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アミドカルボニル化反応方法 コモンズ

国内特許コード P110003859
整理番号 E076P42
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-510832
登録番号 特許第4643567号
出願日 平成17年3月10日(2005.3.10)
登録日 平成22年12月10日(2010.12.10)
国際出願番号 JP2005004715
国際公開番号 WO2005085180
国際出願日 平成17年3月10日(2005.3.10)
国際公開日 平成17年9月15日(2005.9.15)
優先権データ
  • 特願2004-068206 (2004.3.10) JP
発明者
  • 小林 修
  • 秋山 良
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 アミドカルボニル化反応方法 コモンズ
発明の概要 アルデヒド化合物とアミド化合物、そして一酸化炭素とのアミドカルボニル化反応において、長径が20nm以下のパラジウムクラスターを含むパラジウム担持架橋高分子組成物を用い、N-アシル-α-アミノ酸合成を可能とするアミドカルボニル化反応をクリーンな反応系において、より効率的、選択的に行うことのできる、新しいアミドカルボニル化反応方法とそのための触媒を提供する。
従来技術、競合技術の概要




アルデヒド化合物とアンモニア、シアン化水素からα-アミノニトリルを得る、いわゆるStrecker反応は、生成物のα-アミノニトリルを加水分解することによって容易にα-アミノ酸を得ることができることから、α-アミノ酸の合成プロセスにおいて古くから用いられてきた。しかし、原料のシアン化合物の高い毒性や、α-アミノニトリルの加水分解によって発生するアンモニウム塩を処理しなければならないという課題があった。一方、アルデヒド化合物とアミド、一酸化炭素とから、カルボニル化反応によってN-アシル-α-アミノ酸を合成する、いわゆるアミドカルボニル化反応はシアン化水素よりも毒性の低い一酸化炭素を用いる点や、すべての原料が生成物(N-アシル-α-アミノ酸)に取り込まれるというアトムエコノミーの高い効率的な反応である点、さらには加水分解によって窒素上のアシル基を除去しα-アミノ酸に変換できるだけでなく、アシル基はカルボン酸として回収し、対応するアミドへ変換することで原料として再利用できる点など、Strecker反応に比べて多くの利点を有している。このように優れた特徴のあるアミドカルボニル化反応を、1971年、若松らは遷移金属触媒であるコバルトカルボニルを用い、一酸化炭素/水素の加圧下で実施する方法を見出している(非特許文献1,特許文献1)。



この若松らの方法においては一般に高温高圧の条件を必要としているが、これに対し、1997年にBellerらは、パラジウム触媒/臭化リチウム-硫酸助触媒を用いるアミドカルボニル化反応を報告している(非特許文献2、特許文献2)。この方法は水素を必要とせず、より低い触媒量、一酸化炭素圧、温度で進行する効率的な反応である。また、Bellerらは、後に類似条件でのロジウム、イリジウム、ルテニウム錯体の触媒活性についても報告している(特許文献3)。さらにごく最近、この出願の発明者らは、白金触媒を用いるアミドカルボニル化反応を見出している(非特許文献3)。



一方、有機合成化学上最も有用な触媒の一つがパラジウム触媒である。その高分子固定化に関しても比較的古くから検討がなされ、多くの固定化パラジウム触媒が開発されてきた。しかしながら、これまでに開発されてきた高分子固定化触媒の多くは、高分子と活性中心である金属部分とを配位子によって繋げていたため、安定性に優れる反面、触媒自体の活性に大きく影響を与え、多くの場合対応する均一系触媒よりも触媒活性が低下することが問題となってきた。このような状況において、この出願の発明者らは、新しい高分子固定化触媒としてマイクロカプセル化触媒を開発してきた。このマイクロカプセル化触媒は、金属を物理的、あるいは静電的相互作用を利用して高分子上に固定化する手法であるため、均一系触媒に匹敵する、あるいは上回るような活性が期待できる。



実際、すでに、発明者らは、マイクロカプセル化ルイス酸触媒、マイクロカプセル化オスミウム触媒およびマイクロカプセル化遷移金属触媒(パラジウム、ルテニウム)を開発し、これらが様々な有機合成反応において有効に機能することを報告している(非特許文献4)。しかしながら、これまで高分子担体として用いてきたポリスチレンは、反応溶媒によっては溶解する場合があり、その使用に制限があるという課題があった。そこで発明者らは、この問題を解決すべく検討を進め、“高分子Carcerand型(Polymer Incarcerated(PI))触媒と命名した新しい構成のパラジウム触媒を開発した(非特許文献5)。この触媒は、例えば次式のように側鎖にエポキシ基および水酸基を有する高分子(1)にパラジウムを固定化したものである。




そしてより具体的には、次式のようにマイクロカプセル化法でまずパラジウムをポリマーに担持もしくは包含させた後に、無溶媒条件下、加熱することでポリマーを架橋し、通常の溶媒に不溶のパラジウム触媒とする。本触媒は、オレフィンの水素化反応やアリル位置換反応において有効に機能し、何れも高収率をもって対応する生成物を与えた。さらに何れの場合もパラジウムの流出は起きず、触媒の回収、再使用が可能であることが確認されている。




そこで、この出願の発明者らは、上記のとおりの新しいパラジウム触媒の特長を利用して前記のとおりのアミドカルボニル化反応方法をより効率的に、かつクリーンな反応系において実現すべく検討を行ってきた。



しかしながら、前記Bellerらの報告に従って、NMP(1-メチル-2-ピロリジノン)を溶媒とし、上記の新しいパラジウム触媒:PIPdを(2)用いて次式




の反応を試みたが、N-アシル-α-アミノ酸の収率はわずか9%以下にとどまる結果しか得られなかった。ジオキサン溶媒の場合には、収率はわずか数%にすぎなかった。



非特許文献1:J. Chem.Soc., Chem.Commun.,1971,1540.
非特許文献2:Angew.Chem.Int.Ed.,1997,36,1494
非特許文献3:Chem.Lett.,2003,160
非特許文献4:(a)J.Am.Chem.Soc.,1998,120,2985.(b)J.Org.Chem.,1998,63,6094.(c)J.Am.Chem.Soc.,1999、121,11229.(d)Org.Lett.,2001、3,2649.(e)Angew.Chem.,Int.Ed.,2001,40,3469.(f)Angew.Chem.,Int.Ed.,2002,41,2602(g)Chem.Commun.,2003,449
非特許文献5:J.Am.Chem.Soc.,2003,125,3412.
特許文献1:DE-B 2115985 (1971)
特許文献2:DE-B 19627717 (1996)
特許文献3:DE 100 12251 A1(1999)

産業上の利用分野




この出願の発明は、触媒の回収、再利用が可能とされ、効率的に、かつクリーンな反応系により、生理活性等の各種の機能を有するものとして重要なアミノ酸化合物を合成することのできる新しいアミドカルボニル化反応方法とそのための触媒に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式(1)(2)(3)


(式中のRおよびRは、水素原子または式1aに示す置換基であって、少なくとも一方が水素原子であり、nは0~6の整数を、mは1~6の整数を、lは0~10の整数を示し、Raは、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Rbは、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、さらに、RaとRbは互いに結合してラクタム環を形成してもよい)で表わされるスチレン化合物を含有するモノマーのコポリマーにパラジウムを固定化したものの存在下に、次式


(式中R1は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)
で表わされるアルデヒド化合物を、一酸化炭素ならびに次式


(式中R2は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)
で表わされるアミド化合物と反応させて、次式


(式中R1およびR2は前記のものを示す)
で表わされるアミノ酸化合物を合成することを特徴とするアミドカルボニル化反応方法。

【請求項2】
前記コポリマーが、次式


(式中、v/w/x/y/z=0~90/3~80/0~20/3~20/0~20であって、x=z=0でないことを示す)
で表わされることを特徴とする請求項1に記載のアミドカルボニル化反応方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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