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導電性ポリアニリン組成物、その製造方法およびポリアニリンドーパント コモンズ

国内特許コード P110003858
整理番号 A152P67
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-510831
登録番号 特許第4785732号
出願日 平成17年3月10日(2005.3.10)
登録日 平成23年7月22日(2011.7.22)
国際出願番号 JP2005004706
国際公開番号 WO2005085355
国際出願日 平成17年3月10日(2005.3.10)
国際公開日 平成17年9月15日(2005.9.15)
優先権データ
  • 特願2004-068000 (2004.3.10) JP
  • 特願2004-067999 (2004.3.10) JP
発明者
  • 舩岡 正光
  • 青柳 充
  • 村雲 功
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 導電性ポリアニリン組成物、その製造方法およびポリアニリンドーパント コモンズ
発明の概要 環境負荷が小さくポリアニリンに良好な加工性も有する導電性ポリアニリンを得ることのできるポリアニリンドーパントを提供する。リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合したビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体をポリアニリンドーパントとして用いる。リグニンのフェノール誘導体は再生資源由来であるため、環境負荷が小さいポリアニリンドーパントである。
従来技術、競合技術の概要

ポリアニリンは、ドープされたときの導電特性が良好であることに加え、安価なアニリンポリマーから簡易にかつ高い収率で得られること、化学的に安定であるため、多様な分野で研究されるとともに応用展開が試みられている。ポリアニリンが導電性を発現するには、図2に示すように、一般に、非導電性塩基形態のポリアニリンがドーパントによってプロトネーションを受ける必要がある。しかしながら、非導電性塩基形態のポリアニリンは、一般にp共役系が発達しているため、ほとんどの有機溶剤及び水に不溶であるため、プロトネーション自体が困難であった。
ポリアニリンのドーパントとしては、一般的に、プロトネーションを効率的に行なうため、硫酸イオンのほか(例えば、特開平2-233701号公報)、塩酸イオン、硝酸イオン及びリン酸イオン等の強酸アニオンが用いられている。また、有機系ドーパントも知られている(特許文献2)。対イオンとして用いている。これに対して、森林炭素資源であるリグニン由来のドーパントとしては、工業的リグニンとして一般的なスルホン化リグニンを利用することが開示されている(例えば、European Polymer Journal37(2001)2217-2223、European Polymer Journal 38(2002)2213-2217)

産業上の利用分野

本発明は、リグニンから誘導されたリグニン誘導体をドーパントとする導電性ポリアニリン組成物、その製造方法及びポリアニリンドーパントに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性ポリアニリン組成物であって、
ポリアニリンと、
以下の(a)~(e)のリグニン誘導体;
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1-ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体にアシル基を有するアシル誘導体であってフェノール性水酸基を有するアシル誘導体
(c)(a)のリグニン誘導体にカルボキシル基又は当該カルボキシル基から誘導される基を有するカルボニル誘導体であってフェノール性水酸基を有するカルボニル誘導体
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットの一部と、(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットを有する中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体であってフェノール性水酸基を有するクマラン誘導体、および
(e)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体であってフェノール性水酸基を有する架橋性誘導体
を含有する組成物。

【請求項2】
前記リグニン誘導体は(a)のリグニン誘導体である、請求項1に記載の組成物。

【請求項3】
前記リグニン誘導体のフェノール性水酸基量は、0.5mol/炭素9個単位以上2.0mol/炭素9個単位以下である、請求項1または2に記載の組成物。

【請求項4】
前記リグニン誘導体は、重量平均分子量が500以上20000以下である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。

【請求項5】
前記リグニン誘導体における前記フェノール化合物は、o-クレゾール及び/又はp-クレゾールである、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。

【請求項6】
前記リグニン誘導体は、リグニン含有材料を前記フェノール化合物で溶媒和した後、酸を添加して得られる誘導体である、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。

【請求項7】
前記ポリアニリン100重量部に対して前記リグニン誘導体を100重量部以上2000重量部以下含む、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を含む樹脂成形体。

【請求項9】
前記樹脂成形体はフィルム状体である、請求項8に記載の成形体。

【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を備える導電性接着剤。

【請求項11】
導電性ポリアニリン組成物の製造方法であって、
以下の(a)~(e)のリグニン誘導体;
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1-ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体にアシル基を有するアシル誘導体であってフェノール性水酸基を有するアシル誘導体
(c)(a)のリグニン誘導体にカルボキシル基又は当該カルボキシル基から誘導される基を有するカルボニル誘導体であってフェノール性水酸基を有するカルボニル誘導体
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットの一部と、(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットを有する中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体であってフェノール性水酸基を有するクマラン誘導体、および
(e)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体であってフェノール性水酸基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体を用いてポリアニリンをドープするドーピング工程と、
ドープされた前記ポリアニリンを含有する画分を採取する工程と、
を備える、製造方法。

【請求項12】
前記ドーピング工程は、前記リグニン誘導体とポリアニリンとを溶媒中で混合する工程である、請求項11に記載の製造方法。

【請求項13】
前記採取工程は、ドープされたポリアニリンを含有する溶液画分または分散液画分を採取する工程である、請求項12に記載の製造方法。

【請求項14】
前記採取工程は、ドープされたポリアニリンを含有する凝集画分を採取する工程である、請求項12に記載の製造方法。

【請求項15】
請求項11~14のいずれかに記載の製造方法により得られる導電性ポリアニリン組成物。

【請求項16】
以下の(a)~(e)のリグニン誘導体;
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1-ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体にアシル基を有するアシル誘導体であってフェノール性水酸基を有するアシル誘導体
(c)(a)のリグニン誘導体にカルボキシル基又は当該カルボキシル基から誘導される基を有するカルボニル誘導体であってフェノール性水酸基を有するカルボニル誘導体
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットの一部と、(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットを有する中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体であってフェノール性水酸基を有するクマラン誘導体、および
(e)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体であってフェノール性水酸基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体を含むポリアニリンドーパント。

【請求項17】
導電性複合材料であって、
ポリアニリンと、
以下の(a)~(e)のリグニン誘導体;
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1-ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体にアシル基を有するアシル誘導体であってフェノール性水酸基を有するアシル誘導体
(c)(a)のリグニン誘導体にカルボキシル基又は当該カルボキシル基から誘導される基を有するカルボニル誘導体であってフェノール性水酸基を有するカルボニル誘導体
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットの一部と、(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットを有する中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体であってフェノール性水酸基を有するクマラン誘導体、および
(e)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体であってフェノール性水酸基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体と、
セルロース系材料と、
を含有する、複合材料。

【請求項18】
前記セルロース系材料がセルロース系繊維、その集合体、その交絡体およびその緻密体のいずれかである、請求項17に記載の複合材料。

【請求項19】
前記セルロース系材料がシート状あるいは三次元形状を有する成形体である、請求項17又は18に記載の複合材料。

【請求項20】
導電性複合材料の製造方法であって、
以下の(a)~(e)のリグニン誘導体;
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1-ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体にアシル基を有するアシル誘導体であってフェノール性水酸基を有するアシル誘導体
(c)(a)のリグニン誘導体にカルボキシル基又は当該カルボキシル基から誘導される基を有するカルボニル誘導体であってフェノール性水酸基を有するカルボニル誘導体
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットの一部と、(a)のリグニン誘導体の前記1,1-ビスアリールプロパンユニットを有する中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体であってフェノール性水酸基を有するクマラン誘導体、および
(e)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体であってフェノール性水酸基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体によってドープされたポリアニリンをセルロース系材料に供給し該セルロース系材料に保持させる複合化工程を備える、製造方法。

【請求項21】
前記複合化工程においては、前記ドープされたポリアニリンの溶液、分散液およびペーストのいずれかを前記セルロース系材料に供給する、請求項20に記載の製造方法。

【請求項22】
前記複合化工程においては、前記ドープされたポリアニリンの粉末を前記セルロース系材料に供給する、請求項20に記載の製造方法。

【請求項23】
前記複合化工程においては、前記ドープされたポリアニリンのフィルムを前記セルロース系材料に供給する、請求項20に記載の製造方法。

【請求項24】
前記複合化工程に先立って、前記リグニン誘導体と前記ポリアニリンとを溶媒中で混合するドーピング工程を備え、前記複合化工程においては、ドープされたポリアニリンを含む画分を前記セルロース系材料に供給する、請求項20に記載の製造方法。

【請求項25】
前記ドーピング工程における混合液の不溶画分に含まれるドープされたポリアニリンを前記セルロース系材料に供給する、請求項24に記載の製造方法。

【請求項26】
前記ドーピング工程における混合液の不溶画分および溶液画分に含まれるドープされたポリアニリンを前記セルロース系材料に供給する、請求項24に記載の製造方法。

【請求項27】
前記セルロース系材料は、セルロース系繊維、その集合体およびその交絡体のいずれかである、請求項20~26のいずれかに記載の製造方法。

【請求項28】
前記複合化工程において前記ドープされたポリアニリンを前記セルロース系材料に保持させるには、前記ドープされたポリアニリンに伴われた溶媒を留去するかあるいは前記ドープされたポリアニリンにおけるポリアニリンあるいは前記リグニン誘導体のいずれかが軟化する程度に加熱する、請求項20~27のいずれかに記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 資源循環・エネルギーミニマム型システム技術 領域
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