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ナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体 コモンズ

国内特許コード P110003951
整理番号 N051P35
掲載日 2011年7月4日
出願番号 特願2006-549069
登録番号 特許第4843505号
出願日 平成17年12月22日(2005.12.22)
登録日 平成23年10月14日(2011.10.14)
国際出願番号 JP2005023675
国際公開番号 WO2006068250
国際出願日 平成17年12月22日(2005.12.22)
国際公開日 平成18年6月29日(2006.6.29)
優先権データ
  • 特願2004-374093 (2004.12.24) JP
発明者
  • 芝 清隆
  • 佐野 健一
  • 岩堀 健治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体 コモンズ
発明の概要 無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子形成能をもつフェリチン分子の持つ能力を融合することで、カーボンナノチューブ・カーボンナノホーン、あるいはその修飾体を効率良く、認識し、機能性化合物を担持させることを可能にすること。また、フェリチン分子は界面で二次元結晶形成能を有することから、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合したフェリチンの分子配列能を利用したカーボンナノチューブ・カーボンナノホーンの整列を可能にするものである。フェリチン等のケージタンパク質表面に、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合又は化学的に結合させたタンパク質の内部空間に、無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を保持させ、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドのナノ黒鉛構造体との親和性を利用して、ナノ黒鉛構造体に無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を複数担持させたナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体を作る。
従来技術、競合技術の概要


炭素の結晶構造としてはダイヤモンドとグラファイトが古くから知られているが、1985年にはスモーリー(R.E.Smalley)、カール(R.F.Curl)、クロトー(H.W.Kroto)らにより(C60)が発見された(例えば、非特許文献1)。C60は12個の5角形と20個の6角形からなるサッカーボール状の構造をしており、C60のほかにもC70、C76などの大きな籠状分子が存在し、これら一連の分子は「フラーレン」と呼ばれている。また、1991年には飯島澄男により「カーボンナノチューブ」(非特許文献2、特許文献1)、1999年には同じく飯島澄男により「カーボンナノホーン」(非特許文献3、特許文献1)といった、それまで存在が知られていなかった新しい構造を持った炭素系化合物が相次いで発見された。これら、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンはいずれも炭素原子の6員環と5員環から構成されており、ナノメートルスケールの微細構造体を形成することから、「ナノ黒鉛構造体」として近年大きな注目を集めている。



ナノ黒鉛構造体が注目を集める理由をいくつか上げてみると、「カーボンナノチューブが、そのカイラリティーの違いにより金属と半導体の両方の性質をもつことができる」(非特許文献4)、「金属導入フラーレンが超電導を示す」(非特許文献5)、「カーボンナノホーンの示す選択的な気体貯蔵能力」(非特許文献6)、「カーボンナノホーンのもつ医薬化合物の担持、徐放能力」(特許文献2、非特許文献7)などがある。これらの特徴的な性質を利用して、新しい電子材料や触媒、光材料、その他の分野で、より具体的には、半導体配線、蛍光表示管、燃料電池、ガス貯蔵、遺伝子治療ベクター、化粧品、薬品送達システム、バイオセンサーなどへのナノ黒鉛構造体の応用利用が期待されている。



発明者の一人、芝清隆らはナノ黒鉛構造体の一つであるカーボンナノホーンに結合するペプチドモチーフを、ファージ提示法により単離している(特許文献3、非特許文献8)。



一方、フェリチンタンパク質は、「必須の金属であるが、毒性も同時に備えもつ『鉄』分子」を生体内で貯蔵するタンパク質として、古くから知られている。フェリチンは動・植物からバクテリアまで普遍的に存在していて、生体あるいは細胞中の鉄元素のホメオスタシスに深く関わっている。ヒトやウマなどの高等真核生物のフェリチンは、分子量約20kDaのペプチド鎖が直径約12nmの24量体からなる球核状構造を形成し、内部に7-8nmの空間を持つ。この内部空間に、ナノ粒子状の酸化鉄のかたまりとして鉄分子を貯蔵している。タンパク質球殻(ケージ)を構成する24個のサブユニットには2種類のタイプ(Hタイプ、Lタイプ)があり、その組成比は生物種、組織により異なっている。



天然には鉄のナノ粒子を内部に貯蔵するフェリチンであるが、しかしながら人工的には、鉄以外にも、ベリリウム、ガリウム、マンガン、リン、ウラン、鉛、コバルト、ニッケル、クロムなどの酸化物、また、セレン化カドミウム、硫化亜鉛、硫化鉄、硫化カドミウムなどの半導体・磁性体などのナノ粒子を貯蔵できることが示されており、半導体材料工学分野や保険医療分野での応用研究が盛んにおこなわれている。



【特許文献1】
特開2001-64004
【特許文献2】
特願2004-139247
【特許文献3】
特開2004-121154
【非特許文献1】
Nature, 318:162-163, 1985
【非特許文献2】
Nature, 354:56-58, 1991
【非特許文献3】
Chem. Phys. Lett., 309: 165-170, 1999
【非特許文献4】
Nature, 391:59-62
【非特許文献5】
Nature, 350:600-601
【非特許文献6】
日経サイエンス、42, 8月号, 2002
【非特許文献7】
Mol Pharmaceutics 1: 399
【非特許文献8】
Langmuir, 20, 8939-8941, 2004

産業上の利用分野


本発明は、フェリチン等のケージタンパク質の表面にナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合又は化学的に結合させたタンパク質や、該タンパク質を用いて作製した、ナノ黒鉛構造体に無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を複数担持させたナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体等に関する。例えば、ナノメートルスケールの微細構造を有する黒鉛構造化合物とこれを特異的に認識する融合フェリチン等のケージタンパク質を介して、ナノ粒子を複数担持させたナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体は、半導体・ナノバイオテクノロジーなどに有利に用いることができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
フェリチンのN末端又はループ構造部位に、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合させたフェリチンの内部空間に、無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を添加して保持させ、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドのナノ黒鉛構造体との親和性を利用して、ナノ黒鉛構造体に無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を複数担持させたナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項2】
フェリチンが、高等真核生物由来のフェリチンであることを特徴とする請求項1記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項3】
高等真核生物由来のフェリチンが、ウマ脾臓由来Lタイプのフェリチンであることを特徴とする請求項記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項4】
ナノ黒鉛構造体認識ペプチドが、配列番号1~20のいずれかに示されるアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項5】
ナノ黒鉛構造体認識ペプチドが、配列番号1~20のいずれかに示されるアミノ酸配列の全部又はその一部を含むナノ黒鉛構造体に結合能を有するペプチドであることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項6】
配列番号1~20のいずれかに示されるアミノ酸配列が、DYFSSPYYEQLF(配列番号1)であることを特徴とする請求項4又は5記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項7】
配列番号1~20のいずれかに示されるアミノ酸配列が、YDPFHII(配列番号2)であることを特徴とする請求項4又は5記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項8】
無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子が、金属ナノ粒子であることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項9】
無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子が、金属化合物ナノ粒子であることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項10】
金属化合物ナノ粒子が、酸化金属ナノ粒子であることを特徴とする請求項記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項11】
金属化合物ナノ粒子が、磁性材料ナノ粒子であることを特徴とする請求項記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項12】
金属が、鉄、ベリリウム、ガリウム、マンガン、リン、ウラン、鉛、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム又はクロムであることを特徴とする請求項1~11のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項13】
無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子が、酸化鉄ナノ粒子、セレン化カドミウムナノ粒子、セレン化亜鉛ナノ粒子、硫化亜鉛ナノ粒子、又は硫化カドミウムナノ粒子であることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項14】
ナノ黒鉛構造体が、カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンであることを特徴とする請求項1~13のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項15】
カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンが、構成する炭素構造に官能基が付加されていることを特徴とする請求項14記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項16】
ナノ黒鉛構造体が基板上で二次元に整列されていることを特徴とする請求項1~15のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項17】
金属ナノ粒子が基板上で二次元に整列されていることを特徴とする請求項1~15のいずれか記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項18】
ケージタンパク質が除去されていることを特徴とする請求項16記載のナノ黒鉛構造体-金属ナノ粒子複合体。

【請求項19】
フェリチンのN末端又はループ構造部位に、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合させたタンパク質の内部空間に、無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を添加して保持させ、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドのナノ黒鉛構造体との親和性を利用して、ナノ黒鉛構造体に無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を複数担持させる方法。

【請求項20】
フェリチンのN末端又はループ構造部位に、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合させたタンパク質の内部空間に、無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を添加して保持させ、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドのナノ黒鉛構造体との親和性を利用して、ナノ黒鉛構造体に無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を複数担持させ、加熱処理によりタンパク質部分を取り除き、ナノ黒鉛構造体と無機金属化合物のナノ粒子との複合体を作る方法。

【請求項21】
フェリチンのN末端又はループ構造部位に、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドを融合させたタンパク質の内部空間に、無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を添加して保持させ、ナノ黒鉛構造体認識ペプチドのナノ黒鉛構造体との親和性を利用して、ナノ黒鉛構造体に無機金属原子又は無機金属化合物のナノ粒子を複数担持させ、電子線処理によりタンパク質部分を取り除き、ナノ黒鉛構造体と無機金属化合物のナノ粒子との複合体を作る方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 医療に向けた自己組織化等の分子配列制御による機能性材料・システムの創製 領域
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