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マイクロリアクターを用いた接触反応方法 コモンズ

国内特許コード P110003651
整理番号 B14P23
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2005-517562
登録番号 特許第4605391号
出願日 平成17年1月26日(2005.1.26)
登録日 平成22年10月15日(2010.10.15)
国際出願番号 JP2005001434
国際公開番号 WO2005073151
国際出願日 平成17年1月26日(2005.1.26)
国際公開日 平成17年8月11日(2005.8.11)
優先権データ
  • 特願2004-024373 (2004.1.30) JP
発明者
  • 小林 修
  • 森 雄一朗
  • 北森 武彦
  • 上野 雅晴
  • 岡本 訓明
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 マイクロリアクターを用いた接触反応方法 コモンズ
発明の概要 流路(4)の内壁(4c)に固相となる金属触媒(5)又は金属錯体触媒(5)を担持したマイクロリアクター(1)を用いる接触反応方法であって、液相となる被反応物質を溶解した溶液(7)及び気相となる水素(9)を、流路(4)にパイプフロー状態で流し、溶液(7)と気体(9)との反応を金属触媒(5)又は金属錯体触媒(5)により促進される固相-液相-気相の3相系接触反応で行う。金属触媒(5)又は金属錯体触媒(5)は高分子に取り込まれており、被還元物質の3相系接触還元反応による水素化反応を短時間で収率よく行
うことができる。不飽和有機物の水素化反応には、パラジウム触媒を用いると反応時間が早く収率が高く、また、水素の代わりに一酸化水素を用いれば、カルボニル化反応とすることができる。
従来技術、競合技術の概要


不均一系触媒を用いる接触水素化反応、所謂接触還元反応は化学工業の最も重要なプロセスの一つであり、芳香族ニトロ化合物や不飽和結合の水素化や水素化分解による脱ベンジル化反応など広く利用されているが、しばしば収率の低下や反応の進行の遅れなどが認められる。これらの問題点は、触媒表面(固相)-溶液(液相)-水素ガス(気相)(以下、固相-液相-気相反応又は3相系接触還元反応と呼ぶ。)の各層間の接触面積を増大させることにより改善されるため、激しく攪拌したり、水素ガスを細かい泡として吹き込むなどの工夫が試みられてきた。



通常の反応容器(以下、適宜、フラスコ反応と呼ぶ。)による接触水素化反応では、系内に水素ガス、溶媒蒸気、高活性な金属触媒が共存するため発火や爆発が生じる可能性がある。



一方、近年、マイクロリアクターを用いる有機合成が急速に発展しつつある。マイクロリアクターは、ガラスなどの不活性材料にその大きさが数~数百μmのマイクロ流路(以下、適宜マイクロチャンネルと呼ぶ。)を有する微小反応器の総称である。マイクロリアクターの反応器は小さいので、厳密な温度コントロールを容易に行うことができる。したがって、マイクロリアクターを用いる合成反応では、単位体積あたりの表面積が大きいため、(1)界面での反応効率が高い、(2)分子拡散による混合が効率的、(3)温度制御が容易、などの利点を有している。



このように、マイクロリアクターによる合成反応は通常の反応容器による合成反応よりも反応時間が早く、取り扱う薬液も微少量で済むためにコストが低く、新規な化合物や薬品のために開発用反応器として注目されている。



下記一覧に示す非特許文献1においては、マイクロリアクターを用いた水素添加反応が記載されているが、マイクロチャンネルの内壁部に触媒を固定化した気相-固相の2系反応である。



マイクロリアクターのマイクロチャンネルに反応物としての液体及び気体を通過させる形態としては、スラグフロー及びパイプフローが知られている。図8は従来のマイクロチャンネル中の(a)スラグフロー及び(b)パイプフローを模式的に示す断面図である。図8(a)に示すように、スラグフローにおいては、ガラス基板に配設されたマイクロチャンネル51中を、液体52と気体53が交互に通過する状態である。また、図8(b)に示すように、パイプフローにおいては、気体53がマイクロチャンネル51の中心部を通過し、液体52は気体53とマイクロチャンネルの内壁部51aとの間を通過する。マイクロチャンネル内の流体がスラグフロー及びパイプフローのいずれの形態をとるかは、マイクロチャンネル51を通過する液体52と気体53の流量などを調節することにより制御できる。



マイクロチャンネル51のスラグフローによる反応としては、以下の非特許文献が挙げられる。下記非特許文献2には、気相-液相からなる2相反応によるフッ素化反応が記載されている。マイクロリアクターのパイプフローによる反応としては、以下の非特許文献が挙げられる。下記非特許文献3には、気相-液相の2系反応であるフッ素化反応が記載されている。また、下記非特許文献4には、固体に担持された触媒をマイクロチャンネルに詰めた、パイプフロー類似の水素化反応が記載されている。



また、一酸化炭素挿入反応は、フラスコ内での反応が報告されているが(下記非特許文献6参照)、マイクロチャンネルリアクターを用いる一酸化炭素挿入反応は、これまで文献例がない。

産業上の利用分野


本発明は、マイクロリアクターを用いた接触反応方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
流路の内壁に固相となる金属触媒又は金属錯体触媒を担持したマイクロリアクターを用いた接触反応方法であって、
上記金属触媒又は金属錯体触媒が、高分子に取り込まれた触媒であり、該高分子に取り込まれた触媒が、上記高分子表面の基を介して、上記流路の内壁表面の基又はスペーサーにある基との共有結合により上記流路の内壁に担持されており、
上記流路の内壁表面の基を、アミノ基又はシラノール基とし、
気相となる気体を、上記流路の中心部を通過させ、
液相となる被反応物質を溶解した溶液を、上記気体と上記流路の内壁に担持された触媒との間を通過させ、
上記溶液と上記気体との反応を上記金属触媒又は金属錯体触媒により促進される固相-液相-気相の3相系接触反応で行うことを特徴とする、マイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項2】
前記スペーサーが前記シラノール基とSi-O-Si結合により共有結合していることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項3】
前記高分子表面の基がエポキシ基であり、前記スペーサーにある基がエポキシ基と結合する官能基で修飾されていることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項4】
前記金属触媒は、パラジウムであることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項5】
前記金属触媒は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項6】
前記金属錯体触媒は、パラジウム錯体触媒であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項7】
前記金属錯体触媒は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金のいずれかの金属錯体触媒であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項8】
前記気相が水素又は一酸化炭素からなることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項9】
流路の内壁に固相となる金属触媒又は金属錯体触媒を担持したマイクロリアクターを用いた接触反応方法であって、
上記金属触媒又は金属錯体触媒が、高分子に取り込まれた触媒であり、該高分子に取り込まれた触媒が、上記高分子表面の基を介して、上記流路の内壁表面の基又はスペーサーにある基との共有結合により上記流路の内壁に担持されており、
上記流路の内壁表面の基を、アミノ基又はシラノール基とし、
気相となる水素を、上記流路の中心部を通過させ、
液相となる被反応物質を溶解した溶液を、上記水素と上記流路の内壁に担持された触媒との間を通過させ、
上記溶液と上記水素との反応を上記金属触媒又は金属錯体触媒により促進される固相-液相-気相の3相系接触還元反応で行うことを特徴とする、マイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項10】
前記スペーサーが前記シラノール基とSi-O-Si結合により共有結合していることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項11】
前記高分子表面の基がエポキシ基であり、前記スペーサーにある基がエポキシ基と結合する官能基で修飾されていることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項12】
前記金属触媒は、パラジウムであることを特徴とする、請求項に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項13】
前記金属触媒は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金のいずれかであることを特徴とする、請求項に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項14】
前記金属錯体触媒は、パラジウム錯体触媒であることを特徴とする、請求項に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。

【請求項15】
前記金属錯体触媒は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金のいずれかの金属錯体触媒であることを特徴とする、請求項に記載のマイクロリアクターを用いた接触反応方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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