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造影剤含有有機-無機ハイブリッド型粒子 コモンズ

国内特許コード P110003826
整理番号 A252P103
掲載日 2011年6月30日
出願番号 特願2006-330436
公開番号 特開2008-143805
登録番号 特許第5081439号
出願日 平成18年12月7日(2006.12.7)
公開日 平成20年6月26日(2008.6.26)
登録日 平成24年9月7日(2012.9.7)
発明者
  • 片岡 一則
  • 熊谷 康顕
  • 相川 啓佑
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 造影剤含有有機-無機ハイブリッド型粒子 コモンズ
発明の概要 【課題】 MRI造影剤を安定に標的部位へデリバリーするためのキャリヤーの提供
【解決手段】 非荷電性親水性ポリマー鎖セグメントと側鎖にカルボキシラートイオン基を有する繰り返し単位を含むポリマー鎖セグメントを含んでなるブロック共重合体、カルシウムイオン(Ca2+)、リン酸イオン(PO3-)もしくは炭酸イオン(CO2-)またはこれらのアニオンの混合物、および造影剤を必須成分として含んでなる有機-無機ハイブリッド型粒子、が提供される。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


近年、がん患者のQOL向上のためがんの早期発見が重要であることが指摘されている。例えば、胃がんの患者の5年生存率のグラフによると、初期8(1期)に発見された胃がん患者の生存率は90%であるのに対し、末期(4期)の胃がん患者の生存率は10%をきっている。このことから、現在のがん治療において患者におけるがんの早期診断は非常に重要である。また、初期がんについては自覚症状がない場合が多いため、上記の早期診断を確実なものにするには、全く健康な人に対してもがんの診断を行う必要がある。そのためには、非侵襲的かつ安全な診断法の開発が求められている。



非侵襲的かつ安全であるとの観点に立てば、磁場やラジオ波を用いるため放射線の被爆などを心配する必要のないMRI(核磁気共鳴映像法)の利用が考えられる。しかしながら、現在の技術ではMRIで初期のがんを発見できるに至っていない。MRIの感度を上げるべく大きなコントラストが得られるよう、また、取り扱いの容易な形態にある多種多様な造影剤が提案されている(例えば、非特許文献1、2および3参照)。これらの造影剤の中には広く実用されている、Gd-DTPA(ガドジアミド)等の優れた造影剤が存在するもの、未だ、さらなる改善が可能であるなら、検討する価値があるかも知れない。



他方、本発明者等は、特定のブロック共重合体等を使用したドラッグデリバリーシステムを開発し、例えば、腫瘍組織選択移行性を高めたある種の抗がん剤を提供することに成功し、臨床試験でも好ましい治療効果が得られることを確認している。



また、本発明者等の一部は、従来、細胞内にDNAを導入する手段として提案されていた、カルシウム水溶液とリン酸水溶液を、過飽和状態になるように混合したときに形成されるリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)結晶のDNAと結合する性質を利用して形成した複合体を用いる方法に随伴する短所を改善すべく、当該複合体の形成に際して、親水性で非イオン性であるポリエチレングリコール(PEG)セグメントとカルボキシル基に由来するポリアニオン性セグメントを含んでなる特定のブロック共重合体を共存させることで、リン酸カルシウム粒子をその粒径をコントロールしながら形成しうることを見出した。こうして得られる粒子は、比較的狭い粒度分布を持ち、その上、平均粒径が、必要によりサブミクロンオーダー(数100nm)以下にも制御できるとともに、これらの粒子を含有する水性分散系は、周囲条件下では沈殿を生ずることなく、安定に貯蔵できることも確認した。その結果、薬物として、DNAまたはその他の生物活性物質を担持し、該薬物をがん組織乃至がん細胞にデリバリーすることのできる新規な有機-無機ハイブリッド型粒子系を提案した(特許文献1参照)。
【特許文献1】
国際公開第03/018690号パンフレット(WO 03/018690 A1)
【非特許文献1】
Peter Caravan et al.,“Gadolinium(III) Chelates as MRI Contrast Agents:Structure,Dynamics,and Applications.”Chem.Rev.1999,99,2293-2352
【非特許文献2】
Vincent Jacques,et al.,“New Classes of MRI Contrast Agents”Topics in Current Chemistry(Springer-Verlag)Contrast Agents 1 Magnetic Resonance Imaging Edited by Werner Krause,2002,221,123-164
【非特許文献3】
D.D.Schwert,et al.,“Non-Gadolinium-Based MRI Contrast Agents.”Topics in Current Chemistry(Springer-Verlag)Contrast Agents 1 Magnetic Resonance Imaging Edited by Werner Krause,2002,221,165-199

産業上の利用分野


本発明は造影剤含有する有機-無機ハイブリッド型粒子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)
ポリ(hph)-block-ポリ(carbo) (I)
(式中、ポリ(hph)はポリエチレングリコール、2-メチル-2-ポリオキサゾリン、2-エチル-2-ポリオキサゾリン、2-イソプロピル-2-ポリオキサゾリン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸ヒドロキシエチル)およびポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)からなる群より選ばれる水溶性ポリマーのポリマー鎖セグメントを示し、そしてポリ(carbo)はポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(メタクリル酸)およびポリ(アクリル酸)からなる群より選ばれるアニオン性ポリマーのポリマー鎖セグメントを示す)
で表される構造を含んでなるブロック共重合体、カルシウムイオン(Ca2+)、リン酸イオン(PO43-)もしくは炭酸イオン(CO32-)またはこれらのアニオンの混合物、および造影剤を含んでなる有機-無機ハイブリッド型粒子であって、かつ、水性媒体中で分散体として存在し、水性分散体中における平均粒子径が動的光散乱測定により10~1000nmである、上記有機-無機ハイブリッド型粒子

【請求項2】
請求項1に記載の有機-無機ハイブリッド型粒子であって、水性分散体中における平均粒子径が動的光散乱測定により50~600nmである、上記ハイブリッド型粒子。

【請求項3】
ブロック共重合体が、下記式(II-a)、(II-b)、(III-a)、(III-b)および(IV)で表されるブロック共重合体から選ばれる請求項1または2記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。
【化1】


上記式中、各記号はそれぞれ独立した意味を有し、そして
Aは水素原子または置換もしくは未置換の炭素原子12個までのアルキル基を表し、
Lは直接結合または二価の連結基を表し、
Tは水素原子、ヒドロキシル基または-ZRであって、ここでZは単結合、CO、OもしくはNHを表し、
Rは水素原子またはメチル基を表し、
mは4~2500の整数であり、
nは10~10000の整数であり、そして
x+yまたはzは10~3000の整数であるが、但し、存在するカルボキシラートイオンは50%までが上記のアルカリ金属由来の対イオン有するかまたはカルボキシエステル残基を形成することができる。

【請求項4】
Lが連結基を表し、かつ、O、NH、COおよびX(CH2pYからなる群より選ばれ、ここでXはOCO、OCONH、NHCO、NHCOO、NHCONH、CONHもしくはCOOを表し、YはNHもしくはCOを表し、pは1~6の整数を表す、請求項3記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項5】
造影剤がガドリニウム(Gd)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)および銅(Cu)からなる群より選ばれる金属である請求項1~4のいずれかに記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項6】
造影剤がガドリニウム(Gd)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)および銅(Cu)からなる群より選ばれる金属であり、かつ、多座配位子との金属キレートの形態にある請求項1~4のいずれかに記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項7】
造影剤がガドリニウム(Gd)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)および銅(Cu)からなる群より選ばれる金属であって、かつ、アミノカルボン酸もしくはリン酸系、ポルフィリン系およびデフェリオックスアミンB系から選ばれる多座配位子との金属キレートの形態にある請求項1~4のいずれかに記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項8】
多座配位子がアミノカルボン酸もしくはリン酸系である請求項7記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項9】
アミノカルボン酸もしくはリン酸系多座配位子がエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエキレンテトラミン六酢酸、エチレングリコールテトラミン四酢酸、テトラアザシクロドデカン四酢酸、テトラアザシクロドデカン三酢酸およびテトラアザシクロドデカン四リン酸からなる群より選ばれる請求項8記載の有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項10】
下記式(II-a)、(II-b)、(III-a)、(III-b)および(IV)で表されるブロック共重合体からなる群より選ばれる共重合体、カルシウムイオン(Ca2+)およびリン酸イオン(PO43-)および炭酸イオン(CO32-)の混合物を含んでなる有機-無機ハイブリッド型粒子であって、水性媒体中では分散体として存在し、該粒子の水性分散体中における平均粒子径が動的光散乱測定により50~600nmである、上記有機-無機ハイブリッド型粒子。
【化1】


上記式中、各記号はそれぞれ独立した意味を有し、そして
Aは水素原子または置換もしくは未置換の炭素原子12個までのアルキル基を表し、
は二価の連結基を表し、
Tは水素原子、ヒドロキシル基または-ZRであって、ここでZは単結合、CO、OもしくはNHを表し、
Rは水素原子またはメチル基を表し、
mは4~2500の整数であり、
nは10~10000整数であり、そして
x+yまたはzは10~3000の整数であるが、但し、存在するカルボキシラートイオンは50%までが上記のアルカリ金属由来の対イオン有するかまたはカルボキシエステル残基を形成することができ、
LがO、NH、COおよびX(CH2pYからなる群より選ばれ、ここでXはOCO、OCONH、NHCO、NHCOO、NHCONH、CONHもしくはCOOを表し、YはNHもしくはCOを表し、pは1~6の整数を表す。

【請求項11】
請求項10記載の有機-無機ハイブリッド型粒子であって、該混合物中のリン酸イオン対炭酸イオンがモル比で80:20~20:80である、上記有機-無機ハイブリッド型粒子。

【請求項12】
請求項10または11記載の有機-無機ハイブリッド型粒子であって、該ブロック共重合体が式(II-a)、(II-b)および(IV)で表されるブロック共重合体からなる群より選らばれる、上記有機-無機ハイブリッド型粒子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 医療に向けた化学・生物系分子を利用したバイオ素子・システムの創製 領域
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