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光電変換素子及びそれを用いた太陽電池

国内特許コード P110003898
整理番号 B45P08
掲載日 2011年7月1日
出願番号 特願2006-514095
登録番号 特許第5178007号
出願日 平成17年5月31日(2005.5.31)
登録日 平成25年1月18日(2013.1.18)
国際出願番号 JP2005009933
国際公開番号 WO2005119794
国際出願日 平成17年5月31日(2005.5.31)
国際公開日 平成17年12月15日(2005.12.15)
優先権データ
  • 特願2004-163714 (2004.6.1) JP
発明者
  • 高橋 保
  • 武捨 清
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 高橋 保
  • 株式会社ADEKA
発明の名称 光電変換素子及びそれを用いた太陽電池
発明の概要 下記一般式(I)で示されるポリアセン誘導体からなる光電変換素子用材料、及び該材料を使用した光電変換素子。この光電変換素子用材料は、加工性・生産性がよく、毒性が低く、フレキシブル化が容易で、光電変換効率が良好なものである。
【化1】



[式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、A1 、A2 、A3 及びA4 は、それぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよい炭素原子数1~40の炭化水素基等であり、nは、1以上の整数である。]
従来技術、競合技術の概要


近年、化石燃料による地球温暖化や人口の増加に伴うエネルギー需要の増大は、人類の存亡に関わる大きな問題と成っている。太陽光は言うまでもなく、太古以来現在まで、地球の環境を育み、人類を含む全ての生物のエネルギー源となってきた。そこで、最近では、無限でかつ有害物質を発生しないクリーンなエネルギー源として太陽光を利用することが検討されている。なかでも、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子、所謂太陽電池が有力な技術手段として注目されている。



太陽電池の起電力材料としては、単結晶、多結晶、アモルファスのシリコンやCuInSe、GaAs、CdSなどの化合物からなる無機半導体が使用されている。これらの無機半導体を用いた太陽電池は10%から20%と比較的高いエネルギー変換効率を示すため、遠隔地用の電源や携帯用小型電子機器の補助的な電源として広く用いられている。しかし、冒頭で述べたように、化石燃料の消費を抑えて地球環境の悪化を防止するという目的に照らすと、現時点では無機半導体を用いた太陽電池は十分な効果を上げているとは言い難い。即ち、これらの無機半導体を用いた太陽電池は、プラズマCVD法や高温結晶成長プロセスにより製造されており、素子の作製に多くのエネルギーを必要とするためである。また、Cd、As、Seなどの環境に有害な影響を及ぼしかねない成分を含んでおり、素子の廃棄による環境破壊の懸念もある。



この点を改善しえる光起電力材料として、有機半導体を用いた有機太陽電池が提案されている。有機半導体は、多様性があること、毒性が低いこと、加工性・生産性がよくコストダウンが可能であること、可撓性を有するためフレキシブル化が容易であること、等の優れた特長を有する。これにより、実用化に向けた有機太陽電池の研究が盛んである。
有機太陽電池は半導体型と色素増感型に大別でき、半導体型は、光生成した電荷ペアを解離させる機構の違いによってショットキー型とpn接合型の2種類に分けられる。ショットキー型は、有機半導体と金属との接合面に誘起されるショットキー障壁による内部電界を利用する(非特許文献1参照) 。かかるショットキー型太陽電池は、比較的大きな開放電圧(Voc) を得られるという特長を有する反面、照射光量が増加すると光電変換効率が低下しやすいという課題を有している。また、一般にショットキー型太陽電池は、薄膜を各種蒸着法により形成する必要があるため、製造が容易であるとはいえない。



pn接合型太陽電池は、p型半導体とn型半導体の接合面に発生する内部電界を利用するもので、両半導体に有機物を用いる有機/有機pn接合型と、どちらかの半導体に無機物を用いる有機/無機pn接合型等がある。かかるpn接合型太陽電池は、比較的高い変換効率が得られているが十分ではなく(非特許文献2参照)、ショットキー型太陽電池と同様に、蒸着法により成膜する必要のある場合が多く、製造性向上の妨げとなっている。



一方、1991年にスイスのグレーツエル(Gratzel) らが、表面積の大きい多孔質二酸化チタン薄膜の表面にルテニウムビピリジンカルボン酸色素を吸収させた電極を用いた色素増感型太陽電池を報告し、大きな注目を浴びた(非特許文献3参照)。しかし、電解液及びヨウ素を使用することの問題点が指摘され、実用化はなかなか進んでいない。この電解液部分を固体化できれば、実用化に向けて大きく前進することは明らかである。固体化には種々の方法が試みられているが、電解液を用いる湿式系に比べて低い光電変換効率に止まっている。例えば、導電性高分子であるポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等について検討がなされているが、いずれも変換効率は低い(非特許文献4参照)。このように、電解液部分を正孔輸送層として作用するp型半導体層で置き換えることにより固体化することは、n型半導体電極が多孔体であること、有機色素層があることを除けば、pn接合型太陽電池に似ている構造と考えられる。



更に、太陽電池に有用とされる有機半導体化合物は、結晶形によって異なる特性、例えば光電特性(起電力特性) を有し、特定の結晶形においてのみ優れた光電特性を示すことが知られている。蒸着法による成膜工程で結晶形を選択する方法として、基板温度制御により改善が試みられているが、高い光電特性を有する所望の結晶形からなる半導体層を得るのは難しい。



【非特許文献1】
R. O. Loutfy et al., J. Chem. Phys. (1979), Vol. 71, p1211
【非特許文献2】
C. W. Tang, Appl. Phys. Lett. 48(2), 13 January 1986, p183
【非特許文献3】
B. Oregan, M. Gratzel, Nature, 737 (1991)
【非特許文献4】
K. Murakoshi, R. Kogure, Y. Wada, and S. Yanagida, ChemistryLetters 1997, p471

産業上の利用分野


本発明は、光照射により起電力を発生する光電変換素子用材料及び該材料を使用した光電変換素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも一方が透光性である2個の電極間に、有機半導体を含む層を配置してなる光電変換素子であって、有機半導体を含む層に、下記一般式(I)で示されるポリアセン誘導体からなる光電変換素子用材料の一種以上を含有し、前記光電変換素子が、p型有機半導体を含む層とn型有機半導体を含む層とを接合させたpn接合型光電変換素子であり、n型有機半導体を含む層が、前記一般式(I)中のA1 、A2 、A3 及びA4 のいずれかに電子吸引基を有するポリアセン誘導体からなるn型有機半導体化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
【化1】


[式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 は、それぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよい炭素原子数1~40の炭化水素基;置換基を有していてもよい炭素原子数1~40のアルコキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~40のアリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基;又は置換基を有していてもよいシリル基であり、
1 、A2 、A3 及びA4 は、それぞれ、互いに独立し、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素原子数2~40のアルコキシカルボニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数7~40のアリールオキシカルボニル基;カルバモイル基(-C(=O)NH2);ハロホルミル基(-C(=O)-X、式中、Xはハロゲン原子を示す。);ホルミル基(-C(=O)-H);イソシアノ基;イソシアナト基;チオシアナト基又はチオイソシアナト基であり、又は、A1 及びA2 、A3 及びA4 は、互いに架橋して、式-C(=O)-B-C(=O)-で示される環を形成してもよく(式中、Bは酸素原子又は式-N(B1 )-で示される基であり、B1 は、水素原子、炭素原子数1~40の炭化水素基、又は、ハロゲン原子である)、
nは、1以上の整数である。]

【請求項2】
請求項記載の光電変換素子を用いたことを特徴とする太陽電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成15年度採択課題
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