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Nd-Fe-B系磁石の粒界改質方法 新技術説明会

国内特許コード P110003950
整理番号 RX03P54
掲載日 2011年7月4日
出願番号 特願2006-548887
登録番号 特許第4548673号
出願日 平成17年12月14日(2005.12.14)
登録日 平成22年7月16日(2010.7.16)
国際出願番号 JP2005022963
国際公開番号 WO2006064848
国際出願日 平成17年12月14日(2005.12.14)
国際公開日 平成18年6月22日(2006.6.22)
優先権データ
  • 特願2004-365088 (2004.12.16) JP
発明者
  • 町田 憲一
  • 鈴木 俊治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人大阪大学
発明の名称 Nd-Fe-B系磁石の粒界改質方法 新技術説明会
発明の概要 従来の方法では、Dy金属などを焼結磁石の結晶粒界部に選択的に存在させて保磁力の向上を実現しているが、スパッタリングなどの真空槽を用いた物理的な成膜法によるため大量の磁石処理を行う場合の量産性に難点があった。また、成膜原料として高価で高純度のDy金属などを用いる必要性がある等の面で、磁石コストに問題がある。
M金属元素(但し、Mは、Pr,Dy,Tb,又はHo)のフッ化物、酸化物、又は塩化物を還元処理することにより、NdFe14B主結晶の周囲を取り囲むNdリッチ結晶粒界相を有するNd-Fe-B系焼結磁石体表面から該粒界相に該M金属成分を拡散浸透させることを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。
従来技術、競合技術の概要


希土類元素-鉄-ホウ素系磁石は、ハードデスクドライブのボイスコイルモータ(VCM
)や磁気断層撮影装置(MRI)の磁気回路などに広く使用されており、近年は電気自動
車の駆動モータにも応用範囲が拡大している。特に、自動車用途には耐熱性が要求され、
150~200℃の環境温度における高温減磁を避けるために高い保磁力を有する磁石が
求められている。



Nd-Fe-B系の焼結磁石は、Nd2Fe14B化合物主相をNdリッチな粒界相が取り
囲んだ微細構造から成り、これら主相及び粒界相の成分組成やサイズなどが磁石の保磁力
の発現に重要な役割を担っている。一般的な焼結磁石においては、Nd2Fe14B化合物
より異方性磁界の大きなDy2Fe14B又はTb2Fe14B化合物の磁気的性質を利用して
、磁石合金中にDyやTbを数質量%~十質量%程度含有させることによって高い保磁力
を実現しているが、DyやTbの含有量の増加につれて飽和磁化の急激な減少を招いて最
大エネルギー積((BH)max)と残留磁束密度(Br)を低下させる問題があった。ま
た、DyやTbは希少資源であり、且つNdと比較して数倍の高価な金属であるために、
その使用量を節減する必要があった。



Nd-Fe-B系の焼結磁石の残留磁束密度の低下を抑制しつつ保磁力を向上させるには
、逆磁区の発生源となりやすい結晶粒界や磁石表面層を清浄化して磁気的に強化すること
が望ましく、DyやTb等をNd2Fe14B主相内ではなく粒界相に優先的に存在させる
のが有効であることが知られている。



例えば、焼結磁石を製作する際にNd2Fe14Bを主とする合金と、Dy等を多く含む合
金を別々に製作し、各粉末を適正比率で混合して成形焼結することにより保磁力を向上さ
せる方法が知られている(特許文献1、2、非特許文献1)。



また、焼結磁石の製造工程中の工夫によらず、得られた焼結体の処理による方法としては
、微小微細なNd-Fe-B系焼結磁石成形体の表面及び粒界相に希土類金属を導入して
磁気特性を回復する方法(特許文献3、4)や、小型に加工された磁石表面にスパッタに
よりDy又はTb金属を被着させて高温熱処理によりDy又はTbを磁石内部に拡散する
方法(非特許文献2,3)が報告されている。さらに、DyをNd-Fe-B系焼結磁石
の粒界に拡散させる方法として、スパッタ膜を加熱する方法(特許文献5)、Dyの酸化
物又はフッ化物の微粉末を磁石に塗布してから表面拡散処理と時効処理を施す方法が報告
されている(非特許文献4)。



【特許文献1】
特開昭61-207546号公報
【特許文献2】
特開平05-021218号公報
【特許文献3】
特開昭62-74048号公報
【特許文献4】
特開2004-296973号公報
【特許文献5】
特開平01-117303号公報
【非特許文献1】
M.Kusunoki et al.3rd IUMRS Int.Conf.On Advanced Materials,p.1013(1993)
【非特許文献2】
K.T.Park et al.Proc.16th Workshop on RareEarth Magnets and Their Application,Sendai,p.257(2000)
【非特許文献3】
町田 他 粉体粉末冶金協会平成16年度春季大会講演概要集、p.202(2004)
【非特許文献4】
中村 元 IEEJ Journal,Vol.124,No.11,pp.699-702(2004)

産業上の利用分野


本発明は、Nd-Fe-B系磁石の結晶粒界相にDy又はTb元素などを磁石表面から拡
散浸透させて粒界改質する方法による量産性に優れた高性能磁石の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
M金属元素(但し、Mは、Pr,Dy,Tb,又はHo)のフッ化物、酸化物、又は塩化
物を化学的還元剤を用いて還元処理することにより、Nd2Fe14B主結晶の周囲を取り囲むNdリッチ結晶粒界相を有するNd-Fe-B系焼結磁石体表面から該粒界相に該M金属元素を拡散浸透させることを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。

【請求項2】
請求項1記載の改質方法において、還元処理を、酸素濃度が1容積%以下の低酸素雰囲気
下で行うことを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。

【請求項3】
請求項記載の方法において、化学的還元剤がCa金属又はMg金属、又はそれらの水素
化物であることを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。

【請求項4】
請求項記載の方法において、化学的還元剤としてCa金属又はMg金属を用い、M金属
元素のフッ化物、酸化物、又は塩化物の融点降下剤を加えて液相で還元処理することを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。

【請求項5】
M金属元素のフッ化物、酸化物、又は塩化物と、Li金属又はBa金属、又はそれらの塩
類とを加熱溶融し、Nd-Fe-B系磁石体を陰極とし、金属又は合金、又は黒鉛を不溶性陽極として溶融塩電解により還元処理することによりNd2Fe14B主結晶の周囲を取り囲むNdリッチ結晶粒界相を有するNd-Fe-B系焼結磁石体表面から該粒界相に該M金属元素を拡散浸透させることを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。

【請求項6】
請求項5記載の方法において、不溶性陽極に代えて、M金属元素の金属/合金を可溶性陽
極とし用いることを特徴とするNd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。

【請求項7】
請求項1又は5記載の方法において、還元処理後引き続き時効処理することを特徴とする
Nd-Fe-B系磁石の粒界改質方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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