインスリン生成部と、
前記インスリン生成部が生成したインスリン情報を出力する出力部とを具備し、
前記受付部は、
前記グルコース情報と、投入するSU剤に関する情報であるSU剤情報を受け付け、
前記インスリン生成部は、
前記グルコース情報と、前記SU剤情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するシミュレーション装置であり、
前記インスリン生成部は、
前記SU剤情報に基づいて、細胞内に流入するKに関する情報であるカリウムイオン情報を生成するカリウムイオン生成手段と、
前記カリウムイオン情報に基づいて、細胞内に流入するCa2+に関する情報であるカルシウムイオン情報を生成するカルシウムイオン生成手段と、
産生されるATPに関する情報であるATP情報を取得するATP情報取得手段と、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記グルコース情報に基づいて、ゴルジ体付近で分泌されるインスリンに関する情報である第一インスリン情報を生成するゴルジ体付近インスリン情報生成手段と、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第一インスリン情報に基づいて、細胞膜付近でのインスリンに関する情報である第二インスリン情報を生成する細胞膜付近インスリン情報生成手段と、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第二インスリン情報に基づいて、リン酸化されたインスリンに関する情報である第三インスリン情報を生成するリン酸化インスリン情報生成手段と、
前記カルシウムイオン情報と、前記第三インスリン情報に基づいて、活性化されたインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成する活性化インスリン情報生成手段と、
を具備するシミュレーション装置
【請求項4】前記出力部は、
SU剤の投入に対する副作用に関する情報である副作用情報を出力する請求項3記載のシミュレーション装置。
【請求項5】前記副作用情報は、
SU剤暴露時間に対応する細胞内のインスリン量を示す情報であるSU剤対応インスリン量情報を含む請求項4記載のシミュレーション装置。
【請求項6】コンピュータに、
グルコースに関する情報であるグルコース情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けたグルコース情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するインスリン生成ステップと、
前記インスリン生成ステップで生成したインスリン情報を出力する出力ステップを実行させるためのプログラムであって、
前記インスリン生成ステップは、
産生されるATPに関する情報であるATP情報を取得するATP情報取得ステップと、
細胞内に流入するCa2+に関する情報であるカルシウムイオン情報を取得するカルシウムイオン情報取得ステップと、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記グルコース情報に基づいて、ゴルジ体付近で分泌されるインスリンに関する情報である第一インスリン情報を生成するゴルジ体付近インスリン情報生成ステップと、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第一インスリン情報に基づいて、細胞膜付近でのインスリンに関する情報である第二インスリン情報を生成する細胞膜付近インスリン情報生成ステップと、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第二インスリン情報に基づいて、リン酸化されたインスリンに関する情報である第三インスリン情報を生成するリン酸化インスリン情報生成ステップと、
前記カルシウムイオン情報と、前記第三インスリン情報に基づいて、活性化されたインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成する活性化インスリン情報生成ステップと、を具備するプログラム。
【請求項7】コンピュータに、
グルコースに関する情報であるグルコース情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けたグルコース情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するインスリン生成ステップと、
前記インスリン生成ステップで生成したインスリン情報を出力する出力ステップを実行させるためのプログラムであって、
前記受付ステップは、
前記グルコース情報と、投入するSU剤に関する情報であるSU剤情報を受け付け、
前記インスリン生成ステップは、
前記グルコース情報と、前記SU剤情報に基づいて、分泌されるインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成するプログラムであって、
インスリン生成ステップは、
前記SU剤情報に基づいて、細胞内に流入するKに関する情報であるカリウムイオン情報を生成するカリウムイオン生成ステップと、
前記カリウムイオン情報に基づいて、細胞内に流入するCa2+に関する情報であるカルシウムイオン情報を生成するカルシウムイオン生成ステップと、
産生されるATPに関する情報であるATP情報を取得するATP情報取得ステップと、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記グルコース情報に基づいて、ゴルジ体付近で生成されるインスリンに関する情報である第一インスリン情報を生成するゴルジ体付近インスリン情報生成ステップと、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第一インスリン情報に基づいて、細胞膜付近でのインスリンに関する情報である第二インスリン情報を生成する細胞膜付近インスリン情報生成ステップと、
前記ATP情報と、前記カルシウムイオン情報と、前記第二インスリン情報に基づいて、リン酸化されたインスリンに関する情報である第三インスリン情報を生成するリン酸化インスリン情報生成ステップと、
前記カルシウムイオン情報と、前記第三インスリン情報に基づいて、活性化されたインスリンに関する情報であるインスリン情報を生成する活性化インスリン情報生成ステップと、を具備するプログラム
【請求項8】前記出力ステップは、
SU剤の投入に対する副作用に関する情報である副作用情報を出力する請求項7記載のプログラム。
産業区分
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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