TOP > 国内特許検索 > 共振器及び電子スピン共鳴測定装置

共振器及び電子スピン共鳴測定装置 実績あり

国内特許コード P000001193
整理番号 Y98-P052
掲載日 2003年1月17日
出願番号 特願平10-232526
公開番号 特開2000-065769
登録番号 特許第3443010号
出願日 平成10年8月19日(1998.8.19)
公開日 平成12年3月3日(2000.3.3)
登録日 平成15年6月20日(2003.6.20)
発明者
  • 平田 拓
  • ワルチェック、タデウシュ
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 共振器及び電子スピン共鳴測定装置 実績あり
発明の概要 【課題】 整合及び共振周波数を電子的に制御することにより、共振器の共振周波数を安定化し、ESRスペクトルを安定且つ正確に計測する。
【解決手段】 発振器101は、AFC用発振器110からのAFC参照信号で周波数変調された搬送波を、方向性結合器103を介して共振器102に供給する。共振器102からの反射波は、検波器105及びハイパスフィルタ106を経て、検波出力としてミキサ112に入力される。ミキサ112は、この検波出力とAFC参照信号とを混合・検波する。さらに、ローパスフィルタ113及び積分器115及び増幅器115により、試料の動き等によりずれた共振周波数を搬送波周波数に引き戻すように直流制御電圧が共振器102に印加される。
従来技術、競合技術の概要



一般に、ESR法は、電子が有する磁気モーメントの運動を利用して、不対電子を持った原子や分子を直接検出することができる有効な測定方法である。通常、電子は、原子又は分子軌道に対をなして含まれるが、遷移金属イオンやラジカルではそれらの軌道に例えば1個の電子のみが存在する場合がある。このような電子を、不対電子という。また、最近、生体に自然発生するフリーラジカル(不対電子をもつ分子)が、癌や老化等に関係しているのではないかと言われ、医学や生物学などの分野で話題になっている。フリーラジカルは、化学反応性が高いため、非破壊的に測定する現在唯一の有効な方法がESR法である。ESR法の応用分野は、化学、物理学、生物学、医学など広範囲にわたる。

ESR装置には、主に、パルスESR法と連続波ESR法(Continuous Wave-ESR法、CW-ESR法)がある。CW-ESR法は、マイクロ波の周波数を一定にし、磁場掃引を行うことにより、ESR信号を測定するものである。この際、磁場変調をかけることにより、電子スピン共鳴を高感度に測定することができる。

ESR装置においては、計測対象である試料を内部に又は近接して配置することによりESR信号を計測するために、共振器が使用される。従来技術として、例えば米国特許第4,714,886号(1987)には、Halpernの共振器と呼ばれるループ・ギャップ共振器が記載されている。これは、計測する対象(例えばマウス等)をギャップを有する円筒状の容器中に配置して測定するものである。基本的な整合の調整は、平行板コンデンサの間隔を機械的に調整することにより実現される。また、米国特許第5,494,030号(1996)には、ループ・ギャップ共振器の容量部に可変容量コンデンサを付加したものが記載されている。ここでも、共振器の整合の調整は、結合コイルを機械的に移動することにより調整される。この他に、従来、共振器の容量部に誘電体を出し入れすることにより、機械的に共振器の共振周波数を制御するようにしたものもある(例えば、Journalof Magnetic Resonance, Series B, Vol.108, pp.67-72, 1995参照)。

さらに、従来、サーフェイスコイル及び平衡伝送線路を用いたサーフェイスコイル型の共振器が、電子スピン共鳴計測に使用されている(例えば、H. Hirata,H. Iwai, and M. Ono, "Analysis of a flexible surface-coil-type resonator for magnetic resonance measurements," Review of Scientific Instruments, Vol. 66, No. 9, pp. 4529-4534 (1995)、H. Hirata and M. Ono, "Impedance-matching system for a flexible surface-coil-type resonator," Review ofScientific Instruments, Vol. 68, No. 9, pp. 3528-3532 (1997)等)。

図10に、従来のサーフェイスコイル型共振器の構成図を示す。この共振器は、サーフェイスコイル51及び平衡線路52を備える。サーフェイスコイル51は、1ターンコイルで構成され、平衡線路52は、50Ωの2本の同軸ケーブルにより構成される。平衡線路52の一端は短絡され、他端はサーフェイスコイル51に接続される。この共振器は、ティーアダプタ53から、整合回路を介してマイクロ波が給電されることにより、整合が調整される。このとき整合回路としては、例えば2つのトリマコンデンサを用いた回路を使用することができる。

産業上の利用分野



本発明は、共振器及び電子スピン共鳴測定装置に係り、特に、共振周波数を変化することのできる電子同調可能なサーフェイスコイル型(表面コイル型)の共振器、及び、この共振器を用いて自動周波数制御により電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance :ESR)を測定するESR測定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
試料に近接又は接触して配置されるサーフェイスコイルと、
第1及び第2の一端及び第1及び第2の他端を有し、前記サーフェイスコイルが第1及び第2の一端に接続された平衡線路と、
前記平衡線路の第1及び第2の他端に接続された平衡・不平衡変換器と、
前記平衡線路の第1の他端に接続され、共振周波数制御電圧が供給されることにより、共振周波数を制御するための共振周波数制御回路と、
前記平衡線路の第2の他端に接続され、整合制御電圧が供給されることにより電子スピン共鳴装置との整合を制御し、試料へ供給される搬送波が入力され、試料からの反射波が出力される整合制御回路を備え、
前記平衡線路は、平行に配置された第1及び第2の同軸ケーブルを備え、前記第1及び第2の同軸ケーブルの各々の一端の間に前記サーフェイスコイルが接続され、前記第1の同軸ケーブルの他端に前記共振周波数制御回路が接続され、前記第2の同軸ケーブルの他端に前記整合制御回路が接続された共振器。

【請求項2】
前記共振周波数制御回路は、
前記平衡線路の第1の他端に設けられた第1の可変容量ダイオードを備え、
共振周波数制御電圧を前記第1の可変容量ダイオードに印加することにより、インピーダンスを変化させて、前記サーフェイスコイル及び前記平衡線路を含む回路の共振周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載の共振器。

【請求項3】
前記整合制御回路は、
前記平衡線路の第2の他端に設けられた第2の可変容量ダイオードを備え、
整合制御電圧を前記第2の可変容量ダイオードの一端に印加することにより、インピーダンスを変化させて、前記サーフェイスコイル及び前記平衡線路を含む回路と電子スピン共鳴測定装置との整合を制御し、
前記可変容量ダイオードの他端に搬送波周波数を入力することにより、前記平衡線路及びサーフェイスコイルを介して試料に搬送波を供給し、一方、前記サーフェイスコイル及び前記平衡線路を経た試料からの反射波を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の共振器。

【請求項4】
前記平衡・不平衡変換器は、
前記平衡線路が有する2つの同軸ケーブルの他端の間に両端が各々接続された、半波長の長さの同軸線路を備えたこと特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の共振器。

【請求項5】
自動周波数制御(AFC)参照信号を発信するAFC用発振器と、
AFC参照信号により周波数変調された搬送波を発振する発振器と、
前記発振器からの搬送波を共振器と近接又は接触した試料に供給し、試料から反射された反射波を検波する検波器と、
前記検波器からの検波出力と前記AFC用発振器からのAFC参照信号とに基づいて、共振器の共振周波数を制御するための共振周波数制御電圧を出力する位相検波回路を備えた前記請求項1乃至のいずれかに記載の共振器を有する電子スピン共鳴測定装置。

【請求項6】
前記位相検波回路から出力された共振周波数制御電圧は、前記共振器の前記共振周波数制御回路に供給されることを特徴とする請求項に記載の電子スピン共鳴測定装置。

【請求項7】
前記整合制御電圧は、前記検波器からの検波出力又はロックインアンプからの信号に基づいてフィードバック制御されることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子スピン共鳴測定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP1998232526thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[L02-03]
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close