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不斉合成用触媒およびそれに用いる配位子、並びにこれらを用いた不斉合成反応による光学活性化合物の製造方法 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P110003682
整理番号 RX01P36
掲載日 2011年6月28日
出願番号 特願2006-040690
公開番号 特開2006-257081
登録番号 特許第4928798号
出願日 平成18年2月17日(2006.2.17)
公開日 平成18年9月28日(2006.9.28)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
優先権データ
  • 特願2005-041116 (2005.2.17) JP
発明者
  • 宮浦 憲夫
  • 山本 靖典
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 不斉合成用触媒およびそれに用いる配位子、並びにこれらを用いた不斉合成反応による光学活性化合物の製造方法 新技術説明会 実績あり
発明の概要 【課題】広範な光学活性アリール化合物の合成に利用できる汎用性と、工業的に有利な穏和な条件で短時間、高収率で合成できる反応性、選択性とを併せ持った製造法の提供。
【解決手段】下記一般式(1a)または(1b)で表される化合物。



中心金属がロジウムであり、一般式(1a)または(1b)で表される化合物を配位子として含む錯体。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


光学活性β-置換カルボニル化合物は、医薬分野、食品添加物分野等で中間体として有用である。光学活性β-置換カルボニル化合物の製造法としては、例えば、以下の製造法が知られている。



1)鎖状または環状のβ-置換カルボニル化合物は、ロジウム化合物とホスフィン化合物および塩基の存在下で、アリールボロン酸とα,β-不飽和エノンを反応させて製造する方法が報告されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3等)。



2)光学活性β-アリールアミド化合物は、ロジウム化合物と光学活性ホスフィン化合物存在下で、アリ-ルボロン酸とα,β-不飽和アミド化合物を反応させて製造する方法が報告されている(非特許文献4)。



3)光学活性β-アリールエステル化合物は、ロジウム化合物と光学活性ホスフィン化合物存在下で、アリールボロン酸とα,β-不飽和エステル化合物を反応させて製造する方法が報告されている(非特許文献5)。



4)ロジウム化合物と光学活性ホスフィン化合物から生成させたロジウム錯体存在下、塩基を添加することによって、所望の光学活性β-アリール化合物が得られることが報告されている(特許文献1)。



5)アルデヒドとアリールボロン酸をロジウム触媒の存在下、不斉1,2付加反応させて光学活性アリ-ル化合物を得ることが報告されている(非特許文献6)。
【非特許文献1】
Tetrahedron Lett., 1998, 39, 8479.
【非特許文献2】
J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 8932.
【非特許文献3】
J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 1110.
【非特許文献4】
J. Org. Chem., 2001, 66, 8944.
【非特許文献5】
J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 5052.
【特許文献1】
特開2004-315396号公報
【非特許文献6】
Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 3279-3281.

産業上の利用分野


本発明は、不斉合成用触媒およびそれに用いる配位子、並びにこれらを用いた不斉合成反応による光学活性化合物の製造方法に関する。特に、光学活性化合物の製造方法は、光学活性β-置換カルボニル化合物の製造方法、光学活性アルコール化合物の製造方法、不斉アリル位置換反応法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1a)または(1b)で表される化合物。
【化1】


[式中、Xは酸素であり、Yは、NR1011(R10およびR11は、独立に、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基である)、OR12(R12は、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基である)、またはSR13(R13は、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基である)であり、nは1であり、R~Rは、独立に、水素、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基である。]

【請求項2】
中心金属がロジウム、イリジウム、またはルテニウムであり、請求項1に記載の一般式(1a)または(1b)で表される化合物を配位子として含む錯体。

【請求項3】
下記一般式(20)で表される請求項2に記載の錯体。
(20)
[式中、Mはロジウム、イリジウム、またはルテニウム、Xはハロゲン、RO(ROはヒドロキシ、アルコキシ、アセチルアセトナート、アセトキシ、およびトリフルオロメタンスルホンナートから成る群から選ばれる1種である)、BF、ClO、PF、B(Ar)4、SbFアニオンまたは水素であり、mは1から3の整数であり、Lは、オレフィン、η3-アリル、アリール(Ar)基、アミン、一酸化炭素、またはアセトニトリルであり、pは0から3の整数であり、Lは請求項1に記載の一般式(1a)または(1b)で示される化合物であり、qは1から2の整数である。アリール(Ar)は芳香環を表す。]

【請求項4】
請求項2または3に記載の錯体からなる光学活性β-置換カルボニル化合物合成用触媒。

【請求項5】
請求項2または3に記載の錯体からなる不斉1,2付加反応用触媒。

【請求項6】
置換または無置換α、β-不飽和化合物と有機金属反応剤とを反応させて、光学活性β-置換カルボニル化合物を製造する方法であって、
上記反応を、請求項2または3に記載の錯体の存在下で行うことを特徴とする前記方法。

【請求項7】
前記α、β-不飽和化合物の置換基が、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、置換基を有するカルバモイル基、アシル基、ホルミル基、またはニトロ基である請求項6に記載の方法。

【請求項8】
前記α、β-不飽和化合物が下記一般式(2a),(2b)で表される化合物である請求項6に記載の方法。
【化2】


[式中、R,R,Rはそれぞれ同一または異なってもよい水素、炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキルチオ基、または炭素数1から8のアルキル基を有してもよいアミノ基を表し、Eはカルボキシル基、シアノ基、炭素数1から8のアルキル基を有してもよいカルバモイル基、またはニトロ基を表す。nは0または整数を表す。WおよびZはそれぞれ同一または異なってもよい-CH2-, =CH-, -O-, -S-, -NH-, または=N-を意味する。R10及びR11はそれぞれ同一または異なってもよい水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基炭素数2~8のアシル基、炭素数2~8のアルコキシカルボニル基、または炭素数1~8のアルキル基を有していてもよいアミノ基或いは隣接するR10およびR11は下記一般式(a)
【化3】


(式中R12は水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、シアノ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基を有していてもよいカルバモイル基、炭素数2~8のアシル基、炭素数2~8のアルコキシカルボニル基、炭素数1~8のアルキル基を有していてもよいアミノ基である)を表す。]

【請求項9】
前記金属反応剤は、金属の置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール化合物である請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。

【請求項10】
前記金属反応剤は、有機ボロン酸誘導体であり、下記一般式(3a)、(3b)または(3c)で表される化合物である請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【化4】


[Yは水酸基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキル基を有していてもよいフェノキシ基、シクロヘキシルオキシ基、あるいは下式a,b,cまたはd(各式中、qは1から4の整数を表し、そしてrおよびsはそれぞれ独立に0から5の整数を表し、Meはメチル基を表す。)で示される基を表し、Rは置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール基を表す。]
【化5】



【請求項11】
光学活性β-置換カルボニル化合物が下記一般式(4)で表される化合物である請求項6~10のいずれか1項に記載の方法。
【化6】


[式中、R,R,Rはそれぞれ同一または異なってもよい水素、炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキルチオ基、または炭素数1から8のアルキル基を有してもよいアミノ基を表し、Eはカルボキシル基、シアノ基、炭素数1から8のアルキル基を有してもよいカルバモイル基、またはニトロ基を表す。但し、Rは置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール基を表す。]

【請求項12】
アルデヒド化合物と有機金属反応剤とを反応させて、光学活性アルコール化合物を製造する方法であって、
上記反応を、請求項2または3に記載の錯体の存在下で行うことを特徴とする前記方法。

【請求項13】
アルデヒド化合物が下記一般式(5)で表される化合物である請求項12に記載の方法。
R4CHO (5)
[式中、Rは無置換若しくは置換アルキル基または無置換若しくは置換アリール基である。]

【請求項14】
前記金属反応剤は、金属の置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール化合物である請求項12または13に記載の方法。

【請求項15】
前記金属反応剤は、有機ボロン酸誘導体であり、下記一般式(3a)、(3b)または(3c)で表される化合物である請求項12または13に記載の方法。
【化7】


[Yは水酸基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキル基を有していてもよいフェノキシ基、シクロヘキシルオキシ基、あるいは下式a,b,cまたはd(各式中、qは1から4の整数を表し、そしてrおよびsはそれぞれ独立に0から5の整数を表し、Meはメチル基を表す。)で示される基を表し、Rは置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール基を表す。]
【化8】



【請求項16】
光学活性アルコールが下記一般式(7)で表される化合物である請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
【化9】


[式中、Rは無置換若しくは置換アルキル基または無置換若しくは置換アリール基であり、Rは置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリール基を表す。]

【請求項17】
中心金属がパラジウム、または白金であり、請求項1に記載の一般式(1a)または(1b)で表される化合物を配位子として含む錯体。

【請求項18】
下記一般式(21)で表される請求項17に記載の錯体
(21)
[式中、Mはパラジウム、または白金、Xはハロゲン、アセテートアニオン、BF、PF、ClO、またはSbFアニオンであり、rは0から2の整数であり、Lはトリアリール(あるいはアルキル)ホスフィン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジベンジリデンアセトンまたはη3-アリルであり、sは0から2の整数であり、Lは請求項1に記載の一般式(1a)または(1b)で示される化合物であり、tは1である。Arは芳香環を表す。]

【請求項19】
請求項17または18に記載の錯体からなる不斉アリル位置換反応用触媒。

【請求項20】
不斉アリル位置換反応が、不斉アリル位アルキル化反応である請求項19に記載の触媒。

【請求項21】
不斉アリル位置換反応が、不斉アリル位アミノ化反応である請求項19に記載の触媒。

【請求項22】
1,3-ジ置換アリルアセテート化合物とマロン酸ジアルキルとを反応させて、光学活性(1,3-ジ置換プロペニル)マロン酸ジアルキル化合物を製造する方法であって、上記反応を、請求項17または18に記載の錯体の存在下で行うことを特徴とする前記方法。

【請求項23】
前記1,3-ジ置換アリルアセテート化合物が下記一般式(8)で表される化合物である請求項22に記載の方法。
【化10】


[式中、R5、R6は同一の置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基であり、Acはアセチル基である]

【請求項24】
前記マロン酸ジアルキルが下記一般式(9)で表される化合物である請求項22または23に記載の方法。
【化11】


[式中、R7は置換若しくは無置換アルキル基を表す。]

【請求項25】
前記光学活性(1,3-ジ置換プロペニル)マロン酸ジアルキル化合物が下記一般式(10)で表される化合物である請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
【化12】


[式中、R5、R6は同一の置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基であり、R7は置換若しくは無置換アルキル基を表す。]

【請求項26】
1,3-ジ置換アリルアセテート化合物とアミン化合物とを反応させて、光学活性アリルアミン化合物を製造する方法であって、
上記反応を、請求項17または18に記載の錯体の存在下で行うことを特徴とする前記方法。

【請求項27】
前記1,3-ジ置換アリルアセテート化合物が下記一般式(11)で表される化合物である請求項26に記載の方法。
【化13】


[式中、R5、R6は同一の置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を表し、Acはアセチル基である。]

【請求項28】
前記アミン化合物が下記一般式(12)で表される化合物である請求項26または27に記載の方法。
【化14】


[式中、R8、R9は、独立に、水素、無置換若しくは置換アルキル基、無置換若しくは置換アリール基であるか、またはR8およびR9は炭素数3~7の環を形成してもよい。]

【請求項29】
前記光学活性アリルアミン化合物が下記一般式(13)で表される化合物である請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
【化15】


[式中、R5、R6は同一の置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を表し、R8、R9は、独立に、水素、無置換若しくは置換アルキル基、無置換若しくは置換アリール基であるか、またはR8およびR9は炭素数3~7の環を形成してもよい。]
国際特許分類(IPC)
Fターム
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