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キャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体及びその製造方法

国内特許コード P110003763
整理番号 B39P18
掲載日 2011年6月29日
出願番号 特願2006-174226
公開番号 特開2008-001570
登録番号 特許第5105501号
出願日 平成18年6月23日(2006.6.23)
公開日 平成20年1月10日(2008.1.10)
登録日 平成24年10月12日(2012.10.12)
発明者
  • 飯島 澄男
  • 湯田坂 雅子
  • 宮脇 仁
  • 弓削 亮太
  • 依光 英樹
  • 磯部 寛之
  • 中村 栄一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人 東京大学
  • 日本電気株式会社
発明の名称 キャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体及びその製造方法
発明の概要 【課題】 カーボンナノホーンに内包した物質の、当該内包物質を溶解し得る溶液中におけるカーボンナノホーンからの放出開始を遅延させることが可能なカーボンナノホーン複合体を提供することにある。
【解決手段】 物質担体は壁面に1~2.5nmの径の開口を備えた内径が2~5nmのナノ炭素を有する。物質内包カーボン複合体は、この物質担体と、前記物質担体に内包された第1の機能性物質とを備えている。キャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体は、物質内包カーボン複合体の前記物質担体に、更に、キャップ効果を備えた前記物質担体の内径よりも小さく且つ開口径よりも大きな径を備えた第二の機能性物質を導入してなる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、カーボンナノホーン等のナノサイズの大きさを有するナノ炭素材に関する特性やその用途について、多くの研究が行われている。そして、カーボンナノホーンの表面に様々な物質を吸着させたり、ナノホーンの内部に保持させたりする方法等が提案されている。



このような状況において、カーボンナノホーンのナノサイズの大きさを有するナノ炭素材に関する関心が高まり、これらのナノ炭素材を修飾して、ナノサイズ物質として特徴的な構造に由来する性質とともに、生態適合性や薬物特性等の機能をも発現させようとする試みがなされている。



特許文献1や特許文献2に示しているように、本出願の発明者らは、カーボンナノホーンの特異な構造と性質に着目し、その内部にフラーレンなどのナノカーボンを大量に取込ませた複合体や、金属化合物および薬理活性を有する機能性有機分子を導入担持させた複合体とその製造方法に関する技術を開示している。これらの複合体は、取り込まれたナノカーボン等(以下、内包物質という。)を溶解し得る溶液と接触させると当該内包物質を徐々に放出する(以下、徐放性という。)という特性を有する。



一方、非特許文献1には、開孔したナノホーンを酢酸ガドリニウムのメタノール溶液で処理するとGd化合物が開孔部付近のナノホーン内部に析出し、かかるGd析出処理を行ったナノホーンにはフラーレンなどの分子が内部に取込まれなくなることが報告されている。



しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の前記複合体においては、開孔部が開いたままであるので、内包物質を溶解し得る溶液と接触させると直ちに当該内包物質のカーボンナノホーンからの放出が開始する。そのため、内包物質を溶解し得る溶液の中で内包物質をカーボンナノホーンから放出させたくない場合又は放出の開始を遅延させたい場合には、前記従来の複合体はその目的を達成することができなかった。カーボンナノホーンは、極微小な構造体であり、かつ通常は凝集した集合体として存在することを考えると、内包物質の放出制御を目的としたナノホーンのコーティング処理は容易ではない。また、内包物質が十分に充填された状態では、開孔部付近が内包物質ですでに占有されているので、さらに別の物質を開孔部付近に堆積等させて、開孔部を閉鎖することは困難であると予想された。



【特許文献1】
特開2005-41716号公報
【特許文献2】
特開2005-343885号公報
【非特許文献1】
Proc. Nat. Acad. Sci., 2004, 101, 8527
【非特許文献2】
J.Phys.Chem.,B109,17861(2005).

産業上の利用分野


本発明は、ナノ開孔を持つカーボンナノホーンにフラーレンのようなナノ物質と金属錯体など異なる物性を有する物質を複数内包させ、先に取込んだ物質を外部に放出させにくく内部で安定化させた物質内包カーボン複合体とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノ細孔を持つカーボンナノホーンからなる物質担体に内包された第1の機能性物質を備えた物質内包カーボン複合体に、前記ナノ細孔の開口径よりも大きな径を備えた第2の機能性物質を導入してなり、前記第1の機能性物質は、ナノ炭素材料、有機機能性分子、有機金属錯体の内の少なくとも1種から選択され、前記第2の機能性物質は、金属酢酸塩を含む物質からなるとともに、前記細孔を封じるキャップ効果の機能を有することを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体。

【請求項2】
請求項1に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体において、前記ナノ炭素材料は、フラーレン、金属内包フラーレン、ナノダイヤモンドの内の少なくとも一種であり、前記有機機能性分子は、TTF、TCNQの内の少なくとも一種であり、前記有機金属錯体は、フェロセン、フタロシアニンの内の少なくとも一種であることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体。

【請求項3】
請求項1又は2に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体において、前記金属がGd、Fe,Pt,Au、Cuを含むことを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体。

【請求項4】
請求項1乃至3の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体において、前記金属酢酸塩が、酢酸ガドリニウム、及び酢酸鉄の内の少なくとも一種を含むことを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体。

【請求項5】
請求項1乃至4の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体において、前記ナノ細孔の開口径は、1~2.5nmであり、前記物質担体は、内径が2~5nmであることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体。

【請求項6】
請求項1乃至5の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体において、前記第1の機能性物質は、外径が0.1~2.0nmであることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体。

【請求項7】
ナノ細孔を持つカーボンナノホーンからなる物質担体と、前記物質担体に内包された第1の機能性物質とを備えた物質内包カーボン複合体の前記物質担体に、更に、前記ナノ細孔の開口径よりも大きな径を備えた第2の機能性物質を、前記第1の機能物質が溶解困難である第2の溶媒に溶解して、前記物質内包カーボン複合体と液相で混合して導入することを含み、前記第1の機能性物質には、ナノ炭素材料、有機機能性分子、有機金属錯体の内の少なくとも1種を用い、前記第2の機能性物質には、前記細孔を封じるキャップ効果の機能を有するとともに金属酢酸塩を含む物質を用いることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法

【請求項8】
請求項7に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、前記ナノ炭素材料は、フラーレン、金属内包フラーレン、ナノダイヤモンドの内の少なくとも一種であり、前記有機機能性分子は、DEX、TTF、TCNQの内の少なくとも一種であり、前記有機金属錯体は、フェロセン、フタロシアニンの内の少なくとも一種であることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法。

【請求項9】
請求項7又は8に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、前記金属がGd、Fe,Pt,Au、Cuを含むことを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法

【請求項10】
請求項7乃至9の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、前記金属酢酸塩として、酢酸ガドリニウム及び酢酸鉄の少なくとも一種を含む物質を用いることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法。

【請求項11】
請求項7乃至10の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、前記物質担体として、内径が2~5nmのナノ炭素の壁面を酸化によって、径1~2.5nmのナノ細孔を開口させたものを用いることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法。

【請求項12】
請求項7乃至11のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、酸素ガスを含む雰囲気中で300℃以上の温度の加熱温度を調整することで、前記ナノ細孔の開口の前記開口径の大きさを制御することを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法。

【請求項13】
請求項7乃至12の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、前記第1の機能物質は径が0.1~2.0nmであるものを用いることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法。

【請求項14】
請求項7乃至13の内のいずれか一項に記載のキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法において、前記物質担体への前記第1の機能性物質の内包は、前記第1の機能物質を当該第1の機能性物質が可溶な第1の溶媒に溶解して前記物質担体と液相にて混合して当該物質担体に前記第1の機能性物質を内包させることによってなされていることを特徴とするキャップ効果を備えた物質内包カーボン複合体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006174226thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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