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軟磁性Fe基金属ガラス合金 コモンズ

国内特許コード P110003776
整理番号 B37P14
掲載日 2011年6月29日
出願番号 特願2006-198792
公開番号 特開2008-024985
登録番号 特許第4319206号
出願日 平成18年7月20日(2006.7.20)
公開日 平成20年2月7日(2008.2.7)
登録日 平成21年6月5日(2009.6.5)
発明者
  • 井上 明久
  • 沈 宝龍
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 軟磁性Fe基金属ガラス合金 コモンズ
発明の概要


【課題】従来のFe系軟磁性金属ガラス合金は、飽和磁化が小さく、変圧器やモーター用
途の要求を満たさない。また、Gaを使用しているものは、コストが高い。したがって、
実用化を進めるために、ガラス形成能及び初期透磁力、保磁力、飽和磁化などの軟磁気特
性の改善、並びに、原材料や製造工程のコストの低減が強く求められている。
【解決手段】組成が、式;Fe79-xMo10Si(x=2~5at%
)で示され、過冷却液体の温度間隔ΔTxが40K以上、直径又は厚さが1.5mm~4
mmでガラス相の体積分率が100%であり、保磁力(Hc)が1.5~2.1A/m、飽
和磁化(Is)が1.14T~1.39T、1kHz、1A/mでの初期透磁率(μ)
が18600~20920であることを特徴とする軟磁性Fe基金属ガラス合金。銅鋳型
鋳造法により製造された棒材又は板材を磁心材料として用いることができる。
【選択図】 図7

従来技術、競合技術の概要


多元素合金のある種のものは、組成物を溶融状態から急冷するとき、結晶化せず、一定
の温度幅を有する過冷却液体状態を経過してガラス状固体に転移する性質を有していて、
この種の非晶質合金は「金属ガラス合金」(glassy alloy)と呼ばれている。



「金属ガラス合金」は加熱によって明瞭なガラス転移が観察され、結晶化温度までの過
冷却液体領域の温度範囲が数十Kにも達する。この物性を備えることにより初めて、冷却
速度の遅い銅金型等に鋳込む方法によってバルク状のアモルファス合金を作ることができ
るようになった。このようなアモルファス合金が、特に、「金属ガラス」と呼ばれている
のは、金属でありながら、酸化物ガラスのように安定な非晶質で、高温で容易に塑性変形
(粘性流動)できるためである。



「金属ガラス合金」は、ガラス形成能が高い、すなわち、ガラス相からなる、より寸法
の大きな、いわゆるバルクの金属鋳造体を銅金型鋳造法等により溶湯から過冷却液体状態
において冷却凝固して製造できる特性を有するものであり、また、過冷却液体状態に加熱
して塑性加工できる特性を有するものであり、これらの特性を有しない従来の薄帯やファ
イバーなどの「アモルファス合金」とは本質的に異なる材料であり、その有用性も非常に
大きい。



本発明者らが1995年にFe-(Al,Ga)系の軟磁性Fe基金属ガラス合金を報
告(非特許文献1、特許文献1~3)して以来、機能材料(非特許文献2~6)及び構造
材料(非特許文献7~10)として多数のFe基金属ガラス合金が開発された。



軟磁性Fe基金属ガラス合金は2つのグループに区別できる。一つは、Fe-P-C系
金属ガラス合金グループであり、他方は、新しく開発されたFe-B-Si系金属ガラス
合金グループである。Fe-B-Si系金属ガラス合金は、直径又は厚さ2~5mmの金
属ガラス棒材に鋳造できる高いガラス形成能を有しているが、B、Siの含有量を多くす
る必要があり、Fe含有量が少ない(65at%未満)ので、飽和磁化(Is)は0.8
~1.1Tとそれほど大きくなく、センサ用途としては有用であるが、電力変圧器やモー
ターへは適用できない。



低いヒシテリシス損失及び高いIsが電磁的エネルギー転換機器の低鉄損コアに必要な
基本的な特性であり、Fe基軟磁性金属ガラス合金は通常の多結晶Fe(Si)合金によ
り製造されたものより低鉄損のコアを提供すべくその潜在可能性について研究されている
。それゆえ、Fe-B-Si系金属ガラス合金と比べて、先行して開発されたFe-P-
C系金属ガラス合金は、1.3~1.4T(非特許文献3,11)の高いIsを示すので
、磁気コア材としての応用は、より潜在可能性がある。



しかしながら、Fe-P-C基金属ガラス合金の多くは、非常に高価なGaを含有して
おり、そのコストは合金のコストの90%を占める。Gaは、また、保磁力(Hc)の好
ましくない増加をもたらす(非特許文献12)。さらにガラス形成能はそれほど大きくな
く、銅鋳型鋳造法により製造されたFe-P-C基金属ガラス合金の最大直径又は厚さは
2.5mmである(非特許文献3,11)。



一つのFeCrMoGaPCBSi金属ガラス合金はより大きなガラス形成能を示し、
フラックス溶融及び水急冷で直径又は厚さ4mmまでの金属ガラス合金を製造できるけれ
ども、この方法は、複雑であり、Isは低い(1T未満)。本発明者等は,これまで軟磁
性Fe基金属ガラス合金の開発を精力的に行なってきた(特許文献4~10)。特に、特
許文献9に示されるFe-B-Si系金属ガラス合金は1.4T以上の飽和磁化を有し、
保磁力が3.5~3.0A/mであり、Nbを1at%を含有する合金は、図8に示す磁
化曲線に示す優れた軟磁気特性を有している。また、本発明者らは、組成がFe76-y
{(Si(P[M;Nb,Mo、19≦x≦30,0≦y
≦6]で示される金属ガラス合金に係わる発明について特許出願した(特許文献11)。
この組成に含まれる式Fe74Si7.210.83.20.8Moの粒子材(
実施例3-3)は、ΔTxが48.4K、Bs(T)は1.28であるが、図9の磁化曲
線に示されるとおり、Nbを1at%を含有する合金(実施例1-3)に比べて軟磁気特
性はよくなかった。




【非特許文献1】A.Inoue,Y.Shinomiya,andJ.S.Gook,Mater.Trans.,JIM 36,1427(1995)

【非特許文献2】T.D.Shen and R.B.Schwarz,Apppl.Phys.Lett.75,49(1999)

【非特許文献3】B.L.Shens and A.Inoue,Mater.Trans.,43,1235(20002)

【非特許文献4】P.Paliwk,H.A.Davies,and M.R.J.Gibbs,Mater.Sci.Eng.,A 375-377,372(2004)

【非特許文献5】R.B.Schwarz,T.D.Shen,U.Harms,and T.Lillo,J.Magn Magn.Mater.283,233(2004)

【非特許文献6】M.Stoica,S.Roth,J.Eckert,L.Scultz,and M.D.Baro,J.Magn.Magn.Mater.290-291,1480(2005)

【非特許文献7】V.Ponnambalam,S.J.Poon,and G.J.Shiflet,J.Mater.Res.19,1320(2004)

【非特許文献8】Z.P.Lu,C.T.Liu,J.R.Thompson,and W.D.Porter,Phys.Rev.Lett.92,245503(2004)

【非特許文献9】A.Inoue,B.L.Shen,and C.T.Chang ,Acta Mater.52,4093(2004)

【非特許文献10】B.L.Shen,A.Inoue,and C.T.Chang ,Apppl.Phys.Lett.85,4911(2004)

【非特許文献11】B.L.Shen,M.Akiba,ans A.Inoue,Phys.Rev.B 73,104204(2006)

【非特許文献12】T.Mizhushima,A.Makino,and A.Inoue,J.Appl.Phys.83,6329(1998)

【特許文献1】特開平9-320827号公報

【特許文献2】特開平11-71647号公報

【特許文献3】特開2001-152301号公報

【特許文献4】特開平11-131199号公報

【特許文献6】特開2000-256812号公報

【特許文献7】特開2002-105607号公報

【特許文献8】特開2002-194514号公報

【特許文献9】特開2003-253408号公報

【特許文献10】特開2005-256038号公報

【特許文献11】特開2005-290468号公報

産業上の利用分野


本発明は、高飽和磁化で、軟磁気特性に優れた軟磁性Fe基金属ガラス合金に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
組成が、式;Fe79-xMox1044Si3(x=2~5at%)で示され、
過冷却液体の温度間隔ΔTxが40K以上、直径又は厚さが1.5mm~4mmでガラス
相の体積分率が100%であり、保磁力(Hc)が1.5~2.1A/m、飽和磁化(Is
)が1.14T~1.39T、1kHz、1A/mでの初期透磁率(μe) が18600
25230であることを特徴とする軟磁性Fe基金属ガラス合金。

【請求項2】
銅鋳型鋳造法により製造された請求項1記載のFe基金属ガラス合金の棒材又は板材から
なることを特徴とする磁心材料。
産業区分
  • 冶金、熱処理
  • 合金
  • 鋳造
  • 磁性材料
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006198792thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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