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N-アシルヒドラジンの製法

国内特許コード P110003664
整理番号 E076P53
掲載日 2011年6月27日
出願番号 特願2006-012214
公開番号 特開2007-191440
登録番号 特許第4521688号
出願日 平成18年1月20日(2006.1.20)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
登録日 平成22年6月4日(2010.6.4)
発明者
  • 小林 修
  • 杉浦 正晴
  • シュナイダー,ウヴェ
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人 東京大学
発明の名称 N-アシルヒドラジンの製法
発明の概要

【課題】 プロパギルトリクロロシラン及びアレニルトリクロロシランを用いたC=N結合への選択的アレニル化及びプロパギル化反応による、N-アシルヒドラジン並びにホモアレニル及びホモプロパギルアミンの新規な合成方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式
化1: RHC=NNHCOR
(式中、Rは炭化水素基又は複素環基等を表し、Rは芳香族炭化水素等を表す。)で表されるN-アシルヒドラゾンを、特にジメチルホルムアミド溶媒中で、プロパギルトリハロシラン又はアレニルトリハロシランと反応させることによりN-アシルヒドラジンを合成する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


窒素官能基を有するアレンやアルキン、例えばアレニルメチルアミン、ホモプロパギルアミン、N-アシル-N'-アレニルメチルヒドラジン、N-アシル-N’-ホモプロパギルヒドラジンなどは有機合成上有用な合成中間体である。これらを合成するための最も効率的な手法はC=N結合を有する求電子剤に対するプロパギル-金属化合物及びアレニル-金属化合物の位置選択的な付加反応による炭素-炭素結合形成反応である(非特許文献1)。しかし、プロパギル及びアレニル-金属化合物の使用にあたっては、下式(化8)に示すように、プロパギル-金属化合物とアレニル-金属化合物間の転位(非特許文献2)及び非位置選択的な付加反応が問題として残されている(非特許文献3)。
【化学式8】


また、プロパギル及びアレニル求核剤の反応性が基質に大きく依存する点も問題である(非特許文献4)。さらに、有機金属試薬を求核剤や触媒として用いる場合は、特に大スケールの反応において、安全性や環境負荷の問題が発生しやすい。



このような中で、これまでにN-アシルヒドラゾンやイミンに対する種々の触媒的アリル化反応が開発されている(非特許文献5)。一方、本発明者らは最近、下式(化9)に示すようにN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホロアミド(HMPA)、スルホキシド、ホスフィンオキシドのような中性のルイス塩基がアリルトリクロロシランやクロチルトリクロロシランのアルデヒド、N-アシルヒドラゾンに対する求核付加反応を促進することを報告した(非特許文献6)。これらの場合には、いかなる金属触媒も使用せずに、非イオン性のルイス塩基がルイス酸性を有するケイ素原子に配位することによりトリクロロシリル求核剤が活性化され、反応が進行する。
【化学式9】




しかし、アルデヒドのプロパギル化やアレニル化の例はいくつか報告されているものの(非特許文献7、8)、C=N結合へのアレニル化、プロパギル化の例は少ない。
(1)Goreらはエーテル中で1-メトキシアレニルリチウムを用いてヒドラゾンのアレニル化を行った(非特許文献9)。(2)秋山らは銅(I)とキラルBINAP錯体を触媒として用い、α-イミノエステルのエナンチオ選択的なアレニル化及びプロパギル化反応を行った(非特許文献10)。(3)Prajapatiらは、臭化プロパギルを用いたインジウム金属によるBarbier型反応で、芳香族N-アリールイミン、N-アリールニトロン、N-フェニルヒドラゾンのプロパギル化を報告した(非特許文献11)。しかしながら、これら全ての反応において、化学量論量以上の金属化合物が必要であり、基質一般性、選択性、収率なども十分ではない。



以前に本発明者らは、下式(化10)に示すように塩化プロパギルから調製したプロパギルトリクロロシラン及びアレニルトリクロロシランをアルデヒドと反応させることにより、対応するアレニルアルコール及びホモプロパギルアルコールの合成法を報告した(非特許文献12)。さらに最近、この反応の選択性、収率、基質一般性を改善した手法を報告した(非特許文献8)。
【化学式10】





【非特許文献1】Chem. Rev. 1999, 99, 1069-1094

【非特許文献2】J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 13326-13334

【非特許文献3】Synlett 2003, 1713-1715

【非特許文献4】J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 1787-1796

【非特許文献5】Org. Lett. 2005, 7, 2767-2770

【非特許文献6】Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 5176-5186

【非特許文献7】Adv. Synth. Catal. 2005, 347, 1219-1222

【非特許文献8】Tetrahedron 2006, 62, 496-502

【非特許文献9】Tetrahedron Lett. 1999, 40, 5009-5012

【非特許文献10】Chem. Lett. 2002, 298-299

【非特許文献11】Tetrahedron Lett. 2003, 44, 6755-6757

【非特許文献12】J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 6392-6393

産業上の利用分野


この発明は、N-アシルヒドラゾンへのプロパギルトリハロシラン又はアレニルトリハロシランの位置特異的付加反応による、高選択的なN-アシルヒドラジンの合成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式
化1: RHC=NNHCOR
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を表し、Rは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素を表す。)
で表されるN-アシルヒドラゾンと下記一般式
化2: CH≡C-CH-SiX
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるプロパギルトリハロシラン又は
化3: CH=C=CH-SiX
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるアレニルトリハロシランとを反応させることから成る下記一般式
化4: CH=C=CH-CHR-NH-NHCOR
又は
化5: CH≡C-CH-CHR-NH-NHCOR
(式中、RびRは上記と同様に定義される。)で表されるN-アシルヒドラジンの製法。

【請求項2】
ジメチルホルムアミドを反応溶媒として用いる請求項1に記載の製法。

【請求項3】
反応系に更に3級アミンを添加する請求項1又は2に記載の製法。

【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載の製法により製造されたN-アシルヒドラジンを、更に、ヨウ化サマリウムと反応させることから成るアレニルメチルアミン又はホモプロパギルアミンの製法。

【請求項5】
前記アレニルメチルアミンが下式
化6: CH=C=CH-CHR-NH
で表され、前記ホモプロパギルアミンが下式
化7: CH≡C-CH-CHR-NH
(式中、Rは上記と同様に定義される。)で表される請求項4に記載の製法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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