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ジオール又はポリジオールの製法 コモンズ

国内特許コード P110003810
整理番号 BE060P12
掲載日 2011年6月30日
出願番号 特願2006-268796
公開番号 特開2008-088082
登録番号 特許第5000251号
出願日 平成18年9月29日(2006.9.29)
公開日 平成20年4月17日(2008.4.17)
登録日 平成24年5月25日(2012.5.25)
発明者
  • 細野 秀雄
  • ブッチャマガリ ハリタ
  • 戸田 喜丈
  • 平野 正浩
  • 小坂田 耕太郎
  • 竹内 大介
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 ジオール又はポリジオールの製法 コモンズ
発明の概要


【課題】高価かつ有害な金属化合物又は金属塩を用いることなく、かつ、従来法のように
不活性ガス雰囲気下に制限されずに、カルボニル化合物を原料として、ジオール又はポリ
ジオールを合成するする新規な還元的カップリング反応を提供すること。
【解決手段】ケージ内に、1019cm-3超、2.3×1021cm-3未満の電子含む
12CaO・7Alエレクトライドを還元剤として用い、カルボニル化合物を水、
有機溶媒、又は水―有機混合溶媒中において還元的カップリングさせることを特徴とする
ジオール又はポリジオールの製法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


カルボニル化合物の還元的カップリング反応によるジオールの合成については、マグネ
シウムアマルガム、アルミニウムアマルガムや、ヨウ化サマリウム、塩化バナジウムなど
の金属化合物又は金属塩が還元剤として機能することが知られている(非特許文献1)。
しかし、該金属化合物又は金属塩は、高価かつ有害であり、さらに、不活性ガス雰囲気下
での無水有機溶媒中で反応を行う必要がある。このため、該金属化合物又は金属塩を用い
た反応は、簡便かつ環境に優しい還元方法としては極めて不満足なものであった。また、
還元剤として金属カルシウムを用い有機溶媒中で反応を行う方法も知られている(特許文
)。



1970年にH.B.Bartlらは、12CaO・7Al(以下、「C12A
7」と記す)結晶が2分子を含む単位胞にある66個の酸素イオンの内2個が、結晶中に
存在するケージ内空間に「フリー酸素」として包接されているという、特異な結晶構造を
持つことを示した(非特許文献2)。以降、このフリー酸素イオンが種々の陰イオンで置
換できることが明らかにされた。特に、強い還元雰囲気にC12A7を保持すると、すべ
てのフリー酸素を電子で置き換えることができる。フリー酸素を電子で置き換えたC12
A7:e-は、エレクトライドとみなすことができる。



エレクトライド化合物は、J.L.Dyeがはじめて提案した概念であり(非特許文献
3)、クラウンエーテルを陽イオンとして、電子を陰イオンとした化合物などではじめて
実現した。エレクトライドは、陽イオンとして含まれる電子のホッピングにより電気伝導
性を示すことが知られている。その後いくつかの有機エレクトライドが見出されたが、こ
れらの化合物は、いずれも、マイナス100℃程度以下の低温でのみ安定であり、空気や
水と反応する著しく不安定な化合物である。



本発明者らは、電気伝導性C12A7及び同型化合物とその製造法に関する発明を特許
出願した(特許文献2)。また、C12A7単結晶をアルカリ金属又はアルカリ土類金属
蒸気中で、高温でアニールすること、不活性イオンをイオン打ち込みすること、または、
還元雰囲気で、融液から直接固化することで、10S/cm未満の電気伝導度を有する
C12A7化合物が得られることを見出し、これらに関する発明を特許出願した(特許文
献3)。さらに、C12A7単結晶をチタン金属(Ti)蒸気中でアニールし、金属電気
伝導性を示すC12A7を得ることに成功し、その製法及び電子放出材料としてのその用
途に関する発明を特許出願した(特許文献4)。



これらの良電気伝導性を示すC12A7化合物は、該化合物中のフリー酸素イオンがほ
とんど全て電子で置換されたものであり、実質的に[Ca24Al2864]4+(4e
)と記述され、無機エレクトライド化合物とみなすことができる(非特許文献4)。



C12A7エレクトライドに包接される電子は、陽イオンと緩く結合しているために、
電場印加または化学的な手段により、外部に取り出すことができる。外部に取り出された
電子は、還元反応に用いることができると考えられるが、C12A7エレクトライドに包
接される電子を直接、還元反応に応用した例は知られていない。




【非特許文献1】G.M.Robertson Comprehensive Organic Synthesis 3,563(1991)

【非特許文献2】H.B.Bartl,T,Scheller and N.Jarhrb Mineral Monatsh 1970,547

【非特許文献3】F.J.Tehan,B.L. Barret,J.L.Dye J.Am.Chem.Socity 124,1170(1974)

【非特許文献4】S.Matsuishi,Y.Toda,M.Miyakawa,K.Hayashi,T.Kamiya,M.Hirano,I.Tanaka and H.Hosono,Science 301 626-629(2003)

【特許文献1】特開2002-265391号公報

【特許文献2】WO2005/000741

【特許文献3】特開2004-26608号公報

【特許文献4】特願2005-339538

産業上の利用分野


本発明は、12CaO・7Alエレクトライドを還元剤として用いたカルボニル
化合物の還元的カップリング反応によるジオール又はポリジオールの製法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ケージ内に、1019cm-3超、2.3×1021cm-3未満の電子含む12CaO・7A
23エレクトライドカルボニル化合物をカルボニル化合物に対する12CaO・7A
23エレクトライドの使用量(12CaO・7Al23/カルボニル化合物)を重量比
で2~20倍として、水、有機溶媒、又は水―有機混合溶媒中において混合して反応溶液
を形成し、該反応溶液中において該カルボニル化合物を還元的カップリングさせて、該反
応溶液から生成物を抽出することを特徴とするジオール又はポリジオールの製法。

【請求項2】
カルボニル化合物が、カルボニル基に結合した二つの置換基のうち、少なくとも一つはア
リール基であることを特徴とする請求項1記載のジオール又はポリジオールの製法。

【請求項3】
カルボニル化合物が、下記の一般式で示されることを特徴とする請求項1記載のジオール
又はポリジオールの製法。
【化学式1】


(ただし、R1は、水素原子、アルキル基及びアリール基から選ばれる官能基、R2、R3
、R4、R5およびR6は、それぞれ水素原子、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、アルキル
基、アリール基、カルボニル基、アリル基、ビニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、ニトロ基、シアノ基及びイミノ基から選ばれるアリール基に結合した官能基。ま
た、R1とアリール基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。)

【請求項4】
還元的カップリングさせる反応雰囲気が空気中であることを特徴とする請求項1記載のジ
オール又はポリジオールの製法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開 領域
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