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被覆ステント

国内特許コード P110003820
整理番号 RJ009P15
掲載日 2011年6月30日
出願番号 特願2006-317005
公開番号 特開2008-125964
登録番号 特許第5110559号
出願日 平成18年11月24日(2006.11.24)
公開日 平成20年6月5日(2008.6.5)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発明者
  • 本津 茂樹
  • 西川 博昭
  • 楠 正暢
  • 畑中 良太
出願人
  • 学校法人近畿大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 被覆ステント
発明の概要 【課題】一度拡張した血管等の狭窄部をより再狭窄し難くするとともに、生体毒性や感染性を生じる可能性がない被覆ステントを提供する。
【解決手段】被覆ステントは、ステント1の外周面側1aを平滑筋細胞抑制剤が含浸した生体親和性セラミックスチューブからなる外側チューブ2で覆い、ステントの内周面側1bを内皮細胞増殖剤が含浸した生体親和性セラミックスチューブからなる内側チューブ3で覆ったものである。これにより、外側チューブ2から平滑筋細胞抑制剤を徐放して平滑筋の増殖を抑制し、内側チューブから内皮細胞増殖剤を徐放して内皮細胞の増殖を促進するので、狭窄部の再狭窄を長期間にわたって安全に抑制することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


血管の狭窄が原因によって生じる狭心症などの虚血性心疾患の治療法としては、心臓バイパス手術などの外科手術による治療もなされてはいるものの、患者に与える負担を減らすため、近年ではインターベンションへの関心が高まっている。



インターベンションのなかでも、先端に膨張可能なバルーンを設けたカテーテルを、冠動脈の狭窄部位で膨張させて血管内腔を拡張する、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA: Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)は最も一般的な治療法である。



ただ、PTCAによる治療のみでは、術後約40%という高頻度で再狭窄が発生しており、再治療が必要なことから、患者に与える精神的及び肉体的苦痛は依然として大きかった。そこで、一般的には再狭窄を防止するため、近年では、金属やプラスチック製の、コイル又は網からなるステントと呼ばれる略円筒状の支持体を拡張した狭窄部位に留置する治療法、いわゆるステント留置術が広く行われるようになっている。



さて、ステント留置術により、血管再狭窄の大きな原因である(1)バルーンにより拡張した血管が短時間に収縮する弾性反跳(elastic recoil)、(2)障害修復過程における血管壁の収縮(vascular remodeling)を防ぎ、再狭窄率を低減してはいる。ただし、慢性期に生じる(3)平滑筋細胞の増殖による新生内膜の過形成によるステント内再狭窄(ISR:In-Stent Restenosis)を完全に防ぐことは難しく(術後約20%の確率で発生)、再狭窄の防止は現在でも重要な課題である。



このISRの生じる理由としては、従来から諸説あるが、ステント留置によって血管壁が炎症を起こして、ステント周囲の血管平滑筋細胞のフェノタイプが収縮型から合成型へ変化したのち、ステント内周面側へ遊走・増殖することによって内膜肥厚が起こることにより再狭窄するという説が、現在では有力である。



そこで、この平滑筋細胞の遊走・増殖を抑制して、再狭窄を防止する様々な方法が検討されている。このような方法としては、まず、平滑筋細胞の遊走・増殖を抑制し得る薬剤を、ステントに搭載することによって、再狭窄を予防する方法が挙げられる。このような薬剤の具体的な例としては、パクリタキセル、プロブコール、シロスタゾール、ラパマイシン、トラニラスト、マイトマシンC、アドリアマイシン、ゲニステイン、チルフォスチンが挙げられる(例えば、特許文献1、2参照。)。また、これらの薬剤を含む合成樹脂(例えば、特許文献3及び4を参照)やアテロコラーゲンなどの生体高分子等でコーティングした被覆ステントを使用することも試みられている。



しかし、薬剤を搭載したステントには、生体内でのステントの移動や拡張において薬剤を確実に保持し、ステントの留置部において薬剤を長期間に渡って安定して放出できないとの問題点があった。また、薬剤を含む合成樹脂等でコーティングしたステントには、合成樹脂による生体毒性や、生体高分子に含まれるウイルスなどによる感染症を完全に防止できないとの問題点があった。





【特許文献1】
特開2000-95706号公報
【特許文献2】
特開2000-249709号公報
【特許文献3】
特開平9-56807号公報
【特許文献4】
特開2005-170801号公報

産業上の利用分野


この発明は、血管等に生じた狭窄部の治療に使用するステントに関し、特に一度拡張した狭窄部が再狭窄し難くなるように加工した被覆ステントに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ステントと、ステントの外周面側に嵌め込まれてその外周面を覆う外側チューブ及びステントの内周面側に挿入されてその内周面を覆う内側チューブの少なくとも一方と、を備えた被覆ステントであって、
外側チューブが、生体親和性チューブ平滑筋細胞抑制剤を含浸したものであり、内側チューブが、生体親和性チューブ内皮細胞増殖剤を含浸したものであって、
生体親和性チューブが、M10(ZOn6X2の組成を持つ鉱物群(式中のMはCa、Na、Mg、Ba、K、Zn、Alであり、ZOnはPO4、SO4、CO3であり、XはOH、F、O、CO3である。)から選ばれた少なくとも1つの生体親和性セラミックスのみからなるチューブ状の薄膜である被覆ステント。

【請求項2】
ステントと、ステントの外周面側に嵌め込まれてその外周面を覆う外側チューブ及びステントの内周面側に挿入されてその内周面を覆う内側チューブの何れか一方だけと、を備えた被覆ステントであって、
外側チューブ又は内側チューブが生体親和性チューブの外側に平滑筋細胞抑制剤を含浸し生体親和性チューブの内側に内皮細胞増殖剤を含浸したものであって、
生体親和性チューブが、M10(ZOn6X2の組成を持つ鉱物群(式中のMはCa、Na、Mg、Ba、K、Zn、Alであり、ZOnはPO4、SO4、CO3であり、XはOH、F、O、CO3である。)から選ばれた少なくとも1つの生体親和性セラミックスのみからなるチューブ状の薄膜である被覆ステント。

【請求項3】
生体親和性チューブが、生体親和性セラミックスを溶解しない溶媒に溶解する基材に、生体親和性セラミックス薄膜を成膜したのち、薄膜が成膜された基材を溶媒に浸漬して基材を溶解し、単離した薄膜を乾燥してなるものである請求項1又は請求項2に記載の被覆ステント。

【請求項4】
レーザーアブレーション法、スパッタリング法、イオンビーム蒸着法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法、分子線エピタクシー法、化学的気相成長法のうちの何れかの方法により生体親和性セラミックス薄膜を成膜してなる請求項3に記載の被覆ステント。

【請求項5】
生体親和性セラミックス薄膜を成膜又は乾燥したのちに、高温の水蒸気含有ガス又は炭酸含有ガス中で熱処理してなる請求項3又は請求項4に記載の被覆ステント。

【請求項6】
薄膜が、ハイドロキシアパタイトから構成されている請求項1から請求項5の何れかに記載の被覆ステント。

【請求項7】
薄膜が、複数の生体親和性セラミックスから構成されている請求項1から請求項5の何れかに記載の被覆ステント。

【請求項8】
平滑筋細胞抑制剤が、バチマスタット(batimastat)、プロリン水酸化酵素、プログコール、ブラジキニン、アドレノメデュリン、プロスタサイクリン(PGI2)、c型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、一酸化窒素合成酵素(eNOS)からなる群から選ばれた少なくとも1つの物質である請求項1から請求項7の何れかに記載の被覆ステント。

【請求項9】
内皮細胞増殖剤が、血管内皮増殖因子(VEGF)、BCP671、エストラジオール、EPC抗体からなる群から選ばれた少なくとも1つの物質である請求項1から請求項8の何れかに記載の被覆ステント。

【請求項10】
請求項1から請求項9の何れかに記載のステントと、バルーンカテーテルと、ガイドワイヤーとを少なくとも含む医療器具。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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