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リンカー化合物及びリガンド複合体、並びにそれらの製造方法 実績あり

国内特許コード P110003652
整理番号 P028P07WO
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2005-517757
登録番号 特許第4628960号
出願日 平成17年2月4日(2005.2.4)
登録日 平成22年11月19日(2010.11.19)
国際出願番号 JP2005001726
国際公開番号 WO2005075453
国際出願日 平成17年2月4日(2005.2.4)
国際公開日 平成17年8月18日(2005.8.18)
優先権データ
  • 特願2004-029562 (2004.2.5) JP
発明者
  • 隅田 泰生
  • 荒野 明男
  • 楠本 正一
  • ソベール マイケル
  • 若尾 雅広
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 リンカー化合物及びリガンド複合体、並びにそれらの製造方法 実績あり
発明の概要 本発明は、非特異的な疎水性相互作用を極力抑え、かつ、金属結合に供されるジスルフィド基までの長さを容易に調整可能にして、効率よく金属-硫黄結合を形成することができる新規なリンカー化合物、および、新規なリガンド複合体、リガンド担持体、ならびにこれらの製造方法を提供する。 リンカー化合物は、下記一般式(1)[化1](式中、a,b,d,eは、それぞれ独立して、0以上6以下の整数)にて表される構造を備えている。上記Xは、末端に芳香族アミノ基を有するとともに主鎖に炭素-窒素結合を有していてもよい炭化水素誘導鎖を、3鎖以上含んでなる多分岐構造部位である構造を備えている。また、リガンド複合体は、上記リンカー化合物に糖分子が導入されてなるものである。
従来技術、競合技術の概要

生体内に存在する種々の糖鎖は、生物の活動や生命を維持するためのメカニズムの中で重要な役割を果たしている。このような糖鎖の機能を精密に解明するためには、糖鎖の複雑な構造に基づいてそれらの機能を解析する必要がある。糖鎖の機能解析には、構造が解明されているオリゴ糖を用いて、糖鎖の構造を一部ずつ再現し、これによって糖鎖全体の構造と機能との関係を明らかにする手法が用いられる。


上記糖鎖の機能解析の手法としては、例えば、表面プラズモン共鳴(以下、SPRと記載する)法が知られている。すなわち、糖鎖の一部を模擬したオリゴ糖を含んでなるリガンド複合体をセンサチップ表面上に固定化し、それによってオリゴ糖が固定化されてなるセンサチップを用いて、オリゴ糖と特異的に相互作用するタンパク質等の物質を特定する。これにより、オリゴ糖の構造に基づく生物活性の正しい評価を行うことができる。


ところが、オリゴ糖は、1分子だけでは活性がそれほど高くないため、オリゴ糖の生物活性を評価する場合には、オリゴ糖鎖をセンサチップ上に集合化させることが必要となる。つまり、集合化したオリゴ糖鎖を用いて、タンパク質との相互作用を解析することにより、オリゴ糖鎖の生物活性の評価を行うことが可能になる。


そこで、本発明者らは、これまでに、センサチップ表面に固定可能な部位及びオリゴ糖鎖を導入可能な部位を分子内に有するリンカー化合物を得、このリンカー化合物に1単位又は2単位のオリゴ糖鎖を導入してなるリガンド複合体を得ている。そして、このリガンド複合体を用いることによって、センサチップ上に、オリゴ糖鎖を集合化して導入することができることを見出している(例えば、特許文献1、非特許文献1等を参照)。


【特許文献1】
特開2003-836969号公報(2003年3月19日公開)
【非特許文献1】
「日本化学会第79回春季年会-講演予稿集II」、社団法人日本化学会、2001年3月15日、p.1042

しかしながら、上記特許文献1や非特許文献1に記載のリガンド複合体では、オリゴ糖の糖鎖をセンサチップ表面に2次元的に配列させることは可能であるが、その配列を再現性よく得ることが困難であるという技術的課題が残されている。


すなわち、上記のように、センサチップ表面に複数分子のオリゴ糖鎖を集合化させ、オリゴ糖鎖の生物活性を解析する場合には、オリゴ糖の糖鎖の集合化状態を同一にし、オリゴ糖鎖とタンパク質との間の相互作用を再現性よく観測することが求められる。特に、オリゴ糖鎖の生物活性を観測するためには、センサチップ表面に3単位以上のオリゴ糖鎖を集合化し、これらのセンサチップ上にて再現性よく2次元的に配列させることによって、オリゴ糖鎖の生物活性を再現性よく評価することが重要になる。


ところが、上記非特許文献1に記載のリガンド複合体では、1つのリガンド複合体が有するオリゴ糖鎖は1単位又は2単位となっている。言い換えれば、上記のリガンド複合体は、1つのリンカー化合物に対して、1つ又は2つのオリゴ糖鎖が結合してなるものである。そのため、オリゴ糖鎖の生物活性を観測するためには、上記リガンド複合体をセンサチップ表面に配列させる際に、リガンド複合体濃度を高めてリガンドである糖鎖同士を集合化させることによって、センサチップ表面上に3単位以上のオリゴ糖鎖を集合化させる必要がある。


このような手法によってオリゴ糖鎖を集合化させた場合、オリゴ糖の糖鎖間を所定の間隔にて制御してオリゴ糖の配列を再現性よく得ることは困難である。それゆえ、上記従来のリガンド複合体では、オリゴ糖の生物活性を再現性よく観測することができず、糖の構造の解明や、オリゴ糖の生物活性の評価を行う場合に困難を伴う可能性がある。


本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、センサチップ表面上の糖鎖間距離を制御し、オリゴ糖を再現性よく2次元的に配列し得る新規なリンカー化合物、及び、該リンカー化合物に糖分子が導入されてなる新規なリガンド複合体、リガンド担持体、並びにこれらの製造方法を提供することにある。

産業上の利用分野

本発明は、表面プラズモン共鳴のセンサチップ等のタンパク質分析用の支持体にオリゴ糖等の糖鎖を固定することが可能なリンカー化合物、及び該リンカー化合物に糖鎖を導入してなるリガンド複合体、リガンド担持体、並びにこれらの製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
糖分子を支持体の表面に配列させるために用いられるリンカー化合物であって、
一般式(1)
【化1】


(式中、a,b,d,eは、それぞれ独立して、0以上6以下の整数)にて表される構造を備え、
上記X一般式(3)
【化3】


(式中、m,m,m,m,p,pは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数)にて表される構造、あるいは一般式(4)
【化4】


(式中、q,q,q,r,r,r,t,t,t,u,u,uは、それぞれ独立して、0以上6以下の整数)にて表される構造を備えており、bが0の場合は、Xの内部にオリゴエチレンオキシドを有していることを特徴とするリンカー化合物。

【請求項2】
一般式(2)
【化2】


(式中、nは1以上6以下の整数)にて表される構造を備えていることを特徴とする請求項1に記載のリンカー化合物。

【請求項3】
請求項1または2に記載のリンカー化合物の芳香族アミノ基に、糖分子を導入してなることを特徴とするリガンド複合体。

【請求項4】
糖分子を支持体の表面に配列させるために用いられるリガンド複合体であって、
一般式(5)
【化5】


(式中、m,m,m,m,n,p,pは、それぞれ独立して、1以上6以下の整数。R’は水素(H)またはR。)にて表される構造を備え、
上記Rが式式(6-1)ないし式(6-6)
【化6】


から選択されるオリゴ糖由来化合物であることを特徴とするリガンド複合体。

【請求項5】
糖分子を支持体の表面に配列させるために用いられるリガンド複合体であって、
一般式(7)
【化7】


(式中、a,b,d,e,q,q,q,r,r,r,t,t,t,u,u,uは、それぞれ独立して、0以上6以下の整数。ただし、bが0のときはt,tおよびtは0ではなく、t,tおよびtが0のときはbは0ではない。また、R’は水素(H)またはR。)にて表される構造を備え、
上記Rが式(6-1)ないし式(6-6)
【化8】


から選択されるオリゴ糖由来化合物であることを特徴とするリガンド複合体。

【請求項6】
請求項1または2に記載のリンカー化合物の製造方法であって、
チオクト酸と、芳香族アミノ基末端が保護基によって保護された分岐鎖を3鎖以上有するアミン化合物との縮合反応を行うステップと、
上記芳香族アミノ基末端の保護基を脱保護するステップとを含んでいることを特徴とするリンカー化合物の製造方法。

【請求項7】
請求項1または2に記載のリンカー化合物と、糖分子とを用いて、還元アミノ化反応を行うことを特徴とするリガンド複合体の製造方法。

【請求項8】
上記糖分子として、一般式(8)
【化9】


にて表されるヘパリン部分二糖構造を有する硫酸化オリゴ糖を用いることを特徴とする請求項に記載のリガンド複合体の製造方法。

【請求項9】
上記糖分子として、群(9)
【化10】


から選択されるオリゴ糖の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項に記載のリガンド複合体の製造方法。

【請求項10】
糖分子を支持体の表面に配列させる糖分子の導入方法であって、
請求項ないしのいずれか1項に記載のリガンド複合体を含む溶液と表面に金属を有する支持体とを接触させることを特徴とする糖分子の導入方法。

【請求項11】
請求項ないしのいずれか1項に記載のリガンド複合体を、表面に金属を有する支持体上に固定化させてなることを特徴とするリガンド担持体。

【請求項12】
請求項ないしのいずれか1項に記載のリガンド複合体を表面に固定化させてなることを特徴とする表面プラズモン共鳴用センサチップ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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