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フラーレン高分子複合体とその製造方法 コモンズ

国内特許コード P110003797
整理番号 E071P10
掲載日 2011年6月29日
出願番号 特願2006-238368
公開番号 特開2008-056864
登録番号 特許第4489741号
出願日 平成18年9月1日(2006.9.1)
公開日 平成20年3月13日(2008.3.13)
登録日 平成22年4月9日(2010.4.9)
発明者
  • 河内 岳大
  • 熊木 治郎
  • 大越 研人
  • 八島 栄次
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 フラーレン高分子複合体とその製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】
本発明は、フラーレンを化学修飾すること無しに、難溶性であるフラーレンを相分離することなく合成高分子中に均一に多量に分散させたフラーレン含有高分子材料、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、合成高分子とフラーレンとの複合体とその製造法に関する。特にシンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマー、又はシンジオタクチックポリアクリレート系ポリマーのらせんコンフォメーションの内部にフラーレンを包接したフラーレン高分子複合体、及びその製造法に関する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


フラーレンは化学的、熱的に安定な球状分子であり、光エネルギーを吸収し易い、良好な電子受容性を示す、高いラジカル補足能を有する等の特徴がある。電子移動能を利用したエネルギーデバイス分野、感光性を利用した電子材料分野、樹脂やフィルムへの添加による熱特性や機械特性を利用した材料への応用など、ナノテクノロジーの中心材料として多くの用途分野への適用が活発に行なわれている。
フラーレンを産業用の材料として用いる場合には、フラーレンを分散させるために高分子材料との複合化が重要となり、多くの検討が行なわれている。例えば、フラーレンを種々の合成高分子にドープすることで、電気特性、光特性、磁気的特性、機械特性、熱安定性等が劇的に変化することが報告されている(非特許文献1参照)。



しかしながら、フラーレンは凝集力が強く、一般にフラーレンと高分子を混合するだけでは、フラーレンは高分子中で相分離して不定形の凝集体を形成してしまい、高濃度で配合することは困難であり、フラーレンの優れた電気、光、磁気特性を高度に活用することができない。そこで、フラーレンを高濃度で溶解させ、規則正しい構造に配列するために、フラーレンの化学修飾や高分子に化学結合させることが検討されて来た(非特許文献2参照)。例えば、フラーレンに(メタ)アクリロイル基などの不飽和結合を有する基を導入して、これを共重合させる方法(特許文献1及び2参照)、フラーレン化合物とヘテロ環を側鎖に有する高分子化合物とをディールスアルダー反応させることによりフラーレン含有高分子化合物とする方法(特許文献3参照)、ポリエチレングリコールのポリマー鎖セグメントをコア部とし、ポリ(メタクリル酸アルキルアミノエチル)のポリマー鎖セグメントをシェル部とするブロックコポリマーをベースとする微小粒子にフラーレンを内包させる方法(特許文献4参照)、ポリチオフェン、ポリピロール又はポリフランから選ばれる立体規則性ポリマーと、エステル基、イミノ基、アルキル基、アラルキル基、チオフェニル基から選ばれた官能基を少なくとも1つ以上含有する基で変性されたフラーレン変性物とを含有してなる電荷輸送性複素環高分子からなる固体層を有する光電変換素子に関するもの(特許文献5参照)、重合性単量体残基にアルキル化されたフラーレン結合させ、これを共重合してなるフラーレン共重合体に関するもの(特許文献6参照)などが報告されている。
これらの方法は、化学結合などでフラーレンを高分子中に固定化しようとするものであるが、このためには繁雑な化学反応が必要であり、必然的にコストが高くなるという問題があった。



また、近年になって、天然物由来の高分子であるシゾフィランは、フラーレン等をらせん構造の内側に取り込むことが報告されてきた(非特許文献3参照)。しかし、どのような機構で取り込まれるか、また他の材料においてもフラーレンの取り込みが可能であるかということについては言及されておらず、しかも非特許文献3の方法は、天然物由来の高分子であるシゾフィランを使用するものであり、天然高分子では加工性や安定性に課題があり、産業用の材料としての応用には制約が多い。
一方、シンジオタクチックポリメタクリル酸メチル(以下、st-PMMAと標記する。)はトルエン中で18/1程度のゆるく巻いたらせん構造を取り、その内側の直径約1nmの空間にトルエンやアセトンなどの低分子の溶媒分子を取り込んだらせん構造を形成して、ゲル化・結晶化することが知られている。このst-PMMA-溶媒複合体はその溶媒を除去すると、st-PMMAがらせん構造を保持できなくなり、結晶構造が壊れ、アモルファスになることも報告されている(非特許文献4、5参照)。




【特許文献1】特開平8-283199号公報

【特許文献2】特開平8-239209号公報

【特許文献3】特開平9-188726号公報

【特許文献4】特開2005-113090号公報

【特許文献5】特開2005-116617号公報

【特許文献6】特開2006-56966号公報

【非特許文献1】C. Wang, et al., Prog. Polym. Sci. 29, 1079-1141, 2004

【非特許文献2】Ball, Z. T.; Sivula, K.; Frechet, J. M. J., Macromolecules 2006, 39, 70-72.

【非特許文献3】池田,伊藤ら,第55回高分子年次大会予稿集, 第1888頁.

【非特許文献4】Kusuyama, H.; Takase, M.,et al, Polymer 1982, 23, 1256-1258.

【非特許文献5】Kusuyama, H.; Miyamoto, N., et al., Polymer 1983, 24, 119-122.

産業上の利用分野


本発明は、合成高分子とフラーレンとの複合体とその製造法に関する。特にシンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマー、又はシンジオタクチックポリアクリレート系ポリマーのらせんコンフォメーションの内部にフラーレンを包接したフラーレン高分子複合体、及びその製造法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマー又はシンジオタクチックポリアクリ
レート系ポリマーのらせん構造の内部にフラーレンを包接させてなる、フラーレンの含有量が5重量%以上であるフラーレン含有高分子複合体。

【請求項2】
シンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマーが、シンジオタクチックポリメチル
メタクリレートである請求項に記載のフラーレン含有高分子複合体。

【請求項3】
フラーレン含有高分子複合体が、それぞれの単体とは異なる融点、及び/又はそれぞれ
の単体とは異なる結晶構造を持つことを特徴とする請求項1又は2に記載のフラーレン含有高分子複合体。

【請求項4】
フラーレンが、炭素数60以上のフラーレンである請求項1~のいずれかに記載のフラーレン含有高分子複合体。

【請求項5】
シンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマー又はシンジオタクチックポリアクリ
レート系ポリマーと、フラーレンを共通溶媒に溶解させた後、溶媒を除去することからな
、該ポリマーのらせん構造の内部にフラーレンが包接されたものであり、フラーレンの含有量が5重量%以上であるフラーレン含有高分子複合体を製造する方法。

【請求項6】
シンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマー又はシンジオタクチックポリアクリ
レート系ポリマーの良溶媒であり、当該ポリマーの溶液が時間経過又は温度変化でゲル化
することを特徴とする溶媒を共通溶媒として用いる請求項に記載の方法。

【請求項7】
ンジオタクチックポリメタクリレート系ポリマー又はシンジオタクチックポリアクリレート系ポリマー、及びフラーレンをそれぞれ別の溶媒に溶解した後、両者を混合させた後、溶媒を除去することからなる、該ポリマーのらせん構造の内部にフラーレンが包接されたものであり、フラーレンの含有量が5重量%以上であるフラーレン含有高分子複合体を製造する方法。

【請求項8】
溶媒又は共通溶媒が、トルエン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモ
ベンゼン、ベンゼン、酢酸ブチル、及びジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる少
なくとも1種又はこれらの混合物である請求項6又は7に記載の方法。
産業区分
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 八島超構造らせん高分子プロジェクト 領域
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