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分子素子 コモンズ

国内特許コード P110003766
整理番号 B63P01
掲載日 2011年6月29日
出願番号 特願2006-189807
公開番号 特開2008-021685
登録番号 特許第5120588号
出願日 平成18年7月10日(2006.7.10)
公開日 平成20年1月31日(2008.1.31)
登録日 平成24年11月2日(2012.11.2)
発明者
  • 真島 豊
  • 篠原 久典
  • 安武 裕輔
  • 今原 博和
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 分子素子 コモンズ
発明の概要 【課題】13K以上の高温においても、スイッチングの阻害要因となる金属内包フラーレンの熱的な回転を回避し、外部から電界を加えることによりスイッチングできる新規な分子素子を提供する。
【解決手段】分子素子10は、第1の電極1と、第1の電極1上に配置される自己組織化単分子膜2と、自己組織化単分子膜2上に配置される金属内包フラーレン3と、金属内包フラーレン3上に所定の距離を隔てて配置される第2の電極4と、を備え、自己組織化単分子膜の厚みが1.2nm以下である。自己組織化単分子膜2は、第1の電極1となる金属原子に化学吸着する第1の官能基と第1の官能基に結合する第2の官能基とから成る。この分子素子10は、65.1Kでスイッチング素子やメモリ素子として動作する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


半導体素子を微細化する技術が伸展しているが、その微細化には物理的な限界がある。この半導体素子の微細化限界を克服するための次世代素子として、所謂、機能性分子を用いた分子素子の研究が進められている。このような分子素子の材料としては、カーボンナノチューブやフラーレンが知られている。金属内包フラーレンは、炭素からなるフラーレン殻の内部に金属原子を内包した機能性分子である。フラーレン殻と内包金属原子との電荷交換により分子内に電子状態の偏りと極性、つまり、双極子モーメントを有しているため、金属内包フラーレンを用いたスイッチについて多くの研究者がその動作の確認を試みてきた。



本発明者等は、非特許文献1において、金属内包フラーレンを用いた分子素子のスイッチング現象を世界で最初に報告した。金属内包フラーレンを用いた分子素子は、Au(111)上にオクタンチオールからなる自己組織化単分子膜(SAM)を形成し、この膜構造上に金属内包フラーレンとしてTb@C82を配置した素子である。走査トンネル分光(STS)測定を行った結果、Tb@C82の双極子モーメントの配向に起因したスイッチング現象が、極低温の13Kで初めて観測された。観測した電流電圧特性においては、電圧の掃引方向の違いによるヒステリシスや負性微分コンダクタンスも観測された。この非特許文献1の金属内包フラーレンを用いた新規な分子素子は、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)2005において、半導体素子に代わる新規なロジックデバイスの候補として引用されている。



金属膜上に形成することができる自己組織化単分子膜として、ジチオカルバメート基及びその誘導体が非特許文献2に、β-シクロデキストリンチオール(Thiolated β-chyclodextrins)が非特許文献3に、ビオロゲン終端チオール(Viologen-terminated thiol)やフェロセン終端チオール(Ferrocene-terminated thiol)が非特許文献4に、N-(2-メルカプトエチル)-4-フェニルアゾベンゼンザミド(N-(2-mercaptoethyl)-4-phenylazobenzamide)が非特許文献5に、ジチオービスサクシニミジル終端チオール(Dithio-bis-succinimidyl-terminated thiol)が非特許文献6に、4’-メチル-1,1’-ビフェニル-4-ブタン(4'-methyl-1,1'-biphenyl-4-butane)が非特許文献7に、メルカプトアルカノール(Mercaptoalkanol)やメルカプトアルカン酸(Mercaptoalkanoic Acid)が非特許文献8に、アミド終端チオール(amide-terminated thiol)、アミノ終端チオール(amino-terminated thiol)、3-アミノチオールフェノール(3-aminothiolphenol)が非特許文献9に、メチルキサンテート(methyl xanthate)、エチルキサンテート(ethyl xanthate)、ブチルキサンテート(buthyl xanthate)などのキサンテート基を有する自己組織化単分子膜が非特許文献10において、それぞれ報告されている。



【非特許文献1】
Y. Yasutake, Z. Shi, T. Okazaki, H. Shinohara, and Y. Majima, “Single Molecular Orientation Switching of an Endohedral Metallofullerene", Nano Letters, 5, pp.1057-1060, 2005
【非特許文献2】
Y. Zhao,他3名, Journal of the American Chemical Society, 127, pp.7328-7329, 2005
【非特許文献3】
J.-Y. Lee, 他1名, Journal of Physical Chemistry B, 102, pp.9940-9945, 1998
【非特許文献4】
R. A. Wassel, 他3名, Nano Letters 3, pp.1617-1620, 2003
【非特許文献5】
S. Yasuda, 他3名, Journal of the American Chemical Society, 125, pp.16430-16433, 2003
【非特許文献6】
P. Wagner, 他4名, Biophysical Journal 70, pp.2052-2066, 1996
【非特許文献7】
B. Lussem, 他5名, Langmuir, 22, pp.3021-3027, 2006
【非特許文献8】
D. A. Hutt, 他1名, Langmuir, 13, pp.2740-2748, 1997
【非特許文献9】
A. E. Hopper, 他3名, Surface and Interface Analysis, 31, pp.809-814, 2001
【非特許文献10】
P. Talonen, 他4名, Phys. Chem. Chem. Phys., 1, pp.3361-3666, 1999

産業上の利用分野


本発明は、ナノメートル(nm)単位の大きさを有する電子デバイス及び光デバイスに係り、より詳細にはスイッチング素子や記憶素子として有用な分子素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の電極と、該第1の電極上に配置される自己組織化単分子膜と、自己組織化単分子膜上に配置される金属内包フラーレンと、該金属内包フラーレン上に所定の距離を隔てて配置される第2の電極と、を備え、
上記自己組織化単分子膜がジエチルジチオカルバメート又はその誘導体からなり、上記自己組織化単分子膜が1.2nm以下の厚みであることにより、上記金属内包フラーレンの熱的な回転を回避させる、分子素子。

【請求項2】
前記分子素子が、スイッチング素子である、請求項に記載の分子素子。

【請求項3】
前記分子素子が、メモリ素子である、請求項に記載の分子素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006189807thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成15年度採択課題
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