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メチルシトシンの簡便検出法 コモンズ

国内特許コード P110003743
整理番号 794
掲載日 2011年6月29日
出願番号 特願2007-520033
登録番号 特許第5167485号
出願日 平成18年3月28日(2006.3.28)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
国際出願番号 JP2006306359
国際公開番号 WO2006132022
国際出願日 平成18年3月28日(2006.3.28)
国際公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
優先権データ
  • 特願2005-168597 (2005.6.8) JP
  • 特願2005-278688 (2005.8.26) JP
発明者
  • 岡本 晃充
  • 田井中 一貴
  • 田中 一生
  • 亀井 琢
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 メチルシトシンの簡便検出法 コモンズ
発明の概要

被験DNA中の目的塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを判定できる簡便な方法を提供する。
DNA試料中のシトシンのメチル化を検出する方法であって、目的とするシトシン又はメチルシトシンがバルジ構造又はミスマッチを形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる第1工程と、バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する第2工程とを含むメチルシトシン検出方法。

従来技術、競合技術の概要


エピジェネティクスは、ゲノムを生理的に修飾するDNAメチル化、DNAとタンパク質との複合体であるクロマチン、クロマチンを構成する多くのタンパク質の翻訳後修飾から成立しており、統合的に遺伝子発現を制御している。



クロマチン中のヒストンの修飾については、転写誘導の際に、ヒストン修飾によるクロマチン構造変換が重要な役割を果たす。例えば、ヒストンアセチル化酵素によるアセチル化が引き金となって、クロマチンのリモデリングが誘導され、基本転写因子とRNAポリメラーゼによる転写が開始する。また、ヒストンのメチル化やリン酸化は、転写の制御、サイレンシング、クロマチン凝縮などを引き起こす。



また、多くの真核生物ではゲノム中のCpGジヌクレオチドの60~90%が、シトシン5位炭素原子のメチル化を受けている。メチル化CpGは反復配列を多く含むヘテロクロマチンやトランスポゾンに見られており、ウィルスやトランスポゾンの活性化を抑えていると考えられる。また、CpGのメチル化とヒストン修飾とは、相互に協調している。



例外的に、多くの遺伝子のプロモーター領域にあるCGリッチな領域(CpGアイランド)ではメチル化を受けていない。さらにその例外として、インプリンティングされる遺伝子、女性の不活化X染色体ではCpGアイランドがメチル化されている。また、がん細胞におけるがん抑制遺伝子のプロモーター領域でもCpGアイランドがメチル化されている。従って、シトシンのメチル化は、癌の発生、再発、転移のマーカーとして使用することができ、遺伝子中のシトシンがメチル化されているか否かの簡単な検出方法が求められている。



特許文献1,2は、DNA試料を重亜硫酸塩で処理してメチル化されていないシトシンをウラシルに変化させ、次いで、ウラシルよりメチル化シトシンを優先的に増幅するプライマーを用いてPCRを行い、増幅の有無を検出することによりシトシンがメチル化されていたか否かを判定する方法を教えている。しかし、この方法は、メチルシトシンではなく大多数を占めるシトシンを変化させるため、全てのシトシンの変換効率が判定結果に影響を与え、その分判定精度が低くなる。



また、特許文献3は、5-メチルシトシンと特異的に結合する抗体を1本鎖DNAと接触させ、DNA鎖に結合した抗体量を測定することにより、DNAメチル化率を決定する方法を教えている。しかし、この方法は、抗体の作成や、DNA試料のPCRによる増幅などを行う必要があり、手間がかかる。



また、非特許文献1は、2本鎖DNA試料を過マンガン酸カリウム及びヒドロキシルアミンで酸化し、次いでピペリジン処理することにより、2本鎖DNAにミスマッチが存在するか否かを検出できることを教えている。この方法はヒドロキシルアミンが必須である(図2、3参照)。しかし、この方法はミスマッチの存在を検出できるだけであり、DNA試料中のシトシンとメチルシトシンとを区別することはできない。

【特許文献1】特表2004-527241号

【特許文献2】特表2004-500892号

【特許文献3】特表2004-347508号

【非特許文献1】Chinh Bui et al., “Chemical cleavage reactions of DNA on solid support: application in mutation detection”, BMC Chemical Biology,2003,Vol.3

産業上の利用分野


本発明は、DNA試料中の目的塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを判定するメチルシトシン検出方法、及びそれに用いるプローブ、キット、核酸チップ、及びメチルシトシン検出装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】DNA試料中の目的塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを検出する方法であって、
目的塩基のみ塩基対を形成せず、目的塩基を有するバルジ構造を形成するよう;又は目的塩基のみミスマッチを形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる第1工程と、
バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する第2工程とを含むメチルシトシン検出方法。
【請求項2】第1工程が、目的とするシトシン又はメチルシトシンがバルジ構造を形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる工程であり、
第2工程が、バルジ構造を形成する前記シトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する工程である請求項1に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項3】第2工程においてメチルシトシンに特異的な反応を誘導する請求項1または2に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項4】第2工程が、バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに酸化剤を作用させる第2A工程と、酸化剤による酸化反応物の有無を検出する第2B工程とを含む請求項3に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項5】第2A工程が、酸化剤として核酸塩基の炭素原子を酸化できる酸化剤を用いるものであり、かつ
第2B工程が、塩基性物質を作用させる工程、および少なくとも1つのホスホジエステル結合が分解されたか否かを判定する工程順次含む請求項4に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項6】上記ホスホジエステル結合が分解されたか否かを判定する工程が、DNA試料の断片を検出する工程を含む請求項5に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項7】バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンを含む領域を増幅することにより、DNA試料の断片を検出する請求項6に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項8】塩基性物質として、窒素含有物質を用いる請求項5~7のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項9】第1工程の後、エキソヌクレアーゼ処理によりハイブリダイズ産物の1本鎖部分を除去する工程を有する請求項3~8のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項10】第2B工程が、第2A工程で生成する酸化反応物を標識する工程と、標識物質を検出する工程とを含む請求項4に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項11】前記第2B工程が、酸化剤による酸化反応物に対してさらに第2の酸化処理を行なってアルデヒドを生成し、このアルデヒドをイミノ基を介して酵素で標識する工程、を含む請求項10に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項12】第2B工程における、目的塩基の酸化反応物がピリミジン環の5位炭素原子の酸化反応物である請求項4~11のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項13】第2工程における目的塩基に特異的な反応がシトシンに特異的な反応である請求項1または2に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項14】第2工程が、目的塩基を重亜硫酸塩処理する第2C工程と、第2C工程で生成するウラシルを検出する第2D工程とを含む請求項13に記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項15】第2工程が、第1工程で得られたハイブリダイズ産物において、前記ガイドプローブとDNA試料中のメチルシトシンとをクロスリンクさせる第2E工程と、前記ガイドプローブとDNA試料とのクロスリンクの有無を検出する第2F工程とを含む請求項1~のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項16】ガイドプローブの長さが20~100塩基の長さである請求項1~15のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項17】ガイドプローブの長さが40~100塩基である請求項5~9のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
【請求項18】ガイドプローブが固相担体に結合されたものである請求項1~17のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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