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強磁性ドットのコア回転素子及び強磁性ドットのコア利用情報記憶素子

国内特許コード P110003610
整理番号 1351
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2008-504984
登録番号 特許第4803681号
出願日 平成19年3月1日(2007.3.1)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
国際出願番号 JP2007000154
国際公開番号 WO2007105358
国際出願日 平成19年3月1日(2007.3.1)
国際公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
優先権データ
  • 特願2006-056174 (2006.3.2) JP
  • 特願2006-211432 (2006.8.2) JP
発明者
  • 小野 輝男
  • 葛西 伸哉
  • 小林 研介
  • 仲谷 栄伸
  • 河野 浩
  • 多々良 源
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 強磁性ドットのコア回転素子及び強磁性ドットのコア利用情報記憶素子
発明の概要 本発明は、強磁性体をナノサイズの円盤状に形成して成る強磁性ドットの中心に生じるコア(磁化の立ち上がり箇所)の面内回転運動を簡便に制御することができる新規な素子を提供する。また、コアを利用した二値情報記憶素子を提供するためになされた。円盤形状の強磁性体から成り、磁気構造が磁気渦構造を取る強磁性ドットと、その強磁性ドットの径方向に所定の周波数の交流電流を供給する電流供給部から成る素子とする。電流の周波数と強磁性ドット固有の周波数とが共鳴すると、コアをドットの面内で回転させることができる。コアからは磁場が漏れているため、この素子を利用することによって、微細なモータといったアクチュエータを得ることが可能となる。また、強磁性ドットにある一定以上の密度の電流を流すと、コアが反転する。これを利用して二値情報を表現することができる。
従来技術、競合技術の概要


強磁性体を直径数μm、厚み数十nm程度の円盤形状とすると(本発明ではこのような構造の強磁性体を「強磁性ドット」と称する)、磁気構造が円盤の周に沿って渦を巻く磁気渦構造となることが知られている。そして、この強磁性ドットの中心付近では、径が10nm程度の微小領域において磁化が円盤の面に対して垂直方向に立ち上がる構造を取る(例えば、非特許文献1参照)。本発明ではこの磁化が垂直方向に立ち上がった箇所を「コア」と称する。



このような強磁性ドットに対して、ドットの径方向に磁場を印加するとコアの位置が変化し、その磁場の印加を止めるとコアはスパイラル運動をしながら強磁性ドットの中心に戻る動作をすることがこれまでの研究によりわかっている。そこで、印加する磁場をコアの回転周期と共鳴するような交流磁場にすると、コアは強磁性ドットの面内において、一定の径で回転運動を行うことが知られている(例えば、非特許文献2参照)。



【非特許文献1】
Shinjo,T., et al. Magnetic vortex core observation in circular dots of permalloy. Science 289, 930-932 (2000)
【非特許文献2】
Guslienko,K.Yu, et al. Eigenfrequencies of vortex state excitations in magnetic submicron-size disks. J. Appl. Phys. 91, 8037-8039 (2002)
【非特許文献3】
R.P.Cowburn, et al. Single-Domain Circular Nanomagnets. Physical review letters 83, No5, 1042-1045 (1999)
【非特許文献4】
25. Shibata,J., et al. Current-induced magnetic vortex motion by spin-transfer torque. Phys. Rev. B 73, 020403 (2006).

産業上の利用分野


本発明は、円盤状強磁性体(強磁性ドット)における磁化(磁気モーメント)立ち上がり箇所(コア)の制御が可能な素子に関する。より詳細には、コアの回転運動を電流の供給によって制御することが可能な素子、及びコアの動きを利用した情報記憶素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
円盤形状の強磁性体から成り、磁気構造が磁気渦構造を取る強磁性ドットと、
該強磁性ドットの径方向に、該強磁性ドットの共鳴周波数と略等しい周波数の交流電流を供給する電流供給部と、
を備えることを特徴とする強磁性ドットのコア回転素子。

【請求項2】
前記強磁性ドットが、平面形状が直径50μm以下の略円形であって厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の強磁性ドットのコア回転素子。

【請求項3】
請求項1~2のいずれかに記載の強磁性ドットのコア回転素子におけるコアの漏れ磁場を利用したアクチュエータ。

【請求項4】
請求項1~2のいずれかに記載の強磁性ドットのコア回転素子の強磁性ドット上に絶縁体を設け、該絶縁体上の所定の一部領域上に磁性材料を設けて成るTMR素子。

【請求項5】
請求項4に記載のTMR素子を用いて成り、所定の周波数において電圧を増幅するトランジスタ。

【請求項6】
円盤形状の強磁性体から成り、磁気構造が磁気渦構造を取る強磁性ドットと、
強磁性ドットの径方向に、該強磁性ドットの共鳴周波数と略等しい周波数の交流電流を供給する第一電流供給部と、
該第一電流供給部から供給される交流電流に対して位相のみがπ/2ずれた交流電流を、第一電流供給部による電流の供給方向に略直交する向きに強磁性ドットに供給する第二電流供給部と、
を備えることを特徴とする強磁性ドットのコア反転制御素子。

【請求項7】
前記強磁性ドットが、平面形状が直径50μm以下の略円形であって厚みが1μm以下である円盤形状であることを特徴とする請求項6に記載の強磁性ドットのコア反転制御素子。

【請求項8】
請求項6又は7に記載のコア反転制御素子において、
コアの向きを読み出す読出し部を更に備えたことを特徴とする強磁性ドットのコア利用情報記憶素子。

【請求項9】
請求項8に記載の強磁性ドットのコア利用情報記憶素子を複数設け、各強磁性ドットのコア利用情報記憶素子から読み出される二値情報に基づき、決定用強磁性ドットのコア利用情報記憶素子に入力する電流を決定することを特徴とする論理回路素子。

【請求項10】
円盤形状の強磁性体から成り磁気構造が磁気渦構造を取る強磁性ドットのコアの向きによって二値情報を表現する情報記憶方法であって、強磁性ドットの径方向に該強磁性ドットの共鳴周波数と略等しい周波数の交流電流を所定の電流密度で供給することにより、強磁性ドットのコアの向きを反転させることを特徴とする強磁性ドットのコア利用情報記憶方法。

【請求項11】
円盤形状の強磁性体から成り磁気構造が磁気渦構造を取る強磁性ドットのコアの向きによって二値情報を表現する情報記憶方法であって、該強磁性ドットの共鳴周波数と略等しい周波数の交流電流と、該交流電流に対して位相のみがπ/2又は-π/2ずれた交流電流とを前記強磁性ドットに所定の電流密度で供給することにより前記強磁性ドットに回転電流を生じさせ、コアの向きを制御する強磁性ドットのコア利用情報記憶方法。

【請求項12】
磁気構造が磁気渦構造を取る円盤形状の強磁性ドットである第一ドット及び第二ドットの一部が重なり合って成る平面形状を有する瓢箪型強磁性ドットと、
前記第一ドットの径方向及び第二ドットの径方向のそれぞれに所定の周波数の交流電流を供給する電流供給部と、
前記第一ドット及び第二ドットの接合部上に設けられた絶縁体層と、
該絶縁体上の所定の一部領域上に設けられた磁性材料層と、
を備えることを特徴とする強磁性ドットのコア利用情報記憶素子。

【請求項13】
磁気構造が磁気渦構造を取る円盤形状の強磁性ドットである第一ドット及び第二ドットの一部が重なり合って成る平面形状を有する瓢箪型強磁性ドットと、
前記第一ドットの径方向に該第一ドットの共鳴周波数と略等しい周波数の交流電流を供給する第一電流供給部と、
前記第二ドットの径方向に該第二ドットの共鳴周波数と略等しい周波数の交流電流を供給する第二電流供給部と、
前記第一ドット及び第二ドットの接合部上に設けられた絶縁体層と、
該絶縁体上の所定の一部領域上に設けられた磁性材料層と、
を備えることを特徴とする強磁性ドットのコア利用情報記憶素子。

【請求項14】
前記瓢箪型強磁性ドットが、平常時にコアが第一ドット又は第二ドットの何れか一方に一つだけ存在する形状であることを特徴とする請求項12又は13に記載の強磁性ドットのコア利用情報記憶素子。

【請求項15】
磁気構造が磁気渦構造を取る円盤形状の強磁性ドットである第一ドット及び第二ドットの一部が重なり合って成る平面形状を有する瓢箪型強磁性ドットに対し、第一ドット又は第二ドットに交流電流を所定の周波数で供給することによって、コアの存在位置を第一ドット又は第二ドットの何れかに決定することを特徴とする、コアが第一ドット又は第二ドットのどちらに存在しているかに基づいて二値情報を表現する瓢箪型強磁性ドットのコア利用情報記憶方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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