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素子、これを用いた薄膜トランジスタおよびセンサ、ならびに素子の製造方法

国内特許コード P110003886
整理番号 N031P23
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-512642
登録番号 特許第4878552号
出願日 平成17年4月20日(2005.4.20)
登録日 平成23年12月9日(2011.12.9)
国際出願番号 JP2005007945
国際公開番号 WO2005104260
国際出願日 平成17年4月20日(2005.4.20)
国際公開日 平成17年11月3日(2005.11.3)
優先権データ
  • 特願2004-123757 (2004.4.20) JP
発明者
  • 山本 浩史
  • 重藤 訓志
  • 塚越 一仁
  • 八木 巌
  • 加藤 礼三
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 素子、これを用いた薄膜トランジスタおよびセンサ、ならびに素子の製造方法
発明の概要 単結晶の有機化合物からなる導体からなる素子を提供する。電極間の間隔が10~900nmの一対の電極と、該電極間に設けられた単結晶の有機化合物からなる導体とを含む素子を採用した。
従来技術、競合技術の概要

従来から、分子性導体の単結晶にゲート電圧をかけるためには、すでに出来ている結晶に、電極や絶縁膜を蒸着して行うという手法が採用されていた(J.S.Brooks,Advanced Materials for Optics and Electronics,Vol 8,pp.269-276(1998))。しかしながら、前記方法では、有機結晶の表面が大きなダメージを受けてしまい、分子性導体本来の特性を生かした素子が作製できないという問題があった。これは、ゲート電極を用いた素子では、結晶と電極や絶縁膜を平滑に接合することが必要であったが、これが困難であったことに基づく。
かかる状況下で、S.F.Nelson et al.,Appl.Phys.Lett,72,1854(1998)には、シリコン基板上に、ペンタセンなどの分子を蒸着したり、ポリチオフェンなどのポリマーをスピンコートして薄膜トランジスタ(FET)として動作させたりすることが検討されている。しかしながら、この場合は、素子中にドメインが出来てしまい、粒界の影響が素子特性に深刻な影響を与えていた。また、分子性導体は、該分子が一般に溶媒に不溶で、かつ展性や揮発性も無いため、そもそもこういった手法を適用することができない場合がほとんどであった。
一方、V.Rajagopalan et al.,Nano Lett,3,851-855(2003)は、電気分解で電極上に伝導性物質を析出させる方法として、金の電気分解を行ってポイントコンタクトを作る方法を開示している。しかしながら、この場合析出してくる分子は不定形の多結晶であり、単結晶の成長は知られていない。
また、H.Hasegawa et al.,Synthetic Metals,135-136,763-764(2003)は、フタロシアニンを交流によって電気分解する方法を開示している。しかしながら、この場合は電極間を橋渡しすることができていない。
すなわち、多結晶の導体を用いて素子を作製した場合、結晶と結晶の間の接合が問題となっていた。すなわち、不必要な抵抗が生じたり、コンデンサとして動作してしまう部分が出てきたり、ショットキーバリアなどの非線形応答を示す状態ができてしまったりしていた。このような粒界の電気的特性は、単結晶が本来持っているデバイス特性を鈍らせたり、全く見えなくしてしまったりする。そこで、単結晶のみで、電極間を接合できれば、その物質が本来持っている性能が十分に発揮できると考えられた。
しかしながら、上述のとおり、単結晶で電極間を橋渡しすることはできていなかった。
ここで、発明者は、単結晶で電極間を橋渡しすることができなかった理由を鋭意研究した。
まず、従来から導体として検討されている無機導体について検討したところ、電極間に単結晶を成長させるのには極端に高い温度が必要であり、実質的に極めて困難であった。
そこで、発明者は、有機物を原料として、単結晶による橋渡しを試みることにした。しかしながら、有機化合物からなる導体の単結晶については、そもそも、この種の素子として使用するという思想自体がほとんどなく、その実験方法や取り扱い方法から不明な点が多かった。当然に、単結晶素子の作製方法については予測さえつかないものであった。

産業上の利用分野

本発明は、薄膜トランジスタやセンサに利用可能な素子および、これを用いた薄膜トランジスタおよびセンサに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電極間の間隔が10~900nmの一対の電極と、該電極間に設けられた単結晶の有機化合物からなる導体とを含む素子の製造方法であって、
いずれも正極または負極である一対の電極を電解溶液に浸漬し、前記一対の電極に電圧をかけて、前記電解溶液を電気分解することにより、前記一対の電極間に単結晶の有機化合物からなる導体を形成する工程を含む、素子の製造方法。

【請求項2】
前記電解溶液は、ドナー系分子、アクセプター系分子および負イオン系金属錯体からなる群から選択されるいずれか1つを含む溶液である請求項に記載の素子の製造方法。

【請求項3】
前記導体は、1つの単結晶からなる請求項1または2に記載の素子の製造方法。

【請求項4】
前記単結晶の有機化合物が、硫黄を含む化合物である請求項1~3のいずれか1項に記載の素子の製造方法。

【請求項5】
前記単結晶の有機化合物が、環状化合物である請求項1~4のいずれか1項に記載の素子の製造方法。

【請求項6】
前記単結晶の有機化合物が、共役系有機高分子化合物である請求項1~5のいずれか1項に記載の素子の製造方法。

【請求項7】
前記単結晶の有機化合物が、カチオンラジカル塩またはアニオンラジカル塩である請求項1~6のいずれか1項に記載の素子の製造方法。

【請求項8】
前記単結晶の有機化合物が、ドナー系分子を酸化して得られるカチオンラジカル塩、アクセプター系分子を還元して得られるアニオンラジカル塩、負イオン系金属錯体を部分酸化して得られるアニオンラジカル塩および負イオン系金属錯体を中性になるまで酸化して得られる単一成分分子からなる群から選択されるいずれか1つである、請求項1~6のいずれか1項に記載の素子の製造方法。

【請求項9】
前記単結晶の有機化合物が、アクセプター系分子を還元して得られるアニオンラジカル塩、または、ドナー系分子を酸化して得られるカチオンラジカル塩である請求項1~6のいずれか1項に記載の素子の製造方法。

【請求項10】
前記単結晶の有機化合物が、テトラチアフルバレン骨格を有する化合物である請求項1~6のいずれか1項に記載の素子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 高度情報処理・通信の実現に向けたナノ構造体材料の制御と利用 領域
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