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炭素系薄膜およびその製造方法、ならびにこの薄膜を用いた部材 コモンズ

国内特許コード P110003843
整理番号 K014P55
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-510488
登録番号 特許第4672650号
出願日 平成17年2月25日(2005.2.25)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
国際出願番号 JP2005003203
国際公開番号 WO2005083144
国際出願日 平成17年2月25日(2005.2.25)
国際公開日 平成17年9月9日(2005.9.9)
優先権データ
  • 特願2004-053123 (2004.2.27) JP
  • 特願2004-197877 (2004.7.5) JP
  • 特願2005-005371 (2005.1.12) JP
発明者
  • 岩村 栄治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 炭素系薄膜およびその製造方法、ならびにこの薄膜を用いた部材 コモンズ
発明の概要 本発明は、特性の異なる炭素をデバイスに適用しやすい形態で複合化した新たな炭素系材料を提供する。この炭素系薄膜は、非晶質炭素を含み、膜厚方向に伸長する複数の第1相1と、グラファイト構造を含み、上記複数の第1相1の間に介在する第2相2と、を含み、以下のa)~e)から選ばれる少なくとも1つが成立する炭素系薄膜10を提供する。第2相2が第1相よりも、a)単位体積あたり多くのグラファイト構造を含む、b)密度が大きい、c)電気抵抗率が低い、d)第2相2の弾性率が第1相1の弾性率以上、e)第2相2においてグラファイト構造の基底面が膜厚方向に沿って配向している。
従来技術、競合技術の概要


炭素系材料には、炭素の結合様式の多様性に応じ、特性が大きく相違する多種多様な形態が存在する。これらの形態には、カーボンナノチューブ、フラーレンに代表されるように、優れた特性が確認され、電子デバイス、水素吸蔵材料等の分野で今後の普及が期待される新しい材料も含まれる。これら新しい炭素系材料については、再現性よく簡易に製造する方法が提案されている(例えば特開平9-309713号公報)。



水素吸蔵の分野では、非晶質炭素を用いた炭素系材料も提案されている。例えば、特開2001-106516号公報には、体積当たりの水素吸蔵量が大きい材料として、炭化水素の炭素結晶子を含む層状構造の非晶質炭素が開示されている。特開2002-28483号公報には、室温付近の温度で容易に水素を吸蔵しうる材料として、非晶質炭素とアルカリ金属の反応物が開示されている。



特開2001-261318号公報には、平均径2nm以上のグラファイトクラスターを含む低硬度硬質炭素膜と平均径1nm以下のグラファイトクラスターを含む高硬度硬質炭素膜とを交互に積層した多層膜が開示されている。この多層膜は、耐摩耗性および摺動特性が改善された、各種部材のコーティング膜となる。

産業上の利用分野


本発明は、炭素系薄膜とその製造方法に関し、さらに、炭素系薄膜を用いた部材に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 非晶質炭素を含み、膜厚方向に伸長する複数の柱状の第1相と、
グラファイト構造を含み、前記第1相の間に介在する第2相と、を含み、以下のa)~e)から選ばれる少なくとも1つが成立する炭素系薄膜。
a)前記第2相が前記第1相よりも単位体積あたり多くのグラファイト構造を含む。
b)前記第2相の密度が前記第1相の密度よりも大きい。
c)前記第2相の電気抵抗率が前記第1相の電気抵抗率よりも低い。
d)前記第2相の弾性率が前記第1相の弾性率以上である。
e)前記第2相において、前記グラファイト構造の基底面が膜厚方向に沿って配向している。
【請求項2】 膜の面内方向において、前記第1相が300nm以下の平均径を有する請求項1に記載の炭素系薄膜。
【請求項3】 膜の面内方向において、前記第1相から選ばれる隣接する一対の間隔の平均が50nm以下である請求項1に記載の炭素系薄膜。
【請求項4】 前記第1相の間に前記第2相が網目状に介在する請求項1に記載の炭素系薄膜。
【請求項5】 水素,窒素,ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する請求項1に記載の炭素系薄膜。
【請求項6】 前記第1相および前記第2相を有する第1領域と、
非晶質炭素を含み、膜厚方向に伸長する複数の柱状の第3相と、非晶質炭素を含み、前記第3相の間に介在する第4相とを有する第2領域と、を含み、
以下のf)~i)から選ばれる少なくとも1つが成立する請求項1に記載の炭素系薄膜。
f)前記第2相が前記第4相よりも単位体積あたり多くのグラファイト構造を含む。
g)前記第2相の密度が前記第4相の密度よりも大きい。
h)前記第2相の電気抵抗率が前記第4相の電気抵抗率よりも低い。
i)前記第2相の弾性率が前記第4相の弾性率よりも大きい。
【請求項7】 以下のj)~k)から選ばれる少なくとも1つが成立する請求項6に記載の炭素系薄膜。
j)前記第1領域および前記第2領域から選ばれるいずれか一方の領域が他方の領域に囲まれた柱状領域であり、前記柱状領域の面内方向についての平均径が100nm以上である。
k)前記第1領域および前記第2領域が、第1面内方向について、前記第1面内方向と直交する第2面内方向についての平均径よりも2倍以上の平均径を有し、前記第2面内方向について交互に配置されている。
【請求項8】 前記第1領域および前記第2領域が帯状に配置された請求項7に記載の炭素系薄膜。
【請求項9】 前記第1相および前記第2相を有する第1領域と、
非晶質炭素を含み、膜厚方向に伸長する複数の柱状の第3相と、非晶質炭素を含み、前記第3相の間に介在する第4相とを有する第2領域と、を含み、
前記第1領域の波長域600nm~1100nmにおける光線透過率が前記第2領域の前記波長域における光線透過率よりも低い請求項1に記載の炭素系薄膜。
【請求項10】 以下のj)~k)から選ばれる少なくとも1つが成立する請求項9に記載の炭素系薄膜。
j)前記第1領域および前記第2領域から選ばれるいずれか一方の領域が他方の領域に囲まれた柱状領域であり、前記柱状領域の面内方向についての平均径が100nm以上である。
k)前記第1領域および前記第2領域が、第1面内方向について、前記第1面内方向と直交する第2面内方向についての平均径よりも2倍以上の平均径を有し、前記第2面内方向について交互に配置されている。
【請求項11】 前記第1領域および前記第2領域が帯状に配置された請求項10に記載の炭素系薄膜。
【請求項12】 膜の厚みをT、膜の面内方向において前記第1相から選ばれる隣接する一対の間隔の平均値をWとして、T/W>10、が成立する請求項1に記載の炭素系薄膜。
【請求項13】 膜厚方向に伸長する複数の柱状の第1相と、前記第1相の間に介在する第2相とを含む非晶質炭素系薄膜を形成する工程と、
前記非晶質炭素系薄膜にエネルギーを供給することにより少なくとも前記第2相にグラファイト構造を形成する工程と、を含む炭素系薄膜の製造方法。
【請求項14】 気相合成法により前記非晶質炭素系薄膜を形成する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項15】 基板温度が773K以下という条件A、および雰囲気圧力が1.33Pa以上という条件Bから選ばれる少なくとも一方を満たす物理蒸着法により前記非晶質炭素系薄膜を形成する請求項14に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項16】 水素原子含有ガスおよび窒素原子含有ガスから選ばれる少なくとも一方を含む雰囲気において前記非晶質炭素系薄膜を形成する請求項14に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項17】 電子線を照射することにより前記非晶質炭素系薄膜にエネルギーを供給する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項18】 前記非晶質炭素系薄膜へのエネルギーの供給により、前記第2相において前記第1相におけるよりも単位体積あたり多くのグラファイト構造を形成する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項19】 前記第2相の密度が前記第1相の密度よりも低くなるように前記非晶質炭素系薄膜を形成し、当該非晶質炭素系薄膜へのエネルギーの供給による前記第2相の構造変化を前記第1相の構造変化よりも生じやすくする請求項18に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項20】 前記第2相の密度が前記第1相の密度よりも低くなるように前記非晶質炭素系薄膜を形成し、前記グラファイト構造の形成に伴って前記第2相の密度が前記第1相の密度よりも高くなるように前記非晶質炭素系薄膜にエネルギーを供給する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項21】 以下のa)~e)から選ばれる少なくとも1つが成立するように、エネルギーを供給する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
a)前記第2相が前記第1相よりも単位体積あたり多くのグラファイト構造を含む。
b)前記第2相の密度が前記第1相の密度よりも大きい。
c)前記第2相の電気抵抗率が前記第1相の電気抵抗率よりも低い。
d)前記第2相の弾性率が前記第1相の弾性率以上である。
e)前記第2相において、前記グラファイト構造の基底面が膜厚方向に沿って配向している。
【請求項22】 1×1019/cm・秒以下の強度で電子線を照射することにより、前記非晶質炭素系薄膜にエネルギーを供給する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項23】 前記第1相の間に前記第2相が網目状に介在するように前記非晶質炭素系薄膜を形成する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項24】 前記非晶質炭素系薄膜の一部の領域のみにエネルギーを供給する請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項25】 前記非晶質炭素系薄膜の表面を部分的にマスキングした状態で前記表面に電子線を照射する請求項24に記載の炭素系薄膜の製造方法。
【請求項26】 基材と、前記基材の表面に形成された薄膜とを含み、
前記薄膜が、請求項1に記載の炭素系薄膜である部材。
【請求項27】 前記基材が、金属、半導体、セラミック、ガラスまたは樹脂である請求項26に記載の部材。
【請求項28】 前記基材と前記薄膜との間に配置された中間膜をさらに含む請求項26に記載の部材。
【請求項29】 前記薄膜が、他の部材と接触する前記基材の表面に形成された請求項26に記載の部材。
【請求項30】 摺動部材、成型用金型および電気的接触端子から選ばれる少なくとも1種として利用可能である請求項26に記載の部材。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 秩序と物性 領域
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