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粘膜組織収縮性治療剤、粘膜組織に関わる疾患の治療方法、注射器、及び治療具セット

国内特許コード P110003674
整理番号 Y03-P152-1
掲載日 2011年6月28日
出願番号 特願2006-026806
公開番号 特開2006-158980
登録番号 特許第4368858号
出願日 平成18年2月3日(2006.2.3)
公開日 平成18年6月22日(2006.6.22)
登録日 平成21年9月4日(2009.9.4)
優先権データ
  • 特願2002-281321 (2002.9.26) JP
発明者
  • 呉 孟達
  • 稲福 繁
  • 木村 勝
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 粘膜組織収縮性治療剤、粘膜組織に関わる疾患の治療方法、注射器、及び治療具セット
発明の概要 【課題】粘膜組織収縮性治療剤及び粘膜組織収縮性治療剤を用いた粘膜組織に関わる諸疾患の治療方法に用いることが可能な注射器、及び治療具セットを提供するものである。
【解決手段】外筒12と、外筒12内を移動可能なピストン14と、外筒12の側部から外側に付勢され突出して設けられた側部突出部材16と、側部突出部材16を外筒12内側に向かって押圧することによりピストン14を前進させる、ピストン14及び側部突出部材16と係合するスイッチ機構18と、ピストン14の前進により水密状態で押入可能な底部材20を備えた薬剤容器22を収納・保持する、ピストン14の前進する側の外筒12内に設けられた薬剤容器収納部と、前進したピストンの復帰を防止するストッパ機構と、外筒12の先端部に設けられ注射針34を備えた針部材27とを有する側部連続プッシュ式注射器である。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


従来より、肥厚性鼻炎、血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎、及び鼻茸等の鼻性疾患の治療の一つとして、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド製剤といった内服薬が服用されてきたが、これらの内服薬の多くは一時的な対症効果しか持たず、症状が反復しやすい上、内服薬の長期連用に苦慮させられることも多かった。また、様々な副作用、例えば主として眠気、口渇、肝や胃腸系の障害などが生じることも周知の事実である。そこで、現在外科的処置として、鼻粘膜切除術やレーザー焼灼術や凍結手術等による治療が行われており、例えば鼻粘膜切除術とは、局所麻酔(又は全身麻酔)下にて鼻の中の粘膜表面を下甲介剪刃で切除する手術であり、レーザー焼灼術とは、レーザー光線により鼻の粘膜表面を焼灼する手術であり、凍結手術とは、鼻の粘膜表面を凍結させて組織を破壊する手術である。



しかしながら、上記鼻粘膜切除術、レーザー焼灼術及び凍結手術は粘膜表面における開放性の侵襲性が大きく、一度操作された鼻粘膜の回復にはかなり長時間を要する。すなわち、これらの方法は、あくまでも粘膜表層における開放性のアブレーションを主体とするために、術後長期間に亘って粘膜面の損傷による粘膜の糜爛や痂皮形成が引き起こされ、その間しばらくは逆に鼻症状の増悪を来たす結果となり、患者に心身的苦痛や不快感を与えることになる。さらに、実際に神経線維が存在している粘膜深部までは往々にして治療効果が届かないため、鼻汁やくしゃみなどのすべての鼻症状が同時に素早く緩和されることは少ない。また、術後短時間内に再治療や内服薬の併用が余儀なくされることもしばしば経験されるところである。



上記現在の外科的処置法(レーザー焼灼術、鼻粘膜切除術、凍結手術)におけるくしゃみ、鼻汁、鼻閉の改善効果について、不変及び悪化を除いた改善効果が現れたケースの確率(%)を下記表1~3に示す。



【表1】





【表2】




【表3】




なお、表1~3中の文献は、以下の通りである。
1)岩永康成、前山忠嗣、進 武幹:接触型YAGレーザーを用いた鼻アレルギーの治療.耳鼻 36:977-981,1990
2)斎藤彰治、新川 敦、橘田 豊、鈴木秀則、飯田政弘:アレルギー性鼻炎に対する炭酸ガスレーザーによる鼻粘膜焼灼術.耳喉頭頚 65:871-876,1993
3)古田 茂、出口浩二、大山 勝:鼻アレルギーに対する物理療法.JOHNS 10:389-392,1994
4)窪田市世:鼻アレルギーに対する下甲介レーザー手術.JOHNS 10:375-381,1993
5)中之坊学:鼻アレルギーのレーザー手術に関する研究.耳鼻臨床 補 77:1-21,1995
6)安田豊稔、石田 孝、喜多村健:鼻アレルギーに対するKTPレーザー治療.耳鼻臨床 91:679-685,1998
7)深澤啓二郎、小笠原 寛、藤井恵美、友藤誠一、阪上雅史:アルゴンプラズマ凝固法による下甲介焼灼術.耳鼻臨床 92:1063-1069,1999
8)渡辺昭仁、川堀真一、後藤 孝、市川良一:鼻アレルギーの接触型Nd:YAGレーザー治療.耳鼻臨床 93:821-826,2000
9)今村俊一、本田英幸:鼻アレルギーに対する炭酸ガスレーザー治療-下鼻甲介3回蒸散法の治療成績.耳鼻臨床 95:1037-1044,2002
10)Furukido K, Takeno S, Osada R, Ishino T, Yajin K: Study of Eosinophil Activation in Nasal Mucosa in Patients with Perennial Nasal Allergy: Effects of CO2 Laser Surgery. Am J Rhinol 16: 1-6, 2002
11)高橋光明、奥田 稔、打越 進、大塚博邦、坂口幸作:鼻アレルギーに対する下鼻甲介粘膜広汎切除手術.耳喉 50:393-396,1978
12)大塚博邦、坂口喜清、渡瀬隆雄、他:鼻粘膜広汎切除術-遠隔成績について-.耳喉頭頚 60:139-144,1988
13)Ozenberger JM: Cryosurgery in chronic rhinitis. Laryngoscope 80: 723-734, 1970
14)平出文久、澤田政道、井上鐵三、他:アレルギー性鼻炎の凍結手術による治療経験.鼻副鼻腔 19:158-159,1980



このような状況を改善し、かつ、より簡便で効果的な治療法の開発が望まれる中、現在、閉塞性睡眠時呼吸障害や鼾症等の外科的治療法として実際に用いられているソムノプラスティー(somnoplasty)やコブレータサージェリ(coblator surgery)などの高周波数組織減量法をアレルギー性疾患をはじめとする鼻粘膜の諸疾患に応用することが考えられている。



上記高周波数組織減量法とは、高周波の曝露により組織を凝固変性させるものであり、これまで臨床上では主に腫瘍組織の減量治療に使用されてきた。その組織への減量効果の原理は、いわば高周波温熱によるタンパク凝固にあるといわれている。即ち、タンパク凝固が起きれば必然的に組織は死に至るので、腫瘍のような生体にとって余分であり異常な組織を除去するには一つの有用な方法とされている。その減量作用に着目し、1997年にアメリカのPowellらは初めてその装置を口腔咽頭領域に応用した。彼らは主にいびきや軽度の閉塞性呼吸障害の症例に対して、口蓋垂や軟口蓋粘膜に適度な高周波の曝露を行い、粘膜のアブレーション作用および臨床症状について良好な改善効果を収めたと報告している(非特許文献1、非特許文献2)。



その報告をもとに、本発明者も2001年の春頃より高周波装置の一種であるコブレータシステム(Coblator system)を日本でいち早く導入し、臨床治験を開始した。この治療方法は完全なものであるとは言い難いが、症例によっては極めて有用な治療方法である。



しかしながら、上記高周波数組織減量法は、そのシステムの導入費用やランニングコストが非常に高いという問題がある。しかも実際には、治療後しばらくの間、粘膜表面の損傷をきたすことが確認されている。
【非特許文献1】
CHEST111, p.1348-1355, 1997
【非特許文献2】
CHEST113, p.1163-1174, 1998

産業上の利用分野


本発明は、粘膜組織収縮性治療剤、粘膜組織収縮性治療剤を用いた粘膜組織に関わる諸疾患の治療方法、粘膜組織収縮性治療剤を注入可能な注射器及びかかる注射器を具備する治療具セットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
外筒と、該外筒内を移動可能なピストンと、外筒の側部から外側に付勢され突出して設けられた側部突出部材と、該側部突出部材を外筒内側に向かって押圧することによりピストンを前進させる、ピストン及び側部突出部材と係合するスイッチ機構と、ピストンの前進により水密状態で押入可能な底部材を備えた薬剤容器を収納・保持する、ピストンの前進する側の外筒内に設けられた薬剤容器収納部と、前進したピストンの復帰を防止するストッパ機構と、外筒の先端部に設けられ注射針を備えた針部材とを有する側部連続プッシュ式注射器と、
該注射器に収納可能な治療剤入り薬剤容器とを備えた治療具セットであって、
前記薬剤容器が、胴体部、栓部材及び底部材を有し、該栓部材に薬剤収納室が設けられていると共に、前記針部材の注射針が偏心して設けられ、針部材の外筒装着の際に、注射針の後端部が薬剤収納室の底部を押圧して破断し、該破断して形成した開口を保持するよう構成されていることを特徴とする治療具セット。

【請求項2】
注射器が温度制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の治療具セット。

【請求項3】
注射針の一部又は全部が彎曲していることを特徴とする請求項1又は2記載の治療具セット。

【請求項4】
注射針の針先の方向が、注射針の軸方向に対して0を越えて130度であることを特徴とする請求項3に記載の治療具セット。

【請求項5】
ピストンの後部が、外筒の後方から突出していることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の治療具セット。

【請求項6】
外筒に薬剤容器の出し入れを可能とする開閉窓が設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の治療具セット。

【請求項7】
側部突出部材を一回押圧することによって0.01~0.2mL注出できるよう構成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の治療具セット。

【請求項8】
薬剤収納室の底部に支持部材を備えると共に、薬剤収納室の底部に支持部材を包囲する破断誘導部が形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の治療具セット。

【請求項9】
破断誘導部が、C形状の線状破断誘導部であることを特徴とする請求項に記載の治療具セット。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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