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熱電変換材料及び熱電変換材料の製造方法

国内特許コード P110003943
整理番号 BE060P06
掲載日 2011年7月4日
出願番号 特願2006-545060
登録番号 特許第4762911号
出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
国際出願番号 JP2005020939
国際公開番号 WO2006054550
国際出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
国際公開日 平成18年5月26日(2006.5.26)
優先権データ
  • 特願2004-331756 (2004.11.16) JP
発明者
  • 細野 秀雄
  • 平野 正浩
  • 太田 裕道
  • 河本 邦仁
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 熱電変換材料及び熱電変換材料の製造方法
発明の概要

新規な構成の熱電変換材料を提供する。第1の誘電体材料層と、第2の誘電体材料層と、前記第1の誘電体材料層と第2の誘電体材料層との間に存在する厚さが1nm以下の電子局在層と、を備えてなる熱電変換材料。

従来技術、競合技術の概要


近年、地球環境問題に対する意識が高まってきており、二酸化炭素排出量を削減するために、未利用廃熱エネルギーを使った発電システムを提供する、ゼーベック(Seebeck)効果を利用した熱電変換素子に対する関心が高まっている。熱電変換素子の駆動原理を模式的に図1に示した。
図1に示される熱電変換素子の場合、p型半導体とn型半導体を金属で接合し、接合部を加熱、非接合部を冷却する。これにより、半導体のゼーベック効果(温度差を与えたときの試料両端におけるフェルミレベルのエネルギー差に相当する起電力が生じる)を生じ、電池となる。
このような熱電変換素子は、人口衛星の補助電源として実用化されたものであるが、例えば地熱、工場の排熱、太陽熱、化石燃料等の燃焼熱から電力を得ることができるので、エネルギーの有効利用が有望視されている。しかし、毒性の強い重金属元素から構成される金属間化合物半導体材料を用いているため、高温でも安定な材料の開発が行われているものの、開発情況が未だ実験室レベルの域を出ていない。



熱電変換材料における半導体試験片両端に温度差をつけると、温度差に比例した熱起電力が発生する現象(ゼーベック(Seebeck)効果とよばれる現象)において、その比例係数(温度差1℃あたりの熱起電力)はゼーベック係数と呼ばれる。熱電変換材料の性能は、一般に無次元性能指数ZTを用いて評価される。絶対温度Tにおける熱電変換材料の起電力を示すゼーベック係数をS、導電率をσ、熱伝導率をκとした時、無次元性能指数ZT = T (S2σ/κ)で示される。ZTの値が高いほど熱電変換材料としての特性が優れる。



熱電変換素子は、一般にp型、n型の熱電変換材料を金属で接合した熱電対を一対とし、所望の電圧を得るために熱電対を直列接続したモジュールとして用いる。このような熱電変換素子に用いるp型、n型の熱電変換材料は、変換効率の高さから、Bi2Te3系金属間化合物単結晶または多結晶を使用したものが多い。Bi2Te3は室温付近の温度域では最高の熱電変換性能(ZT = 1)を示すことが知られているが、変換効率が低く、体温と外気温度の差を利用した腕時計などに一部実用化されたに過ぎない。



1993年に米国マサチューセッツ工科大学のDresselhausらの研究グループから半導体超格子を作製することにより、熱電変換性能が飛躍的に向上することが理論的に予測され(非特許文献1)、実験的に一部証明された(非特許文献2)。理論の詳細は、量子井戸(井戸幅1 nm程度)にキャリアを閉じ込めることにより状態密度が増加するため、井戸幅に反比例してゼーベック係数の平方が増加するというものである。具体的には、井戸幅が10 nm以上であればゼーベック係数はバルク体とほぼ同程度、1 nmであればゼーベック係数はバルク体の約2倍、0.1 nmであればゼーベック係数はバルク体の約8倍になる。

【非特許文献1】L. D. Hicks and M. S. Dresselhaus, Phys. Rev. B47, 12727 (1993).)

【非特許文献2】M. S. Dresselhaus et al., Proceedings of the 16th International Conference on Thermoelectrics, 12 (1997).



量子井戸は一般に半導体薄膜成長プロセスである、分子線エピタキシー(MBE)法やCVD法によって作製されるが、1 nm以下の量子井戸幅の制御は極めて困難であるため、実現できるゼーベック係数の絶対値はバルク材料の2倍程度にとどまっていた。
本発明に関連する文献として、特許文献1~4を開示する。

【特許文献1】特開平8-222775号公報

【特許文献2】特開平231223号公報

【特許文献3】特開2003-257709号公報

【特許文献4】特開2004-363576号公報

産業上の利用分野


本発明は、熱電変換材料に係わり、特に酸化物半導体系の熱電変換材料、及び、当該熱電変換材料の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 第1の誘電体材料層と、
第2の誘電体材料層と、
前記第1の誘電体材料層と第2の誘電体材料層との間に存在する厚さが1nm以下であって、1×1020cm-3以上のキャリア電子密度を有する電子局在層と、
を備え、
前記第1の誘電体材料層はTiを含むペロブスカイト型酸化物からなり、前記第1の誘電体材料層と前記第2の誘電体材料層との界面で酸素欠損が生じて電子を生じさせ、この電子は当該界面及びその近傍のTi原子層に局在して前記電子局在層を形成する熱電変換材料。
【請求項2】 前記電子局在層の電子密度は前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より10倍以上大きいこと、を特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料。
【請求項3】 前記電子局在層の電子密度は前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より100倍以上大きいこと、を特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料。
【請求項4】 第1の誘電体材料層と、
第2の誘電体材料層と、
前記第1の誘電体材料層と第2の誘電体材料層との間に存在する厚さが1nm以下であって、1×1020cm-3以上のキャリア電子密度を有する電子局在層と、
を備え、
前記第1の誘電体材料層は組成式がATiO3(ここでAはCa、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも一種)で表されるTi含有ペロブスカイト型酸化物であり、前記第2の誘電体材料層はBO2 (ここでBはTi、Zr、Hfの群から選ばれる少なくとも一種)若しくは組成式がABO3 (ここでAはCa、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも一種、BはTi、Zr、Hfの群から選ばれる少なくとも一種)からなる、熱電変換材料。
【請求項5】 前記電子局在層の電子密度は前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より10倍以上大きいこと、を特徴とする請求項4に記載の熱電変換材料。
【請求項6】 前記電子局在層の電子密度は前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より100倍以上大きいこと、を特徴とする請求項4に記載の熱電変換材料。
【請求項7】 第1の誘電体材料層と、
第2の誘電体材料層と、
前記第1の誘電体材料層と第2の誘電体材料層との間に存在し、厚さが1nm以下であり、キャリア電子密度が前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より10倍以上大きい電子局在層と、
を備え、
前記第1の誘電体材料層はTiを含むペロブスカイト型酸化物からなり、前記第1の誘電体材料層と前記第2の誘電体材料層との界面で酸素欠損が生じて電子を生じさせ、この電子は当該界面及びその近傍のTi原子層に局在して前記電子局在層を形成する熱電変換材料。
【請求項8】 前記電子局在層の電子密度は前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より100倍以上大きいこと、を特徴とする請求項7に記載の熱電変換材料。
【請求項9】 第1の誘電体材料層と、
第2の誘電体材料層と、
前記第1の誘電体材料層と第2の誘電体材料層との間に存在し、厚さが1nm以下であり、キャリア電子密度が前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より10倍以上大きい電子局在層と、
を備え、
前記第1の誘電体材料層は組成式がATiO3(ここでAはCa、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも一種)で表されるTi含有ペロブスカイト型酸化物であり、前記第2の誘電体材料層はBO2 (ここでBはTi、Zr、Hfの群から選ばれる少なくとも一種)若しくは組成式がABO3 (ここでAはCa、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも一種、BはTi、Zr、Hfの群から選ばれる少なくとも一種)からなる、熱電変換材料。
【請求項10】 前記電子局在層の電子密度は前記第1及び第2の誘電体材料層のキャリア電子密度より100倍以上大きいこと、を特徴とする請求項9に記載の熱電変換材料。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開 領域
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