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内部リボソーム結合部位を利用した遺伝子組換え全抗体の効率的生産法

国内特許コード P110003724
整理番号 RX07P21
掲載日 2011年6月28日
出願番号 特願2006-126673
公開番号 特開2007-295846
登録番号 特許第4964493号
出願日 平成18年4月28日(2006.4.28)
公開日 平成19年11月15日(2007.11.15)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発明者
  • 飯島 信司
  • 上平 正道
  • 西島 謙一
  • 京極 健司
出願人
  • 株式会社カネカ
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 内部リボソーム結合部位を利用した遺伝子組換え全抗体の効率的生産法
発明の概要

【課題】動物培養細胞を用いて免疫グロブリン分子を生産するにあたって、免疫グロブリン分子の重鎖及び軽鎖という2種類のポリペプチドをバランス良く生産させることによって、免疫グロブリン分子の生産量を向上させることこと。
【解決手段】プロモーターの下流に、免疫グロブリン分子を構成する重鎖をコードする塩基配列(A)、及び、免疫グロブリン分子を構成する軽鎖をコードする塩基配列(B)を配置し、塩基配列(A)と塩基配列(B)のあいだに、ホメオドメインタンパク質GtxをコードするmRNAに由来する内部リボソーム結合配列を配置してなる組換えベクター。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


近年上市され始めた抗体医薬品は、その抗原特異性および生体内での安定性のため、これまで治療が困難であった症例に対しても高い効能を示すものもあり、多くの関心が集められてきている。しかしその期待とは裏腹に、需要に対する供給量不足による高額な薬価が障害となり、抗体医薬の恩恵は十分に行き届いていない。例えば、抗体生産の宿主として通常用いられているChinese Hamster Ovary(CHO)に代表される動物培養細胞は、培地や、添加する血清、増殖因子等について高額な生産コストがかかる一方、それに見合うだけの生産量が得られない。



抗原特異性を有する抗体は、生体内で機能を果たすために2種類のポリペプチドより4量体構造を形成するため、その異なる2種類の遺伝子をバランスよく発現させることが必須である。仮に1つの細胞で2種類の遺伝子を発現させる場合に、片方の発現のみ大きい場合には、4量体を構成した免疫グロブリン分子として細胞外に放出されず、細胞内に蓄積して毒性を示すことがあり、抗体生産の難しさが窺える。



通常mRNAはリボソーム結合部位を1箇所保持するため、1つのmRNAで1つのポリペプチドが合成(翻訳)される。しかし、内部リボソーム結合配列(Internal Ribosome Entry Site:IRES)と呼ばれる特殊な配列をそのmRNA上にシスエレメントとして有する場合は、リボソーム結合部位が2箇所になるため、1本のmRNAから2種類のポリペプチドを合成することが可能となる。



特許文献1には、レトロウイルスベクターでのIRES発現カセットの使用および遺伝子治療への応用方法が開示される。しかし、該IRESを用いてバイシストニックな発現系を抗体分子生産に応用することは開示も示唆もしない。



特許文献2は、IRESを利用したバイシストニックおよびポリシストニック発現系による動物培養細胞での抗体分子を含む多量体機能性タンパク質の生産法を開示し、またIRESの反復による下流遺伝子発現量調節方法を開示するが、ホメオドメインタンパク質Gtx由来のIRESが非常に有効にIRESとして機能すること及び反復利用可能なことは開示も示唆もしない。



非特許文献1は、GtxをコードするmRNAの5′UTRの196塩基中で、133-141の領域がIRES能を有し、該IRES領域の反復回数によるIRES下流遺伝子の発現量の増強を開示するが、該IRESの上流と下流に、免疫グロブリン分子を構成する重鎖と軽鎖をコードする配列を配置することによる免疫グロブリン分子の生産法は開示していない。

【特許文献1】特表2002-542834号公報

【特許文献2】特表平08-502644号公報

【非特許文献1】Stephan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,2000年2月15日,97(4),1536-41頁

産業上の利用分野


本発明は、免疫グロブリン分子を産生するための組換えベクター、及び、これを用いた免疫グロブリン分子の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
免疫グロブリン分子を産生するための組換えベクターであって、
β-アクチンプロモーターの下流に、前記免疫グロブリン分子を構成する重鎖をコードする塩基配列(A)、及び、前記免疫グロブリン分子を構成する軽鎖をコードする塩基配列(B)を配置し、前記塩基配列(A)と前記塩基配列(B)のあいだに、ホメオドメインタンパク質GtxをコードするmRNAに由来する内部リボソーム結合配列を6回以上10回以下反復させて配置してなることを特徴とする組換えベクター。

【請求項2】
塩基配列(A)と塩基配列(B)のあいだに、ホメオドメインタンパク質GtxをコードするmRNAに由来する内部リボソーム結合配列を7回反復させて配置してなる請求項記載の組換えベクター。

【請求項3】
ホメオドメインタンパク質GtxをコードするmRNAに由来する内部リボソーム結合配列は、前記mRNA中の5′UTR又はその一部からなるものである請求項1又は2に記載の組換えベクター。

【請求項4】
内部リボソーム結合配列は、ホメオドメインタンパク質GtxをコードするmRNA中の5′UTRにおいて転写開始点より133~141番目の塩基配列である請求項1~3のいずれかに記載の組換えベクター。

【請求項5】
免疫グブリン分子は、哺乳類由来のものである請求項1~のいずれかに記載の組換えベクター。

【請求項6】
免疫グロブリン分子は、ヒト免疫グロブリン分子である請求項記載の組換えベクター。

【請求項7】
免疫グロブリン分子は、マウス免疫グロブリン分子である請求項記載の組換えベクター。

【請求項8】
免疫グロブリン分子は、異種動物間でのキメラ、又は、ヒト化に属するものである請求項1~のいずれかに記載の組換えベクター。

【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の組換えベクターで動物宿主細胞を形質転換してなることを特徴とする形質転換体。

【請求項10】
動物宿主細胞がChinese Hamster Ovary(CHO)由来細胞である請求項記載の形質転換体。

【請求項11】
請求項1~のいずれか1項に記載の組換えベクターを動物培養細胞に導入した後、当該動物培養細胞を培養して免疫グロブリン分子を産生させることを特徴とする、免疫グロブリン分子の製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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