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光応答性を有する遷移金属錯体 コモンズ

国内特許コード P110003684
整理番号 N052P32
掲載日 2011年6月28日
出願番号 特願2006-041931
公開番号 特開2007-217381
登録番号 特許第4878170号
出願日 平成18年2月20日(2006.2.20)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
登録日 平成23年12月9日(2011.12.9)
発明者
  • 山口 健太郎
  • 小林 稔
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光応答性を有する遷移金属錯体 コモンズ
発明の概要 【課題】光応答性分子として有用な遷移金属錯体を提供する。
【解決手段】光応答性分子として有用な下記の式(I):



(式中、(THF)4は4個の同一又は異なる置換又は無置換のテトラヒドロフラン配位子を示し、Xは遷移金属、好ましくは鉄を示す)で表される錯体。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


光応答性分子は光刺激に対して応答性を示す機能分子であり、これまでに数多くの報告がある。近年では分子サイズの情報記録媒体(分子メモリー)として、ナノテクノロジーの分野でも脚光を浴びている(Chem. Rev., 103, pp.2475-2532, 2003)。



これまでに報告された光応答性分子のうち有機物の光応答性分子は主としてπ電子共役化合物であり、特に6π以上の電子共役化合物が多いが、これらは光エネルギーを構造異性化のエネルギーに利用している。例えば、ロドプシンは視覚組織である目の網膜において視覚情報センサーとして機能しているが、(Z)-レチナールが数個の光子で活性化されて(E)-レチナールに変化することにより光情報伝達を行っている。また、サリチリデンアニリン類、ジアリールエテン、及びフルギドなどが有機フォトクロミック分子として提供されているが、とりわけジアリールエテンやフルギドは分子メモリーへの応用を目指して精力的に研究開発が進められている(Chem. Rev., 100, Vol. 5, 2000)。



上記の光応答性分子のほか、遷移金属錯体を用いた光応答性分子も報告されている。代表例はハロゲン化銀を用いた銀塩写真であり、光照射によって遷移金属が還元される現象を原理として利用しており、光照射によって銀が還元されて形成される銀潜像核を化学的に増幅定着(現像)することにより光情報を固定化している。金属錯体では、プルシアンブルー類類縁の光誘起磁石(Science, 272, 704, 1996)、鉄スピンクロスオーバー錯体の光誘起スピン転移(Light-induced excited spin state trapping)現象(Chem. Phys. Letter., 105, 1, 1984)、ニトロプルシドやコバルトニトロ錯体などの光誘起構造異性(Z. Phys. A., 280, 17, 1977; Z. Anarg. Allg. Chem., 279, 219, 1955)、コバルト原子価異性錯体の光誘起原子価異性(Chem. Lett., 874, 2001)などが知られている。



一方、下記のクロライド錯体:(THF)4Mg(μ-Cl)2MnCl2 (Inorg. Chem., 37, pp.3428-3431, 1998)、及び(THF)4V(μ-Cl)2ZnCl2(Inorg. Chem., 24, p.2997, 1985)が報告されているが、いずれの錯体についても光応答性は報告されていない。
【非特許文献1】
Inorg. Chem., 37, pp.3428-3431, 1998
【非特許文献2】
Inorg. Chem., 24, p.2997, 1985

産業上の利用分野


本発明は光応答性を有する遷移金属錯体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式(I):
【化1】


(式中、(THF)4は4個の同一又は異なる置換又は無置換のテトラヒドロフラン配位子を示し、Xは遷移金属を示す)で表される錯体。

【請求項2】
(THF)4が4個の無置換テトラヒドロフラン配位子である請求項1に記載の錯体。

【請求項3】
遷移金属が鉄である請求項1又は2に記載の錯体。

【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の錯体を含む光応答剤。

【請求項5】
光応答システムであって、光存在下で請求項1ないし3のいずれか1項に記載の錯体から下記の式(II):
【化2】


で表されるイオン性物質が生成し、及び光非存在下で上記の式(II)で表されるイオン性物質から上記の式(I)で表される錯体が生成する可逆工程を含むシステム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 医療に向けた自己組織化等の分子配列制御による機能性材料・システムの創製 領域
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