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有機薄膜を有する基板及びそれを用いたトランジスタ並びにそれらの製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110003873
整理番号 N071P40
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-511347
登録番号 特許第4904541号
出願日 平成17年3月24日(2005.3.24)
登録日 平成24年1月20日(2012.1.20)
国際出願番号 JP2005006199
国際公開番号 WO2005091377
国際出願日 平成17年3月24日(2005.3.24)
国際公開日 平成17年9月29日(2005.9.29)
優先権データ
  • 特願2004-088077 (2004.3.24) JP
発明者
  • 鯉沼 秀臣
  • 伊高 健治
  • 山城 貢
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 有機薄膜を有する基板及びそれを用いたトランジスタ並びにそれらの製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 60などの有機薄膜を二次元成長できる有機薄膜を有する基板とそれを用いたトランジスタであって、基板(2)上に、バッファー層(3)と有機薄膜(4)とを順次積層し、バッファー層(3)が有機薄膜(4)を配向させ、有機薄膜を有する基板(1)を構成する。基板(2)とバッファー層(3)との間に、基板(2)やバッファー層(3)と配向しやすい層を挿入してもよい。基板(2)はサファイア基板、バッファー層(3)はペンタセン又フッ素化ペンタセン、有機薄膜(4)はC60やルブレンを用いることができ、品質の高いC60やルブレンの2次元薄膜を得ることができる。このような有機薄膜を有する基板(1)を用いることで、性能の高い電界効果トランジスタを実現できる。
従来技術、競合技術の概要


近年、有機半導体を用いたデバイスの進歩は目覚しいものがあり、有機半導体薄膜をチャネルとする電界効果トランジスタ(以下、単にFETと呼ぶ)の研究が鋭意進められている。これらのFETは、大部分がp型FETであり、n型FETの報告例は少ない。n型有機半導体として、フラーレン(C60)が注目されている。FETや超格子構造を有するデバイスでは、原子レベルで、組成や膜厚の異なる薄膜を順次形成するために、2次元的な薄膜を作製する必要がある。
しかしながら、従来の無機半導体であるシリコンや化合物半導体と比べると、その製造レベルは非常に低い。
これらの有機半導体薄膜の製造方法の一つとして真空蒸着法が知られており、金属上には、C60薄膜が2次元的に成膜できることが知られている。また、C60などのフラーレン系材料による電界効果トランジスタを製造するためには、金属上ではなくSiや絶縁物基板上に高品質な薄膜を堆積する必要がある。例えば、非特許文献1には、水素で終端したシリコン(Si)基板上へのC60薄膜形成が報告されている。
図16は、文献1(K.Ueno他2名,″Van der Waals Epitaxy on Hydrogen-Terminated Si(III)Surfaces and Investigation of its Growth Mechanism by Atomic Force Microscope″,1995年 Crystal Growth,Vol.150,pp.1180-1185)のSi基板上へ堆積したC60の薄膜のAFM(原子間力顕微鏡)写真であり、(A)がAFM像、(B)がC60薄膜の断面模式図である。なお、AFM像の測定領域は4μm×4μmである。図から明らかなように、2次元成長は得られなく、厚さが約10nm(100Å)で、1~2μmの大きさの柱状結晶がSi基板上に点在し、所謂3次元成長している。
ペンタセンを用いた有機FETの電界効果移動度は、1cm・V-1・s-1程度の値である(例えば、文献2:Y.-Y.Lin 他3名,Stacked Oentacene Layer Organic Thin-Film Transistors with Improved Characteristics″,1997年,IEEE Electr.Device Lett,.Vol.18,No.12,pp.606-608を参照)。この値はアモルファスSiよりも大きい値である。有機FETの場合も半導体によるFETと同様に、電流駆動力を増すために電界効果移動度が大きい材料が望まれている。
最近、下記文献3及び4において、単結晶のルブレン(5,6,11,12-テトラフェニルナフタセン)のa軸及びb軸に沿う電界効果移動度が、それぞれ、4.4cm・V-1・s-1、15.4cm・V-1・s-1という非常に大きな値を有することが報告されている。
文献3:V.C.Sundar 他7名,″Elastometric Transistor Stamps:Reversible Probing of Charge Transport in Organic Crystals″,2004年 Science,Vol.303,pp.1644-1646
文献4:R.W.I.De Boer他 3名″Organic Single-Crystal Field-Effect Transistors″2004年 Phys.Stat.Sol.A,Vol.201,No.6,pp.1302-1331
しかしながら、分子線蒸着装置により通常用いられる石英、コーニングガラスやサファイア基板上にルブレンを堆積してもアモルファス状の薄膜しか得られない。図17は、従来のサファイア基板上に堆積したルブレン薄膜の5×5μmの原子間力顕微鏡像を示す図であり、基板温度が、それぞれ(A)室温、(B)100℃の場合を示している。図から明らかなように、得られたルブレン膜はアモルファス膜であった。
60などのフラーレン系材料による電界効果トランジスタを実用化するためには、金属上ではなく、Siや絶縁物基板上に平坦な2次元成長膜を形成することが強く要求されている。しかしながら、C60薄膜を絶縁基板上に成長させる場合には、柱状成長をし易く、高品質な薄膜が得られていない。
また、従来のルブレン薄膜は、アモルファス膜しか得られず、殆どFET特性などの機能を示さない。さらに、このアモルファス薄膜は非常に酸素と反応しやすいため、真空中では橙色をしていたものが大気に取り出すと透明になる。このように薄膜化が困難であるために、単結晶で非常に大きな電界効果移動度が報告されても、FETの実用化に必要な高品質な薄膜が得られていない。

産業上の利用分野


本発明は、有機薄膜を有する基板及びそれを用いたトランジスタ並びにそれらの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絶縁基板上に、バッファー層と有機薄膜とが順次積層され、
上記バッファー層は、上記有機薄膜の2次元成長を促進するペンタセン又はフッ素化ペンタセンからなり、
上記有機薄膜は、Cnフラーレン(ここで、nは60以上の整数)又はルブレンからなり、
上記有機薄膜が平坦に配向されている、有機薄膜を有する基板。

【請求項2】
前記絶縁基板と前記バッファー層との間に、さらにSiO2又はAl23薄膜が挿入されている、請求項1に記載の有機薄膜を有する基板。

【請求項3】
前記絶縁基板は、サファイア基板である、請求項に記載の有機薄膜を有する基板。

【請求項4】
前記サファイア基板の表面が平坦化処理されている、請求項に記載の有機薄膜を有する基板。

【請求項5】
前記バッファー層が分子層単位で積層されている、請求項1に記載の有機薄膜を有する基板。

【請求項6】
前記Cnフラーレンは、C60である、請求項1に記載の有機薄膜を有する基板。

【請求項7】
請求項1~の何れかに記載された有機薄膜を有する基板を備えたトランジスタであって、
前記有機薄膜は、電界効果トランジスタのチャネルとなる、トランジスタ。

【請求項8】
絶縁基板上に、バッファー層と有機薄膜とが順次積層される工程を含み、
上記絶縁基板上に上記有機薄膜の2次元成長を促進するバッファー層となるペンタセン又はフッ素化ペンタセンを堆積し、
上記バッファー層上に有機薄膜となるCnフラーレン(ここで、nは60以上の整数)又はルブレンを堆積し、
上記有機薄膜を平坦に配向する、有機薄膜を有する基板の製造方法。

【請求項9】
前記絶縁基板と前記バッファー層との間に、さらにSiO2又はAl23薄膜を挿入する、請求項に記載の有機薄膜を有する基板の製造方法。

【請求項10】
前記絶縁基板を、サファイア基板とする、請求項8又は9に記載の有機薄膜を有する基板の製造方法。

【請求項11】
前記サファイア基板の表面を平坦化処理する、請求項10に記載の有機薄膜を有する基板の製造方法。

【請求項12】
前記バッファー層を分子層単位で積層する、請求項に記載の有機薄膜を有する基板の製造方法。

【請求項13】
前記Cnフラーレンを、C60とする、請求項に記載の有機薄膜を有する基板の製造方法。

【請求項14】
請求項13の何れかに記載された有機薄膜を有する基板の製造方法を用いたトランジスタの製造方法であって、
前記有機薄膜を、電界効果トランジスタのチャネルとする、トランジスタの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST エネルギーの高度利用に向けたナノ構造材料・システムの創製 領域
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