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画像特徴抽出方法および画像圧縮方法

国内特許コード P110003784
整理番号 K076P09
掲載日 2011年6月29日
出願番号 特願2006-211219
公開番号 特開2008-042335
登録番号 特許第4649635号
出願日 平成18年8月2日(2006.8.2)
公開日 平成20年2月21日(2008.2.21)
登録日 平成22年12月24日(2010.12.24)
発明者
  • 中村 佳正
  • 岩崎 雅史
  • 小幡 雅彦
  • 近藤 弘一
  • 笹田 昇平
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 学校法人同志社
発明の名称 画像特徴抽出方法および画像圧縮方法
発明の概要 【課題】同一の圧縮率で常にJPEGよりも美しい圧縮を実現することが可能な画像特徴抽出方法を提供すること。
【解決手段】本発明の画像特徴抽出方法は、与えられた画像に対してk分割化処理を少なくとも1回実行することにより、該与えられた画像を多分割画像に変換するステップを包含し、該k分割化処理は、a)画像行列Xに基づいて、行列Tを作成するステップと、b)行列Tの特異値を計算するステップと、c)min|σ-σj-1|>εが成立するか否かを判定するステップと、ステップc)の判定結果が「No」である場合には、拡大行列Tαの特異値を計算する処理を行った後、ステップc)に戻るステップと、e)ステップc)の判定結果が「Yes」である場合には、T=USVとなるUを求めるステップと、f)行列T=UTを求めるステップと、g)行列Tに基づいて、画像行列Xを作成するステップとを包含する。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


ハードウェアの進歩に伴い、コンピュータやデジタルカメラ・プリンタなどの周辺機器で扱うことができる画像は、今や超精密アナログカメラの画質レベルに匹敵する。当然、画像がもつデータ量も増大するため、細部にわたる忠実さよりも表示速度が重視される場面では画像圧縮は必要不可欠な技術である。もちろん、画像圧縮によりデータ量を削減するだけでなく、原画像との違いは人間の視覚では、できる限り確認できないのが理想である。同時に、記憶領域を小さくできれば、メモリやハードディスクなどの計算機資源が有効に活用できる。



Webサイトでは、一般的にGIFやJPEG、PNGといった形式で圧縮された画像が利用されている。これらは、BMP画像のような非圧縮画像に比べてファイルサイズが格段に抑えられるため、高いアクセス性が求められるWebサイトには適している。また、ネットワークを介して画像データを送受信する際も画像圧縮技術は重宝されることが多い。



画像は、コンピュータ内部でピクセルごとに色の濃淡が数値化される。例えば、縦mピクセル、横nピクセルの256階調グレースケール画像Xは、成分に[0,255]の整数値をもつm×n行列として表現される。



【数1】


ただし、xは[0,255]の整数値である。



以下では画像と行列を同一視して表す。RGBカラー画像は、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の3色について濃淡情報をそれぞれグレースケール画像と同様の行列形式で保持している。よって、簡単化のため、以下、グレースケール画像を対象とする。



画像Xに対して2次元離散ウェーブレット変換、または、ブロック化+特異値分解を1度実行すれば、左上(m/2)×(n/2)ピクセルには画像Xを1/2倍したような画像Xが生成される。右上には縦方向、左下には横方向、右下には斜め方向のエッジを抽出したような画像が現れる。同様に、Xの4分割、すなわち、X→(縮小近似画像X)+(縦方向のエッジ抽出画像)+(横方向のエッジ抽出画像)+(斜め方向のエッジ抽出画像)、Xを4分割、・・・、Xを4分割というように分割を繰り返せば多分割画像が作成できるが、これが画像圧縮における基本的な工程となる[1]。画像の多分割化後は、SPIHT[5]などでコーディングすればよい。なお、離散コサイン変換による画像圧縮でもXのブロック化は伴うが、ブロック特異値分解のような画像の4分割は行われない。量子化やハフマン符号によるコーディングが施され、データ量も小さく拡大縮小にも強い圧縮画像が得られるが、原画像を復元できない不可逆変換ということには注意が必要である[2]。



ブロック特異値分解による多分割アルゴリズムが、Kakarala-Ogunbona[3]によって提案されている。このアルゴリズムと離散ウェーブレット変換を併用したハイブリット型アルゴリズムも報告されている[1]。指紋のような特別な性質をもつ画像では、JPEGやJPEG2000として実用化されている離散コサイン変換や離散ウェーブレット変換よりも、ハイブリット型アルゴリズムによって、より自然な画質で画像圧縮できることも知られている。ブロック特異値分解による画像圧縮には様々な可能性が秘められており、さらなる数値的な検証がなされるべきである。
【非特許文献1】
[1]Ashino,R.,Morimoto,A.,Nagase,M.,and Vaillancourt,R.:Image compression with multiresolution singular value decomposition and other methods,Math. Comput. Model.,Vol.41,pp.773.790(2005)
【非特許文献2】
[2]越智宏,黒田秀夫: JPEG & MPEG 図解でわかる画像圧縮技術,日本実業出版社(2006)
【非特許文献3】
[3]Kakarala,R.,and Ogunbona,O.P.:Signal analysis using a multiresolution form of the singular value decomposition,IEEE Trans.Image Process.,Vol.10,pp.724.735(2001)
【非特許文献4】
[4]Iwasaki,M.,and Nakamura,Y.:Accurate computation of singular values in terms of shifted integrable schemes,(submitted)
【非特許文献5】
[5]Said,A.,and Pearlman,A.W.:A new fast and efficient image codec based on set partitioning in hierarchical trees,IEEE Trans. on Circuits and Systems for Video Technology,Vol.6,pp.243.250(1996)
【非特許文献6】
[6]高田雅美,木村欣司,岩崎雅史,中村佳正:高速特異値分解のためのライブラリ開発,投稿中
【非特許文献7】
[7]Parlett,B.N.,and Marques,O.A.:An implementation of the dqds algorithm(positive case),Lin.Alg.Appl.,Vol.309,pp.217.259(2000)

産業上の利用分野


本発明は、同一の圧縮率で常にJPEGよりも美しい圧縮を実現することが可能な画像圧縮方法およびそれに適した画像特徴抽出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
画像の特徴を抽出する画像特徴抽出方法であって、
与えられた画像に対してk(kは2以上の任意の整数)分割化処理を少なくとも1回実行することにより、該与えられた画像を多分割画像に変換するステップを包含し、
該k分割化処理は、
a)画像行列Xに基づいて、行列Tを作成するステップと、
b)行列Tの特異値σ,σ,・・・,σk^2を計算するステップであって、σ≧σ≧・・・≧σk^2である、ステップと、
c)min|σ-σj-1|>εが成立するか否かを判定するステップであって、εはマシンイプシロン以上の定数である、ステップと、
d)ステップc)の判定結果が「No」である場合には、拡大行列Tαの特異値を計算する処理を行った後、ステップc)に戻るステップと、
e)ステップc)の判定結果が「Yes」である場合には、T=USVとなるUを求めるステップであって、S=diag(σ,σ,・・・,σk^2),Uは直交行列、Vは直交行列である、ステップと、
f)行列T=UTを求めるステップと、
g)行列Tに基づいて、画像行列Xを作成するステップと
を包含し、
ステップd)における拡大行列Tαの特異値を計算する処理は、
画像行列Xの少なくとも一辺の少なくとも一部に付けられる少なくともk×kのサイズを有するふちと行列Tとに基づいて、拡大行列Tαを作成するステップと、
拡大行列Tαの特異値σ,σ,・・・,σk^2を計算するステップであって、σ≧σ≧・・・≧σk^2である、ステップと
を包含する、画像特徴抽出方法。

【請求項2】
画像の特徴を抽出する画像特徴抽出方法であって、
与えられた画像に対してk(kは2以上の任意の整数)分割化処理を少なくとも1回実行することにより、該与えられた画像を多分割画像に変換するステップを包含し、
該k分割化処理は、
a)画像行列Xに基づいて、行列Tを作成するステップと、
b)行列Tの特異値分解T=USVを求めるステップであって、S=diag(σ,σ,・・・,σk^2),σ,σ,・・・,σk^2は、σ≧σ≧・・・≧σk^2を満たすTの特異値、Uは直交行列、Vは直交行列である、ステップと、
c)min|σ-σj-1|>εが成立するか否かを判定するステップであって、εはマシンイプシロン以上の定数である、ステップと、
d)ステップc)の判定結果が「No」である場合には、拡大行列Tαの特異値分解を実行する処理を行った後、ステップc)に戻るステップと、
e)ステップc)の判定結果が「Yes」である場合には、行列T=UTを求めるステップと、
f)行列Tに基づいて、画像行列Xを作成するステップと
を包含し、
ステップd)における拡大行列Tαの特異値分解を実行する処理は、
画像行列Xの少なくとも一辺の少なくとも一部に付けられる少なくともk×kのサイズを有するふちと行列Tとに基づいて、拡大行列Tαを作成するステップと、
拡大行列Tαの特異値分解Tα=USVを求めるステップであって、S=diag(σ,σ,・・・,σk^2),σ,σ,・・・,σk^2は、σ≧σ≧・・・≧σk^2を満たすTαの特異値、Uは直交行列、Vは直交行列である、ステップと
を包含する、画像特徴抽出方法。

【請求項3】
前記画像は、グレースケール画像またはカラー画像である、請求項1または2に記載の画像特徴抽出方法。

【請求項4】
前記Tおよび前記Tαの特異値分解が浮動小数点演算で行われる、請求項1または2に記載の画像特徴抽出方法。

【請求項5】
前記Tおよび前記Tαの特異値分解が整数演算で行われる、請求項1または2に記載の画像特徴抽出方法。

【請求項6】
前記k分割化処理とウェーブレット変換などの既知のk分割化処理とを併用することにより、前記与えられた画像行列Xが多分割画像に変換される、請求項1または2に記載の画像特徴抽出方法。

【請求項7】
画像を圧縮する画像圧縮方法であって、
与えられた画像に対してk(kは2以上の任意の整数)分割化処理を少なくとも1回実行することにより、該与えられた画像を多分割画像に変換するステップと、
該多分割画像に対してデータ圧縮処理を行うことにより、圧縮画像を作成するステップと
を包含し、
該k分割化処理は、
a)画像行列Xに基づいて、行列Tを作成するステップと、
b)行列Tの特異値σ,σ,・・・,σk^2を計算するステップであって、σ≧σ≧・・・≧σk^2である、ステップと、
c)min|σ-σj-1|>εが成立するか否かを判定するステップであって、εはマシンイプシロン以上の定数である、ステップと、
d)ステップc)の判定結果が「No」である場合には、拡大行列Tαの特異値を計算する処理を行った後、ステップc)に戻るステップと、
e)ステップc)の判定結果が「Yes」である場合には、T=USVとなるUを求めるステップであって、S=diag(σ,σ,・・・,σk^2),Uは直交行列、Vは直交行列である、ステップと、
f)行列T=UTを求めるステップと、
g)行列Tに基づいて、画像行列Xを作成するステップと
を包含し、
ステップd)における拡大行列Tαの特異値を計算する処理は、
画像行列Xの少なくとも一辺の少なくとも一部に付けられる少なくともk×kのサイズを有するふちと行列Tとに基づいて、拡大行列Tαを作成するステップと、
拡大行列Tαの特異値σ,σ,・・・,σk^2を計算するステップであって、σ≧σ≧・・・≧σk^2である、ステップと
を包含する、画像圧縮方法。

【請求項8】
画像を圧縮する画像圧縮方法であって、
与えられた画像に対してk(kは2以上の任意の整数)分割化処理を少なくとも1回実行することにより、該与えられた画像を多分割画像に変換するステップと、
該多分割画像に対してデータ圧縮処理を行うことにより、圧縮画像を作成するステップと
を包含し、
該k分割化処理は、
a)画像行列Xに基づいて、行列Tを作成するステップと、
b)行列Tの特異値分解T=USVを求めるステップであって、S=diag(σ,σ,・・・,σk^2),σ,σ,・・・,σk^2は、σ≧σ≧・・・≧σk^2を満たすTの特異値、Uは直交行列、Vは直交行列である、ステップと、
c)min|σ-σj-1|>εが成立するか否かを判定するステップであって、εはマシンイプシロン以上の定数である、ステップと、
d)ステップc)の判定結果が「No」である場合には、拡大行列Tαの特異値分解を実行する処理を行った後、ステップc)に戻るステップと、
e)ステップc)の判定結果が「Yes」である場合には、行列T=UTを求めるステップと、
f)行列Tに基づいて、画像行列Xを作成するステップと
を包含し、
ステップd)における拡大行列Tαの特異値分解を実行する処理は、
画像行列Xの少なくとも一辺の少なくとも一部に付けられる少なくともk×kのサイズを有するふちと行列Tとに基づいて、拡大行列Tαを作成するステップと、
拡大行列Tαの特異値分解Tα=USVを求めるステップであって、S=diag(σ,σ,・・・,σk^2),σ,σ,・・・,σk^2は、σ≧σ≧・・・≧σk^2を満たすTαの特異値、Uは直交行列、Vは直交行列である、ステップと
を包含する、画像圧縮方法。

【請求項9】
前記画像は、グレースケール画像またはカラー画像である、請求項7または8に記載の画像圧縮方法。

【請求項10】
前記Tおよび前記Tαの特異値分解が浮動小数点演算で行われる、請求項7または8に記載の画像圧縮方法。

【請求項11】
前記Tおよび前記Tαの特異値分解が整数演算で行われる、請求項7または8に記載の画像圧縮方法。

【請求項12】
前記k分割化処理とウェーブレット変換などの既知のk分割化処理とを併用することにより、前記与えられた画像行列Xが多分割画像に変換される、請求項7または8に記載の画像圧縮方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築 領域
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