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プラント制御情報生成装置及び方法、並びにそのためのコンピュータプログラム

国内特許コード P110003629
整理番号 2494
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2009-151745
公開番号 特開2011-008562
登録番号 特許第5457737号
出願日 平成21年6月26日(2009.6.26)
公開日 平成23年1月13日(2011.1.13)
登録日 平成26年1月17日(2014.1.17)
発明者
  • 加納 学
  • 藤原 幸一
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 プラント制御情報生成装置及び方法、並びにそのためのコンピュータプログラム
発明の概要 【課題】サンプル間の相関関係を用いて、スペクトラル・クラスタリング手法によりクラスタリングしたサンプルの集合を用いて、精度よくプラントの制御を行なえるようにする。
【解決手段】プラント制御情報生成装置は、プラントの稼動条件と実測値とからなる複数個の実測サンプルをクラスタリングする処理部184と、クラスタリングされた各クラスに対して統計的モデルを構築する処理部186と、新たな稼動条件が与えられたことに応答して、統計的モデルと、新たな稼動条件とに基づいて、プラントに関する制御情報を算出するための制御情報算出部とを含む。クラスタリングする処理部184は、複数個の実測サンプルの任意の2個の間の相関の程度を成分とする行列を、データベースに記憶された実測サンプルから算出する行列算出部と、算出された行列を類似度行列としてスペクトル・クラスタリングを行なうクラスタリング部とを含む。
【選択図】 図12
従来技術、競合技術の概要



化学プラントでは、複数の装置(反応炉等)を使用して同一の製品を生産することが多い。この場合、生産される製品が均一となるように、各装置の稼動条件を適切に設定することが必要である。しかし、装置内におけるプロセスの進行とともにプロセスの特性が変化すること、及び複数の装置を並列で運転している場合に、それぞれの装置のカタログスペックが同一でも実際には個体差があること等により、生産される製品が均一となるような条件を装置ごとに精度よく決定したり、生産される製品の組成を稼動条件から精度よく予測したりすることはむずかしい。同様の問題は、化学プラントに限らず、半導体製造設備、金属精錬プラント、水処理施設、及びガスプラント等でも生じる。また、何らかのものを製造する施設だけではなく、発電・変電施設のように非有体物の特性を変化させるための施設でもこうした問題は生じ得る。以下、本明細書では、何らかのものを製造する施設だけでなく、非有体物の特性を変化させる施設をも含めて「プラント」と呼ぶ。また、複合的な施設だけでなく、単独の設備であって、稼動条件によって異なる挙動を示すものもここでいう「プラント」に含めるものとする。





これまで、本願発明者は、プロセスの特性変化が測定パラメータ間の相関関係の違いとして表現されることに着目し、パラメータ間の相関関係を考慮したモデリングがソフトセンサ設計に有効であることを示してきた。本願発明者はさらに、装置間の個体差に対応できる手法として、パラメータ間の相関関係の類似度を考慮して、過去の装置の稼動パラメータをクラスタリングする手法(向井法)と、相関識別法(NeareStCorrelationMethod;NC法)とを開発した(非特許文献1、2)。

産業上の利用分野



この発明は、化学プラント、半導体製造設備、製鉄プラント等の制御技術に関し、特に、過去の複数の稼動時の稼動条件とその結果とに基づいて、プラントの制御の精度を高めるための技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
プラントの稼動条件と、当該稼動条件での前記プラントの過去の稼動結果から得られるデータ項目の実測値との組合せからなる実測サンプルを複数個記憶するためのデータベースと、
前記データベースに記憶された前記複数個の実測サンプルを、複数個のクラスにクラスタリングするためのクラスタリング手段と、
前記クラスタリング手段によりクラスタリングされた各クラスに対して、前記プラントにおける稼動条件と前記データ項目の値との関係を示す統計的モデルを構築するためのモデル構築手段と、
新たな稼動条件が与えられたことに応答して、前記統計的モデルと、前記新たな稼動条件とに基づいて、前記プラントの制御に関連する情報を算出するための制御情報算出手段とを含む、プラント制御情報生成装置であって、
前記クラスタリング手段は、
前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間の相関の程度を成分とする行列を、前記データベースに記憶された前記実測サンプルから算出するための行列算出手段と、
前記行列算出手段により算出された前記行列を類似度行列として、前記複数個の実測サンプルに対するスペクトル・クラスタリングを行なって、前記複数個の実測サンプルを前記複数個のクラスにクラスタリングするための手段とを含み、
前記行列算出手段は、
前記プラントの稼動条件と前記データ項目とにより定義された実測ベクトルのベクトル空間において、前記複数個の実測サンプルにより定められる複数個の実測ベクトルのうち、基準となる実測サンプルに対応する実測ベクトルを他の実測ベクトルから減算するための減算手段と、
前記減算手段により減算された後の前記他の実測ベクトルの任意の2個について、共通の線形部分空間上に存在するか否かを基準として、互いの相関を求めるための相関算出手段と、
前記減算手段による減算と、前記相関算出手段による相関の算出とを、前記基準となる実測サンプルを変えながら前記複数個の実測サンプルの全てに対して行なうための繰返算出手段と、
前記繰返算出手段により算出された、前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間で算出される複数個の相関に基づいて、前記行列を決定するための手段とを含む、プラント制御情報生成装置。

【請求項2】
前記行列を決定するための手段は、前記繰返算出手段により、前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間で算出された前記複数個の相関を合計した値を成分とする行列を前記行列として出力するための手段を含む、請求項に記載のプラント制御情報生成装置。

【請求項3】
前記相関算出手段は、
前記減算手段により減算された後の前記他の実測ベクトルの任意の2個について、共通の線形部分空間上に存在するか否かを基準として、互いの相関係数を求めるための相関係数算出手段と、
前記相関係数算出手段により算出された相関係数が所定のしきい値より大きいか否かにしたがって、前記相関の値を2値化するための手段とを含む、請求項又は請求項に記載のプラント制御情報生成装置。

【請求項4】
前記制御情報算出手段は、
新たな稼動条件が与えられたことに応答して、当該稼動条件が前記複数個のクラスのいずれに属するかを判定するための手段と、
当該クラスに対応する統計的モデルを、前記新たな稼動条件に適用することにより、前記新たな稼動条件の下での前記プラントにより生成される物質の属性を予測し、予測情報を出力するための手段とを含む、請求項1~請求項のいずれかに記載のプラント制御情報生成装置。

【請求項5】
前記プラント制御情報生成装置は前記プラントの稼動状態を測定するための測定手段をさらに含み、
前記制御情報算出手段は、前記測定手段による測定結果が新たな稼動条件として与えられたことに応答して、当該稼動条件と前記複数個のクラスとを比較することにより、前記プラントの状態が異常か否かを判定するための異常判定手段を含む、請求項1~請求項のいずれかに記載のプラント制御情報生成装置。

【請求項6】
前記異常判定手段は、
前記測定手段による測定結果が新たな稼動条件として与えられたことに応答して、前記複数個のクラスの統計的モデルのうち、当該稼動条件が適合するものを判定するための適合モデル判定手段と、
前記適合モデル判定手段により、前記新たな稼動条件が前記複数個のクラスの統計的モデルのいずれにも適合しないと判定されたことに応答して、前記プラントの異常を示す信号を生成し出力するための手段とを含む、請求項に記載のプラント制御情報生成装置。

【請求項7】
コンピュータにより実行されると、当該コンピュータを、
プラントの稼動条件と、当該稼動条件での前記プラントの過去の稼動結果から得られるデータ項目の実測値との組合せからなる実測サンプルを複数個記憶するためのデータベースと、
前記データベースに記憶された前記複数個の実測サンプルを、複数個のクラスにクラスタリングするためのクラスタリング手段と、
前記クラスタリング手段によりクラスタリングされた各クラスに対して、前記プラントにおける稼動条件と前記データ項目の値との関係を示す統計的モデルを構築するためのモデル構築手段と、
新たな稼動条件が与えられたことに応答して、前記統計的モデルと、前記新たな稼動条件とに基づいて、前記プラントの制御に関連する情報を算出するための制御情報算出手段として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記クラスタリング手段は、
前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間の相関の程度を成分とする行列を、前記データベースに記憶された前記実測サンプルから算出するための行列算出手段と、
前記行列算出手段により算出された前記行列を類似度行列として、前記複数個の実測サンプルに対するスペクトル・クラスタリングを行なって、前記複数個の実測サンプルを前記複数個のクラスにクラスタリングするための手段とを含み、
前記行列算出手段は、
前記プラントの稼動条件と前記データ項目とにより定義された実測ベクトルのベクトル空間において、前記複数個の実測サンプルにより定められる複数個の実測ベクトルのうち、基準となる実測サンプルに対応する実測ベクトルを他の実測ベクトルから減算するための減算手段と、
前記減算手段により減算された後の前記他の実測ベクトルの任意の2個について、共通の線形部分空間上に存在するか否かを基準として、互いの相関を求めるための相関算出手段と、
前記減算手段による減算と、前記相関算出手段による相関の算出とを、前記基準となる実測サンプルを変えながら前記複数個の実測サンプルの全てに対して行なうための繰返算出手段と、
前記繰返算出手段により算出された、前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間で算出される複数個の相関に基づいて、前記行列を決定するための手段とを含む、コンピュータプログラム。

【請求項8】
プラントの稼動条件と、当該稼動条件での前記プラントの過去の稼動結果から得られるデータ項目の実測値との組合せからなる実測サンプルを複数個記憶するためのデータベースと、
前記データベースに記憶された前記複数個の実測サンプルを、複数個のクラスにクラスタリングするためのクラスタリング手段と、
前記クラスタリング手段によりクラスタリングされた各クラスに対して、前記プラントにおける稼動条件と前記データ項目の値との関係を示す統計的モデルを構築するためのモデル構築手段と、
新たな稼動条件が与えられたことに応答して、前記統計的モデルと、前記新たな稼動条件とに基づいて、前記プラントの制御に関連する情報を算出するための制御情報算出手段とを含む、プラント制御情報生成装置におけるプラント制御情報生成方法であって、
前記クラスタリング手段は、
前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間の相関の程度を成分とする行列を、前記データベースに記憶された前記実測サンプルから算出するための行列算出手段と、
前記行列算出手段により算出された前記行列を類似度行列として、前記複数個の実測サンプルに対するスペクトル・クラスタリングを行なって、前記複数個の実測サンプルを前記複数個のクラスにクラスタリングするための手段とを含み、
前記行列算出手段は、
前記プラントの稼動条件と前記データ項目とにより定義された実測ベクトルのベクトル空間において、前記複数個の実測サンプルにより定められる複数個の実測ベクトルのうち、基準となる実測サンプルに対応する実測ベクトルを他の実測ベクトルから減算するための減算手段と、
前記減算手段により減算された後の前記他の実測ベクトルの任意の2個について、共通の線形部分空間上に存在するか否かを基準として、互いの相関を求めるための相関算出手段と、
前記減算手段による減算と、前記相関算出手段による相関の算出とを、前記基準となる実測サンプルを変えながら前記複数個の実測サンプルの全てに対して行なうための繰返算出手段と、
前記繰返算出手段により算出された、前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間で算出される複数個の相関に基づいて、前記行列を決定するための手段とを含み、
前記プラント制御情報生成方法は、
前記クラスタリング手段が、前記データベースに記憶された前記複数個の実測サンプルを、複数個のクラスにクラスタリングするステップと、
前記モデル構築手段が、前記クラスタリングするステップにおいてクラスタリングされた各クラスに対して、前記プラントにおける稼動条件と前記データ項目の値との関係を示す統計的モデルを構築するステップと、
前記制御情報算出手段が新たな稼動条件が与えられたことに応答して、前記統計的モデルと、前記新たな稼動条件とに基づいて、前記プラントの制御に関連する情報を算出するステップとを含み、
前記クラスタリングするステップは、
前記行列算出手段が、前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間の相関の程度を成分とする行列を、前記データベースに記憶された前記実測サンプルから算出するステップと、
前記クラスタリングするための手段が、前記算出するステップにおいて算出された前記行列を類似度行列として、前記複数個の実測サンプルに対するスペクトル・クラスタリングを行なって、前記複数個の実測サンプルを前記複数個のクラスにクラスタリングするステップとを含み、
前記算出するステップは、
前記減算手段が、前記プラントの稼動条件と前記データ項目とにより定義された実測ベクトルのベクトル空間において、前記複数個の実測サンプルにより定められる複数個の実測ベクトルのうち、基準となる実測サンプルに対応する実測ベクトルを他の実測ベクトルから減算するステップと、
前記相関算出手段が、前記減算するステップにおいて減算された後の前記他の実測ベクトルの任意の2個について、共通の線形部分空間上に存在するか否かを基準として、互いの相関を求めるステップと、
前記繰返算出手段が、前記減算するステップにおける減算と、前記相関を求めるステップにおける相関の算出とを、前記基準となる実測サンプルを変えながら前記複数個の実測サンプルの全てに対して行なう繰返算出ステップと、
前記繰返算出ステップにおいて算出された、前記複数個の実測サンプルの任意の2個の間で算出される複数個の相関に基づいて、前記行列を決定するステップとを含む、プラント制御情報生成方法。
国際特許分類(IPC)
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