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水界面への集積性を有する脱水縮合剤 コモンズ

国内特許コード P110003653
整理番号 K053P99
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2005-517760
登録番号 特許第4654380号
出願日 平成17年1月31日(2005.1.31)
登録日 平成23年1月7日(2011.1.7)
国際出願番号 JP2005001733
国際公開番号 WO2005075442
国際出願日 平成17年1月31日(2005.1.31)
国際公開日 平成17年8月18日(2005.8.18)
優先権データ
  • 特願2004-033284 (2004.2.10) JP
発明者
  • 国嶋 崇隆
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 水界面への集積性を有する脱水縮合剤 コモンズ
発明の概要 本発明は、以下の式I:で表される、1,3,5-トリアジン型化合物を提供する。この化合物は、容易かつより経済的に合成可能であり、水界面への集積性を有する脱水縮合剤として用いられ得る。反応基質であるカルボン酸、アミン、アルコールなどが両親媒性である場合、両親媒性である本発明の脱水縮合剤と反応基質とを混合し、水溶液中でミセルをはじめとする様々な分子集合相を形成させると、これらの反応基質と脱水縮合剤とを水界面に集積させることが可能である。その結果、水界面で局所的に反応基質の濃度が上昇し、非常に効率的に縮合反応を行うことができる。
従来技術、競合技術の概要

カルボン酸誘導体、特に、カルボキサミド基(-CONH-)を有するアミド化合物は、医薬、農薬、染料、高分子化合物などとして重要な化合物である。そのため、その合成方法は、種々検討されている。例えば、水を含む溶媒中で、カルボン酸とアミン化合物との脱水縮合によりアミド化合物を製造する方法がある。しかし、この場合、水を含む溶媒中での反応は収率が低いため、一旦無水溶媒中でカルボン酸のカルボキシル末端を活性化した後、アミンとの反応を行うことが一般的であった。
近年、水系溶媒中で使用可能な縮合剤として、カルボジイミド誘導体が開発されている(Nozaki、Chemistry Letters,1997年,pp.1-2)。これは、水を含む溶媒中、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)を縮合剤として用いて、ペプチド合成を行う方法である。さらに、水またはアルコール中で使用可能な縮合剤として、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリウムクロリド(DMT-MM)が報告されており(Kunishimaら、Tetrahedron,2001年,57巻,pp.1551-1558)、これは、アミド化合物やエステル化合物の製造に利用されている(国際出願公開WO00/53544号)。しかし、EDCおよびDMT-MMはいずれも水溶性であり、水を含む均一溶媒系で用いられる縮合剤である。そのため、水に不溶性の基質についての使用は、あまり適切ではない。
一方、疎水性溶媒と水との逆ミセル界面で、長鎖アルキル基を有するカルボジイミドを縮合剤として用いるペプチド合成法が報告されている(Ranganathanら、Journal of the American Chemical Society,1989年,111巻,pp.1144-1145)。ミセル界面での脱水縮合反応としては、他に、両親媒性の向山試薬(N-アルキルハロピリジニウム塩)を用いたラクトン化およびラクタム化が報告されている(Ricoら、Journal of Organic Chemistry,1994年,59巻,pp.415-420)。しかし、これらはいずれも収率がよくない。あるいは、酸性水溶液中で形成される疎水場において、ルイス酸によるエステル化反応が熱力学的に行われることが報告されている(Kobayashiら、Journal of the American Chemical Society,2001年,123巻,pp.10101)。この反応は、水が存在しなくても同様に進行することから、反応場は界面ではなく、したがって、界面の特性を利用しているとはいえない。このように、現在のところ、水界面でのカルボン酸の脱水縮合反応に利用可能な縮合剤はこれら以外にはほとんどなく、利用できるカルボン酸の種類も限られている。

産業上の利用分野

本発明は、水界面で使用可能な脱水縮合剤に関する。より詳細には、カルボン酸誘導体の製造に使用され得る水界面に集積可能な脱水縮合剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の式I:
【化1】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOO-C2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状であり;そしてXは、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、スルホン酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、または過塩素酸イオンである)で表される、1,3,5-トリアジン型化合物。

【請求項2】
前記RおよびRの少なくとも一方がメチル基またはエチル基である、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
前記nが12から16である、請求項1または2に記載の化合物。

【請求項4】
以下の式I’:
【化2】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOO-C2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状であり;そしてXは、トリフラートアニオンである)で表される1,3,5-トリアジン型化合物の製造方法であって、
以下の式II:
【化3】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではない)で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸無水物とを、有機溶媒中で混合して、トリフラートを得る工程;および
得られたトリフラートと、以下の式III:
【化4】


(式中、R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOOC2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状である)で表される3級アミンとを、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはクロロホルム中で混合する工程、
を包含する、方法。

【請求項5】
以下の式I”:
【化5】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOO-C2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状であり;そしてXは、ハロゲン化物イオンである)で表される1,3,5-トリアジン型化合物の製造方法であって、
以下の式IV:
【化6】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく、そして;Xがハロゲン原子である)で表される化合物と、以下の式III:
【化7】


(式中、R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOO-C2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状である)で表される3級アミンとを、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、これらの混合溶媒、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチルまたはヘキサン中で混合する工程、
を包含する、方法。

【請求項6】
アミドまたはエステルの製造方法であって、
水溶液中で、炭素数6から20の脂肪酸1級アミン化合物、2級アミン化合物またはアルコール化合物とを、以下の式I:
【化8】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOO-C2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状であり;そしてXは、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、スルホン酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、または過塩素酸イオンである)で表される1,3,5-トリアジン型化合物の存在下で混合する工程を包含する、方法。

【請求項7】
前記脂肪酸が炭素数8から18の脂肪酸である、請求項に記載の方法。

【請求項8】
前記式IにおけるRおよびRの少なくとも一方がメチル基またはエチル基である、請求項6または7に記載の方法。

【請求項9】
前記式Iにおけるnが12から16である、請求項6からのいずれかの項に記載の方法。

【請求項10】
アミドまたはエステルの製造方法であって、
炭素数6から20の脂肪酸
1級アミン化合物、2級アミン化合物またはアルコール化合物、
以下の式IV:
【化9】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、-(CHCHO)(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、-(CHCHNRH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてRは、炭素数が2から5のアルキル基、N,N-ジアルキルアミノエチル基、または-CHCH(CHである)、-CHCHSO、-CHCH(CH、または炭素数6から20のアルキル基であるが、RおよびRは同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく、そして;Xがハロゲン原子である)で表される化合物、および
以下の式III:
【化10】


(式中、R、R、およびRのうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR、R、およびRは、それぞれ独立して、-CHCOO-C2n+1、-C2n+1、または-C-p-C2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、-C2n+1は直鎖状である)で表される3級アミンを、水溶液中で混合する工程を包含する、方法。

【請求項11】
前記脂肪酸が炭素数8から18の脂肪酸である、請求項10に記載の方法。

【請求項12】
前記式IにおけるRおよびRの少なくとも一方がメチル基またはエチル基である、請求項10または11に記載の方法。

【請求項13】
前記式IIIにおけるnが12から16である、請求項10から12のいずれかの項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 変換と制御 領域
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