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リン酸カルシウム透明体およびその製造方法

国内特許コード P110003695
整理番号 RX03P56
掲載日 2011年6月28日
出願番号 特願2006-068295
公開番号 特開2007-246299
登録番号 特許第5299658号
出願日 平成18年3月13日(2006.3.13)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
発明者
  • 古薗 勉
  • 岡田 正弘
  • 安田 昌司
  • 小粥 康充
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団
発明の名称 リン酸カルシウム透明体およびその製造方法
発明の概要

【課題】焼結などの高温の熱処理を行うことなく、低コストで製造することができる低結晶性のリン酸カルシウム透明体およびその製造方法を実現する。
【解決手段】本発明のリン酸カルシウム透明体は、リン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、溶媒の凝固点よりも高く、溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることによって得られ、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内である。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


ハイドロキシアパタイト、β-リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウム化合物からなる透明体(リン酸カルシウム透明体)は、生体親和性、生体適合性、生体組織に対する密着性あるいは接着性を有し、医療用材料に有用である。更には軟組織に対しても親和性があることが知られている。リン酸カルシウム透明体は透明であるため、リン酸カルシウム上で細胞活動を評価する際に、細胞培養試験による観察や機器分析による定量的評価などが可能となる。



リン酸カルシウム化合物の合成には、湿式法、熱水法および乾式法と呼ばれる方法が用いられ、リン酸カルシウム化合物粒子の工業的な大量合成には、主に湿式法が用いられている。この湿式法の具体的な方法としては、常温下にて水酸化カルシウムスラリーにリン酸を滴下して合成する沈殿法や、リン酸水素カルシウム二水和物と炭酸カルシウムとを反応させる加水分解法などが知られている(例えば、非特許文献1参照)。



リン酸カルシウム透明体は、上記方法によって得られるリン酸カルシウム化合物を焼結させることにより得られる。焼結方法としては、900~1100℃、200MPaの高温・高圧条件下で行う熱間等方圧加圧成形法(例えば、非特許文献2参照)や、300℃、50MPaの高温・高圧条件下で行う水熱ホットプレス法(例えば、非特許文献3参照)や、ゲルキャスティングにより得られる粉末の1000℃での常圧焼結による方法(例えば、非特許文献4参照)や、特殊電源制御装置を用い、800~1000℃の高温条件で行う放電プラズマ焼結法(例えば、非特許文献5参照)が知られている。また、670~780℃の焼結により、半透明アパタイトガラスセラミックを製造する方法が開示されている(例えば特許文献1、2参照)。

【特許文献1】特開2002-53343号公報(2002年2月19日公開)

【特許文献2】特開平11-29342号公報(1999年2月2日公開)

【非特許文献1】松田信行、若菜穣、鍛冶文宏、「水酸アパタイトおよび関連リン酸塩類の結晶および結晶集合体の形態制御」、Inorganic Materials, Vol.2 No.258,393-400(1995)

【非特許文献2】KOJI IOKU and MASAHIRO YOSHIMURA, [MICROSTRUCTURE DESIGNING OF HYDROXYAPATITE CERAMICS BY HIP POST-SINTERING], Hot Isostatic Press Theory Appl, pp. 123-128 (1992)

【非特許文献3】Koji IOKU, Keiichi YAMAMOTO, Kazumichi YANAGISAWA and Nakamichi YAMASAKI, [LOW TEMPERATURE SINTERING OF HYDROXYAPATITE BY HYDROTHERMAL HOT-PRESSING], Phosphorus Res Bull, Vol. 4, pp. 65-70 (1994)

【非特許文献4】Harikrishna Varma, Sekhara Pillai Vijayan and Sivadasan Suresh Babu, [Transparent Hydroxyapatite Ceramics through Gelcasting and Low-Temperature Sintering], J Am Ceram Soc, Vol.85, 493-495 (2002)

【非特許文献5】井奥洪二、川越大輔、寿典子、大串始、「細胞とナノインターフェース観察に適したリン酸カルシウム透明体」、バイオマテリアル、Vol. 23、pp.343-347(2005)

産業上の利用分野


本発明は、リン酸カルシウム透明体および該リン酸カルシウム透明体を高熱処理を行わずに製造する方法、並びにその透明体の用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点より10℃高い温度以上、該溶媒の沸点以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることによって得られ、
X線回折パターンにおける(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.35°以上2.00°以下の範囲内であり、
厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴とするリン酸カルシウム透明体。

【請求項2】
見かけ密度が1.6g/cm以上3.15g/cm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム透明体。

【請求項3】
粒子間隙が200nm以下であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体。

【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とするコーティング材料。

【請求項5】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とする細胞培養用材料。

【請求項6】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とする医療用材料。

【請求項7】
請求項4に記載のコーティング材料によりコーティングされたことを特徴とする請求項6に記載の医療用材料。

【請求項8】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とする歯科用材料。

【請求項9】
請求項4に記載のコーティング材料によりコーティングされたことを特徴とする請求項に記載の歯科用材料。

【請求項10】
請求項1~3の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を製造する方法であって、
平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点より10℃高い温度以上、該溶媒の沸点以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることを特徴とするリン酸カルシウム透明体の製造方法。

【請求項11】
上記分散液を静置乾燥させる前に、濾過または遠心分離により分散液中の溶媒を取り除くことを特徴とする請求項10に記載のリン酸カルシウム透明体の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 薬品
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006068295thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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