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心機能抑制性/降圧性新規内因性生理活性ペプチド コモンズ

国内特許コード P110003878
整理番号 Y04-P074
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-511849
登録番号 特許第4426575号
出願日 平成17年4月1日(2005.4.1)
登録日 平成21年12月18日(2009.12.18)
国際出願番号 JP2005006510
国際公開番号 WO2005095609
国際出願日 平成17年4月1日(2005.4.1)
国際公開日 平成17年10月13日(2005.10.13)
優先権データ
  • 特願2004-110463 (2004.4.2) JP
発明者
  • 七里 眞義
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 心機能抑制性/降圧性新規内因性生理活性ペプチド コモンズ
発明の概要 【課題】 心収縮力の抑制により強力な降圧活性を有する新規ペプチドや、該ペプチドをコードするDNA、該ペプチドに対する抗体、該ペプチドを有効成分とする心機能抑制/降圧剤等を提供するものである。遺伝子データベースの検索から、選択的スプライシングによらずにTOR2A mRNAそのものからプロセッシングによって生合成されるペプチドの存在が推測されるため検討した結果、ヒト各種臓器に遙かに多量に発現する強力な生理活性を有するペプチドホルモンを発見した。このペプチドは24アミノ酸(AIFIFISNTGGKQINQVALEAWRS)からなる分子量2664.02の親水性のペプチドで、ラット心に陰性変力作用(negative inotropism)を示すと同時に、著明な血圧降下活性を示した。
従来技術、競合技術の概要


本発明者は、バイオインフォマティクス解析を応用する手法により、生理活性因子であるサリューシン-α(salusin-a)及びサリューシン-β(salusin-b)を見い出した。サリューシン-α、βは捻転ジストニーの原因遺伝子(Torsin family)の関連遺伝子(TOR2A遺伝子)の選択的スプライシングの結果、エクソン4が抜けることによるフレイムシフト(frame shift)によって発現するプレプロサリューシン(preprosalusin PSEC0218, HEMBA1005096, AK075520)がプロセッシングされて形成される、それぞれ配列番号3に示される28アミノ酸及び配列番号4に示される20アミノ酸の関連ペプチドである(例えば、非特許文献1参照)。そして、合成サリューシン-α,βのラットでの血行動態及び大動脈での血管作用を検討した。すなわち、SDラット(250~300g)をペントバルビタール麻酔下に大腿動静脈をカニュレーションしたのち大腿静脈より合成サリューシン-α及びβを静注した後、血圧、心拍数の経時的変化を解析した。また、ラット大動脈摘出標本を用いてフェニレフリン前処置で収縮させて、サリューシン-α,βの血管トーヌスへの作用について検討した。



その結果、サリューシン-α,β共に静脈内投与後1分で急激な血圧低下を示し、その後10分から15分後に正常レベルまで回復するという一過性降圧作用を示し、並行して心拍数の減少を示した。サリューシン-α(1~10nmol/kg),サリューシン-β(0.1~1nmol/kg)による降圧及び心拍数低下作用は用量反応性を示し、サリューシン-βがサリューシン-αに比し約10倍強力であった。しかしラットへのNO合成阻害剤L-NAMEの前投与はサリューシンの降圧作用に影響しなかった。また摘出ラット大動脈標本を用いた検討では、インタクト及び内皮剥離した標本あるいはフェニレフリン前処置で収縮させた標本のいずれに対しても、サリューシン-α,βの血管トーヌスへの直接作用は認められなかった。このことに加えて、内因性ペプチド、サリューシン(α,β)は強力な降圧作用に並行して心拍数の減少を示すことから、新たな降圧作用をもつ生理活性ペプチドであることが示されている。



その他、アデノシンが心拍数をゆっくりにすること(陰性変時性効果)及びAV結節を通ったインパルス伝導をゆっくりにすること(陰性変伝導効果)を有することが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)。また、N6-置換-5’-(N-置換)カルボキサミドアデノシンのクラスに属する特定のアデノシンA1アゴニストの、哺乳動物における心臓 調律障害の処置における使用、およびこの新たな使用を実施するための新規な投薬量形態も提案されている(例えば、特許文献2参照)。



【特許文献1】
米国特許第4,673,563号明細書
【特許文献2】
特表2003-514863号公報
【非特許文献1】
Nat Med 9:1166-72,2003
【非特許文献2】
Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 271:1371,1994

産業上の利用分野


本発明は、新規な心機能抑制性/降圧性内因性生理活性ペプチド、該ペプチドをコードするDNA、該ペプチドに対する抗体、該ペプチドを有効成分とする心機能抑制/降圧剤等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(A)~(C)の何れかのアミノ酸配列からなるペプチド。
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列;
(B)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1~5個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ該アミノ酸配列からなるペプチドが心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するアミノ酸配列;
(C)配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列であって、かつ該アミノ酸配列からなるペプチドが心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するアミノ酸配列;

【請求項2】
以下の(A)及び(B)のアミノ酸配列からなるペプチドがプロセシング酵素による切断・修飾を受けることによって生成され、かつ心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するペプチド。
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列;
(B)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1~5個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ該アミノ酸配列からなるペプチドが心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するアミノ酸配列;

【請求項3】
以下の(A)~(F)の何れかの塩基配列からなるDNA。
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチドをコードする塩基配列;
(B)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1~5個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するペプチドをコードする塩基配列;
(C)配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するペプチドをコードする塩基配列;
(D)配列番号1に示される塩基配列;
(E)配列番号1に示される塩基配列において、1~5個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するペプチドをコードする塩基配列;
(F)配列番号1に示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するペプチドをコードする塩基配列;

【請求項4】
以下の(A)及び(B)のアミノ酸配列からなるペプチドがプロセシング酵素による切断・修飾を受けることによって生成され、かつ心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するペプチドをコードする塩基配列からなるDNA。
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列;
(B)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1~5個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ該アミノ酸配列からなるペプチドが心機能抑制活性又は血圧降下活性を有するアミノ酸配列;

【請求項5】
請求項1又は2記載のペプチドとマーカータンパク質及び/又はペプチドタグとが結合している融合ペプチド。

【請求項6】
請求項3記載のDNAを含み、かつ請求項1記載のペプチドを発現することができる組換えベクター。

【請求項7】
請求項4記載のDNAを含み、かつ請求項2記載のペプチドを発現することができる組換えベクター。

【請求項8】
請求項6記載の組換えベクターが導入され、かつ請求項1記載のペプチドを発現する形質転換体。

【請求項9】
請求項7記載の組換えベクターが導入され、かつ請求項2記載のペプチドを発現する形質転換体。

【請求項10】
請求項1又は2記載のペプチドを特異的に認識することができる抗体。

【請求項11】
モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項10記載の抗体。

【請求項12】
請求項1又は2記載のペプチドと被検物質を被験非ヒト動物に投与し、心機能抑制活性又は血圧降下活性の程度を測定・評価することを特徴とする心機能抑制因子又は降圧因子のスクリーニング方法。

【請求項13】
請求項1又は2記載のペプチドと被検物質を被験非ヒト動物に投与し、心機能抑制活性又は血圧降下活性の程度を測定・評価することを特徴とする心機能抑制活性の阻害物質又は降圧活性の阻害物質のスクリーニング方法。

【請求項14】
請求項1又は2記載のペプチドを有効成分として含有する心機能抑制/降圧剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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