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ナノ金属微粒子/炭素ナノ繊維構造体の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110003691
整理番号 N061P18
掲載日 2011年6月28日
出願番号 特願2006-063617
公開番号 特開2006-281201
登録番号 特許第5013722号
出願日 平成18年3月9日(2006.3.9)
公開日 平成18年10月19日(2006.10.19)
登録日 平成24年6月15日(2012.6.15)
優先権データ
  • 特願2005-066682 (2005.3.10) JP
発明者
  • 本山 幸弘
  • 永島 英夫
  • 高崎 幹大
  • 尹 聖昊
  • 持田 勲
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 ナノ金属微粒子/炭素ナノ繊維構造体の製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】 炭素材料を担持媒体とし可及的に微細且つ均一に金属微粒子を担持して触媒等として有用な高い活性と耐久性を示す構造体を調製する技術を提供する。
【解決手段】 目的の金属のカルボニル錯体を溶かした有機溶媒中に炭素ナノ繊維を懸濁させて、その懸濁液を加熱還流および/または超音波照射することにより、金属カルボニル錯体をナノ微粒子化する。炭素ナノ繊維として平板積層型を用いることが特に好ましく、ナノメートルサイズの均一な粒子径の金属微粒子が炭素表面に高度に分散した構造体が得られる。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


金属担持触媒は、種々の化成品の触媒的合成に広く用いられているだけでなく、環境触媒や水素貯蔵およびとりだし反応に利用が見込まれている。金属担持触媒の特性は、担持媒体(担体)や担持された金属微粒子の担持形態に大きく依存する。すなわち、触媒機能を有効に発現させるためには、金属粒子径を均一に、しかもできる限り小さくする必要があるが、そうすることで金属微粒子が移動しやすくなり、凝集して粒子径が大きくなり触媒活性が低下する。このような現象を防ぐために、細孔構造を有する表面積の大きな活性炭、二酸化ケイ素、または酸化アルミニウム等の担体に分散させる手法が採られている。



担持担体の中でも、安価であり、かつ多種多様な大きさの孔を有する多孔性炭素物質である活性炭が、炭素材料として多く用いられている(非特許文献1)。しかし活性炭は、表面の大部分が疎水性であり、反応性に富むエッジ炭素は表面に局在している(非特許文献2、3)。表面はフェノール性水酸基、カルボキシル基、無水カルボン酸、カルボニル基、γおよびδ-ラクトン等様々な酸素官能基を有しており、この部分に金属が優先的に担持されやすい(非特許文献4)。さらに活性炭は、その原料になる炭素物質の種類や製造法により、その微細構造が大きく異なり、表面構造が均質ではないことから、金属を担持した際の金属粒子の分散度や粒子系制御が必ずしも十分ではない。



近年、ナノ単位(nm = 10億分の1)の新しい炭素材料として、一方向に伸びる中心軸を有する炭素ヘキサゴナル網面からなる繊維状のナノ炭素(いわゆるカーボンナノファイバ:CNF、もしくはグラファイトナノファイバ:GNF)や炭素ナノチューブ(CNT)の製造法が開発され(非特許文献5-9、特許文献1-4)、金属担持担体の微細炭素材として注目されている。これら炭素ナノ繊維へ金属を担持した金属微粒子/炭素ナノ繊維構造体は、金属担持触媒(非特許文献10)、電気化学キャパシタ用電極(特許文献5)、燃料電池用電極(非特許文献11)、電界電子放出型ディスプレイ材料(特許文献6)等への応用が期待されている。



炭素ナノ繊維を含めた炭素材料への金属微粒子の一般的な担持方法としては、担持媒体を触媒活性のある金属種の金属塩溶液に懸濁させ物理吸着(含浸)させた後、還元雰囲気下、高温で処理する方法が用いられている。しかしながら、この手法では、金属塩を還元する際に長時間にわたる高温処理が必要であり、それに伴う金属の凝集による分散度や粒子系制御が必ずしも十分ではない。



それに対し、界面活性剤存在下、金属塩を溶液中で水素化ホウ素ナトリウムやカリウム塩で還元してコロイド粒子を形成した後、担持媒体に含浸する方法が報告されている(非特許文献12)。しかしこの含浸法では、金属塩の濃度や溶媒,界面活性剤の種類といった反応条件で、含浸の深さや分散が決まるため、条件設定が難しい。さらに得られる担持触媒に還元剤残渣が混入してしまい、純度の高い担持触媒の合成が難しい。



一方、還元剤残渣の混入を抑えるために、有機金属錯体を前駆体に用いる合成法も知られている。例えば金属カルボニル錯体の熱分解により生成した微粒子を活性炭に担持したコバルト担持炭素触媒(非特許文献13)がある。



しかしながら、この方法では熱分解に180℃以上の加熱と界面活性化剤を必要とし、さらに担持コバルト微粒子の平均粒子径は12nmと大きく、その粒子径分布も広い(7~18nm)。



[0004]に記載したナノ炭素繊維のうち、ヘキサゴナル網面の端面(エッジ面)の多い炭素ナノ繊維を担持媒担体とした金属担持触媒の合成も知られている。例えば、魚骨状積層や平板積層炭素ナノ繊維に鉄塩(非特許文献16)、ルテニウム塩(非特許文献17)、ニッケル塩(非特許文献18)、白金塩(非特許文献4)を含浸させた後、高温で水素還元する方法が知られている。



しかしながら、非特許文献16の方法では、鉄微粒子の平均粒子径は16.2nm、非特許文献18のニッケル微粒子の平均粒子径は6~8nmとかなり大きい。一方、非特許文献4の方法では、白金微粒子の平均粒子径はで3nmだが、300度での水素雰囲気下の熱処理を必要とし、非特許文献17のルテニウム微粒子の平均粒子径は1.1~2.2 nmと狭いものの、調整時に液性をpH=0.5の保たなければならず、より容易で簡便な合成方法が望まれている。



その他、炭素ナノ繊維に触媒微粒子を担持させた電気化学キャパシタ用電極なども提案されている(特許文献5)が、この特許文献にはその具体的な担持法は特に言及されておらず、従来から知られた上述したような含浸/還元や溶液中での還元に準ずる手法によるものと推察される。

【非特許文献1】P. N.Rylander, Catalytic Hydrogenetion in Organic Synthesis, Academic Press: New York, 1979

【非特許文献2】H. P. Boehm,E. Diehl, W. Heck, Rev. Gen. Caoutschouc, 1964, 41, 461

【非特許文献3】萩原茂示、改訂 炭素材料入門、1984

【非特許文献4】M. Endo, Y. A. Kim, M. Ezaka, K.Osada, T. Yanagisawa, T. Hayashi, M. Terrones, M. S. Dresselhaus, Nano Lett.2003, 3, 723

【非特許文献5】H. Murayama, T. Maeda, Nature,1990, 345, 791

【非特許文献6】A. Chambers, N. M. Rodriguez, R.T. K. Baker, Langmuir, 1995, 11, 3862

【非特許文献7】M.-S. Kim, Dr. Thesis, Auburn University (1991)

【非特許文献8】A. Tanaka, S.-H. Yoon, I. Mochida, Carbon, 2004, 42, 591

【非特許文献9】A. Tanaka, S.-H. Yoon, I. Mochida, Carbon, 2004, 42, 1291

【非特許文献10】P. Serp, M. Corrias, P. Kalck,Applied Catalysis A: General, 2003, 253, 337

【非特許文献11】K. Sasaki, K. Shinya, S. Tanaka,Y. Kawazoe, T. Kuroki, K. Takata, H. Kusaba, Y. Teraoka, Mater. Res. Soc. Symp. 2005, 835, K7.4.1

【非特許文献12】A. Roucoux,J. Schulz, H. Patin, Chem. Rev., 2002, 102, 3757

【非特許文献13】S. U. Son,K. H. Park, Y. K. Chung, Org. Lett. 2002, 4, 3983

【非特許文献14】J. M.Plancix, N. Goustel, B. Coq, V. Brotons, P. S. Kumbhar, R. Dutartre, P.Geneste, P. Bernier, P. M. Ajayan, J. Am. Chem. Soc., 1994, 116, 7935

【非特許文献15】H. C. Choi,M. Shim, S. Bangsaruntip, H. Dai, J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 9058

【非特許文献16】O. C.Carneiro, P. E. Anderson, N. M. Rodriguez, R. T. K. Baker, J. Phys. Chem. B,2004, 108, 13307

【非特許文献17】M. L.Toebes, F. F. Prinsloo, J. H. Bitter, A. J. van Dillen, K. P. de Jong, J.Catal., 2003, 214, 78

【非特許文献18】C. Park, R.T. K. Baker, J. Phys. Chem., 1998, 102, 5168

【特許文献1】特開昭62-5000943号公報

【特許文献2】USP、4,565,683号公報

【特許文献3】特開2003-342839号公報

【特許文献4】特開2003-342840号公報

【特許文献5】特開2005-23468号公報

【特許文献6】特開2001-048509号公報

産業上の利用分野


本発明は、ナノテクノロジーの技術分野に属し、特に、金属担持触媒等として有用なナノ金属微粒子/炭素ナノ繊維構造体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノメートルサイズの金属微粒子が炭素ナノ繊維に担持されたナノ金属微粒子/炭素ナノ繊維構造体を製造する方法であって、
目的の金属のカルボニル錯体を溶かした有機溶媒中に炭素ナノ繊維を懸濁させて懸濁液を得て、(イ)その懸濁液を前記有機溶媒の沸点以下の温度で加熱還流すること、および/または、(ロ)その懸濁液に超音波を照射すること、により、前記金属カルボニル錯体をナノ微粒子化する工程を含むことを特徴とする方法。

【請求項2】
炭素ナノ繊維として平板積層炭素ナノ繊維を用いることを特徴とする請求項1の方法。

【請求項3】
金属カルボニル錯体として、Ru3(CO)12、Co2(CO)8、Fe(CO)5、Os3(CO)12、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16、Ir4(CO)12、Cr(CO)6、W(CO)6、またはMn2(CO)10を用いることを特徴とする請求項1または2の方法。
産業区分
  • その他無機化学
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006063617thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 環境保全のためのナノ構造制御触媒と新材料の創製 領域
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