TOP > 国内特許検索 > 核酸構造体

核酸構造体 コモンズ

国内特許コード P110003919
整理番号 B18P38
掲載日 2011年7月4日
出願番号 特願2006-529032
登録番号 特許第5561893号
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
登録日 平成26年6月20日(2014.6.20)
国際出願番号 JP2005012762
国際公開番号 WO2006006561
国際出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
国際公開日 平成18年1月19日(2006.1.19)
優先権データ
  • 特願2004-204286 (2004.7.12) JP
  • 特願2004-332892 (2004.11.17) JP
発明者
  • 新海 征治
  • 長崎 健
  • 川津 猛
  • 柿本 真司
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 核酸構造体 コモンズ
発明の概要 細胞に所望の遺伝子を導入するに際して効率的なトランスフェクションが確保できる新しい手法を提供する。細胞の核内に導入されるべき遺伝子を含む核酸物質、核膜孔を通過する機能を持ち核内輸送に関わるインポーティンタンパク(例えば、インポーティンβ)、ならびに、前記核酸物質およびインポーティンタンパクのそれぞれに結合している結合物質(例えば、ポリエチレンイミン)から構成される三元複合体から成ることを特徴とする核内移行性核酸構造体が開示されている。この核酸構造体に細胞膜レセプター結合因子および/または膜融合性物質を結合させたものを投与することにより、または細胞膜透過性と膜融合性を兼ね備えた非ウイルス性ベクター(例えばセンダイウイルスエンベロープ)に封入して投与することにより、細胞外から細胞核内に到る核酸の輸送が特に促進される。
従来技術、競合技術の概要



細胞に特定の外部遺伝子を導入するトランスフェクションは、その遺伝子の関与する作用機序を解析して疾病の治療や薬剤の開発などに有用な情報を得るために不可欠な手段であるが、最近は、生体への悪影響を回避するためトランスフェクションに非ウイルスベクターを使用することが試みられている。従来より非ウイルスベクターのトランスフェクション効率を向上させる際に大きな障壁として、細胞外から細胞核内にまで核酸が輸送され転写反応に導かれるまでの細胞膜透過、輸送小胞脱出、核内移行、およびDNAリリース(放出)が挙げられてきた。

【非特許文献1】

arShall, E.(1999) Science 286, 2244-2245。

【非特許文献2】

acein-Bey-Abina,S., Von Kalle, C., Schmidt, M., McCormack, M. P., Wulffrat, N., Leboulch, P.,Lim, A., Osborne, C, S., Pawliuk, R., Morillon, E., Sorensen, R., Forster, A.,Fraser, P., Cohen, J. I., de Saint Basile, G., Alexander, I., Wintergerst, U.,Frebourg, T., Aurias, A. D., Stoppa-Lyonnet, D., Romana, S., Radford-Weiss, I.,Gross, F., Valensi,F., Delabesse, E., Macintyre, E., Sigaux, F., Soulier, J.,Leiva, L. E., Wissler, M., Prinz, C., Rabbitts, J., Le Deist, F., Fischer, A.,and Cavazzana-Calvo, M. (2003) Science 302, 415-419。

【非特許文献3】

uang, L.,Hung, M. -C., and Wagner, E. (1999) Nonviral Vectors for Gene Therapy, AcademicPress, San Diego。

【非特許文献4】

olland, A. (1999) Advanced Gene Delivery, Harwood Academic Publishers, Amsterdam。

【非特許文献5】

iethoff, C.M., and Middaugh, C. R. (2003) J. Pharm. Sci., 92, 203-217。





細胞膜透過能を向上させるための手段として、これまでに細胞膜レセプター結合因子を利用し、レセプター媒介型エンドサイトーシスにより細胞膜透過能を向上させることが研究されており、効果が確認されている。

【非特許文献6】

yas SP,Singh A, Sihorkar V. (2001) CritRev Ther Drug Carrier Syst., 18 (1), l-76。





大部分の非ウイルスベクターはエンドサイトーシスにより細胞膜を透過するが、そのままでは分解されてしまい、発現効率が低下してしまう。そこで輸送小胞からの脱出能を向上させるための手段として、これまでにpH感受性の膜融合物質を利用し、エンドソームやリソソームからの脱出能を向上させることが研究されており、効果が確認されている。

【非特許文献7】

ho, Y. W.,Kim, J. D., and Park, K. (2003)J. Pharm Pharmacol., 55 (6), 721-34。





従来より非ウイルスベクターのトランスフェクション効率を向上させる際に大きな障壁となっている一つに外部遺伝子の核内移行が挙げられる。この問題点を解決するためにこれまでに真核細胞内における核タンパクの核内移行システム利用が活発に取り組まれてきた。





核タンパクは一般に核内移行シグナル(NLS)という荷札を有しており、NLSペプチドに輸送体との仲介役としてのインポーティンαが結合し、最終的に輸送担体本体のインポーティンβが結合した複合体が形成され、核膜に存在する核膜孔をエネルギー依存的かつ選択的に核酸物質が輸送される。

【非特許文献8】

oerlich, D.,Vogel, F., Mills, A. D., Hartmann, E.,およびLaskey, R. A., Nature, 377, 246-248, (1995)。

【非特許文献9】

exach, M.,およびBlobel, G., Cel1 83, 683-692, (1995)。

【非特許文献10】

oneda, Y.,J. Biochem, Tokyo 121, 811-817 (1996)。





そこでこれまで、外部遺伝子とNLSペプチドを複合化することで、核内移行を促進し、ひいては発現効率をも向上させるべく多くの研究がなされてきた。しかし、NLSの効果が確認されたケースも有れば、発現効率に対する有意義な効果が否定された報告もあり、現在のところ方法論は確立していない。この原因の一つとして如上の複合体を形成させることが二段階の反応であり効率を低下させている可能性がある。

【非特許文献11】

anta, M. A.,Belguise-Valladier, P.,およびBehr, J. P., Proc.Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96, 9l-96 (1999)。

【非特許文献12】

ollas, P.,およびAlestrom, P., Biochem. Cell. Biol., 75, 633-640(1997)。

【特許文献1】

表平11-506935

【特許文献2】

表2002-514892

【特許文献3】

表2002-533088

【非特許文献13】

agasaki, T.,Myohoji, T., Tachibana, T.,およびTamagaki, S.,Bioconjugate Chem., 14, 282-286 (2003)。

【非特許文献14】

animoto, M.,Kamiya, H., Minakawa, N., Matsuda, A.,およびHarashima, H., Bioconjugate Chem., 14, 1197-1202 (2003)。





また、核内に移行した外部核酸物質は非ウイルスベクターとして機能するキャリアー化合物と結合したままでは転写反応効率が低下する。そこで、核内でのDNAリリース促進を目的として、刺激応答性を組み込む研究がなされており、光応答性やレドックス応答型キャリアーも検討されている。

【非特許文献15】

iyata, K., Kakizawa,Y., Nishiyama, N., Harada, A., Yamazaki, Y., Koyama, H., Kataoka, K (2004) J AmChem Soc., 126 (8), 2355-61。





このように、非ウイルスベクターにとっての細胞外から細胞核内までの核酸輸送行程における障壁を克服するための手段は断片的には提案されているものの、それらが有機的に協同効果を発揮するような系は見いだされておらず、非ウイルスベクターの効率は満足する域に達していない。

産業上の利用分野



本発明は、トランスフェクションに際してトランスフェクション効率が向上した非ウイルスベクターとして機能する新規な核酸構造体と、それを利用して細胞に遺伝子を導入する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞の核内に導入されるべき遺伝子を含む核酸物質、核膜孔を通過する機能を持ち核内輸送に関わるインポーティンタンパク、ならびに、前記核酸物質およびインポーティンタンパクのそれぞれに結合している結合物質から構成される三元複合体から成り、前記核酸物質が、ポリカチオン性物質であるポリエチレンイミンから成る前記結合物質と静電的な相互作用によりインタクトのままに結合され、前記ポリエチレンイミンが、ビオチン化されておりインポーティンタンパクにビオチンアビジン相互作用を介して結合しており、前記インポーティンタンパクがインポーティンβであることを特徴とする核内移行性核酸構造体。

【請求項2】
ポリエチレンイミンが細胞膜レセプター結合因子、および、膜融合性物質と結合しており、前記細胞膜レセプター結合因子がトランスフェリンであり、前記膜融合性物質がGALAであることを特徴とする請求項1に記載の核内移行性核酸構造体。

【請求項3】
センダイウイルスエンベロープに封入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の核内移行性核酸構造体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close