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自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および当該方法を用いて作製した基板 コモンズ

国内特許コード P110003953
整理番号 N051P38
掲載日 2011年7月4日
出願番号 特願2006-550826
登録番号 特許第4585523号
出願日 平成17年12月27日(2005.12.27)
登録日 平成22年9月10日(2010.9.10)
国際出願番号 JP2005023981
国際公開番号 WO2006070841
国際出願日 平成17年12月27日(2005.12.27)
国際公開日 平成18年7月6日(2006.7.6)
優先権データ
  • 特願2004-381549 (2004.12.28) JP
発明者
  • 川合 知二
  • 田畑 仁
  • 大塚 洋一
  • 山田 郁彦
  • 松本 卓也
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および当該方法を用いて作製した基板 コモンズ
発明の概要 本発明は、自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および自己組織化材料または微粒子を固定化した基板に関する。より具体的には、本発明は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)または金属酸化物を含む微粒子を基板上に固定化する方法、および核酸(例えば、DNAまたはRNA)または金属酸化物を固定化した基板に関する。
従来技術、競合技術の概要

医療分野では、遺伝子を用いる疾患の診断、治療または予防(すなわち、遺伝子診断)が大いに期待されている。遺伝子診断を用いれば、例えば、特定の疾患の原因遺伝子における欠陥または変化を調べることによって、疾患の発症前または初期段階において診断、治療または予防を行うことができる。また、遺伝子診断を用いれば、ヒトゲノム解析結果に基づいて、遺伝子型と疾病との間の関連性に基づく、いわゆるテーラーメイド医療も可能になる。よって、遺伝子の検出および/または遺伝子型の決定を簡便に行うためのさらなる開発が期待されている。


遺伝子の検出および/または遺伝子型の決定を行うためのツールとして、基板または担体に固定化した核酸と被験体サンプルとのハイブリダイゼーションを行うためのDNAチップ(DNAマイクロアレイ、すなわち、核酸固定化基板)が利用されている。このようなDNAチップは、基礎医学においてだけでなく、臨床、創薬、および/または予防医学における用途に有用であると考えられている。


また、このような核酸固定化基板は、核酸ベースのナノテクノロジー(例えば、微細ワイヤ、バイオセンサおよびバイオチップなどの核酸ベースのナノエレクトロニクス)の開発にも非常に重要である(例えば、非特許文献1を参照のこと)。


ハイブリダイゼーション法に基づく核酸の検出において、DNAフラグメントなどの核酸プローブと相補性を持つ核酸(標的DNA)を含むサンプルをニトロセルロース膜などの担体上に固定化して溶液中の核酸プローブを反応させる方法が開示されている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。


DNAチップに用いられる核酸を基板上に固定化する方法として、基板上で直接核酸プローブを合成する方法(例えば、非特許文献3を参照のこと)が公知であり、核酸の担体上への固定化方法として、あらかじめ調製した核酸プローブを担体上に固定化する方法(例えば、非特許文献4を参照のこと)が公知である。


また、アミノ基やアルデヒド基などの官能基を有するシランカップリング剤で表面処理を施した固相担体と官能基修飾を施した核酸プローブを、DNAチップ作製装置を用いてスポットした後に共有結合させる方法が公知である(例えば、非特許文献5を参照のこと)。


具体的には、固体表面に自己組織化材料(例えば、核酸)を結合させる方法としては、基板表面にシラン処理を施すことによって、核酸分子と結合し得るビニル基を基板表面に導入する方法(例えば、非特許文献6を参照のこと)、カウンターイオンを用いて基板上に核酸を結合させる方法(例えば、非特許文献7~9を参照のこと)、pH値を化学的に制御することによって、種々の基板表面における固定化の程度を調整する方法(例えば、非特許文献10を参照のこと)、NaPO溶液でAl表面を処理することによって、表面を親水性化する方法(例えば、非特許文献11を参照のこと)、および基板表面から有機不純物を除去する手法として、高価な装置を必要とする酸素プラズマ処理を用いて基板表面の分子を改変する方法(例えば、特許文献1および2を参照のこと)が挙げられる。


電気分野においては、核酸がアルミニウム電極に対して共有結合に類似した強い結合を示すことについて報告されている(例えば、非特許文献12を参照のこと)。
【特許文献1】
WO97/38801公報(1997年10月23日公開)
【特許文献2】
特開2002-218976公報(平成14年8月6日公開)
【非特許文献1】
Storhoff,J.J.およびMirkin,C.A.:Chem.Rev.99,1849-1862(1999)
【非特許文献2】
Molecular Cloning 2nd.Ed.(ColdSpring Harbor Press)
【非特許文献3】
Forder,S.P.A.ら、Science,251,767-773(1991)
【非特許文献4】
Schena,M.ら、Science,270,467-470(1995)
【非特許文献5】
Geo,Z.ら、Nucleic Acid Research,22,5456-5465(1994)
【非特許文献6】
Bensimon,D.ら、Physical Review Letters 74,23,4754-4757(1995)
【非特許文献7】
Ye,J.Y.ら、Analytical Biochemistry 281,21-25(2000)
【非特許文献8】
Dunlap,D.D.ら、Nucl.Acid Res.25,3095(1997)
【非特許文献9】
Lyubchenko,Y.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,496(1997)
【非特許文献10】
Allemand,J.F.ら、Biophysical Journal,73,2064-2070(1997)
【非特許文献11】
Yoshida,K.ら、Biophysical Journal,74,1654-1657(1998)
【非特許文献12】
Washizu,M.ら、IEEE Trans.Industr.Appl.,31,3,447-456(1995)。


非特許文献3に記載される方法の適用としては、半導体作製に利用されるフォトリソグラフィー技術と固相合成技術を組み合わせて、スライドガラスやシリコン基板上で核酸プローブを合成する方法が知られている。しかしながら、オンチップ合成法では基板上で核酸プローブを合成するための特殊な装置と試薬が必要であり、さらには、合成できる核酸プローブの長さも数10塩基程度に限られるという問題がある。


非特許文献4に記載される方法の適用としては、DNAチップ作製装置を用いてあらかじめ調製した核酸プローブを、ポリ-L-リジンなどで表面処理を施した固相担体表面にスポットして静電結合させる方法が知られている。このような核酸プローブを静電結合させる方法では、長い核酸プローブを固定化することが可能であるが、ハイブリダイゼーション反応操作の結果、再現性が得られないという欠点がある。


非特許文献5に記載される方法を用いれば、核酸プローブを固相担体に比較的強固に結合させることができる。しかしながら、核酸プローブの調製には、官能基修飾を施したオリゴヌクレオチドを用いてPCR法により増幅するという煩雑な工程が必要である。さらには、このような調整法では、数千塩基といった長い核酸プローブを調製することが困難であるために、結果として長い核酸プローブを固定化することが困難となる。


上述したように、基板表面に核酸分子を結合させる手法として、(1)基板表面を分子修飾する方法、または(2)基板表面をプラズマ処理する方法が採用されている。しかしながら、分子修飾を用いる場合、多くの工程および設備が必要とされ、プラズマ処理を用いる場合、大規模の設備および多大な費用が必要とされる。すなわち、従来の技術では、基板表面に容易かつ安価な手法で基板表面に核酸分子を直接結合させることはできなかった。


本発明者らは、DNA構造およびその複合体またはその電気的特性を研究する際、基板構造の影響を排除するためにはDNAを原子レベルで平坦な基板上に固定化または伸長することが重要であることを見出した。DNA固定化は、非常によく研究されている。雲母、ガラス、金およびhighly oriented pyrolytic graphite(HOPG)が基板として頻繁に使用されている。原子レベルで平坦な基板を得るために、雲母およびHOPGは非常に容易に切断され得るが、基板上に分子を保持するためにはさらなるカチオン(例えば、マグネシウムイオンまたはニッケルイオン)が必要とされる。ガラス基板もまた表面修飾を必要とする。例えば、アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を使用してDNAを固定化する。APSはガラス表面を覆い、アミノ基を有する陽性に荷電した(正電荷の)表面を形成するので、二重らせんの周囲にあるホスフェート基(負電荷)を有するDNAは、静電力によって基板上に吸着する。金粒子は、チオール末端化DNAに使用され得る。なぜなら、金とチオール基との間に共有結合が形成されるからである。


本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自己組織化材料を基板表面に低密度から高密度まで制御可能に固定化し、かつ、低コストで製造できる自己組織化材料固定化基板を提供することである。具体的には、本発明は、基板上に、他の分子を用いる化学的な表面修飾(例えば、APS処理)を施すことなく、DNAを単純に固定化する方法およびDNAを伸長させる方法、ならびに当該方法を用いて作製された基板を提供することを目的とする。また、本発明のさらなる目的は、基板表面上に微粒子を所望の形状でマイクロメートル四方にわたって一次元的に配列させる方法を提供することにある。

産業上の利用分野

本発明は、自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および自己組織化材料または微粒子を固定化した基板に関するものである。具体的には、本発明は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)または金属酸化物を含む微粒子を基板上に固定化する方法、および核酸(例えば、DNAまたはRNA)または金属酸化物を固定化した基板に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に自己組織化材料を固定化する方法であって、
過酸化水素水と塩酸の混合溶液からなる酸溶液を、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、Ga-Gd-ガーネットY-Fe-ガーネット、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOまたはNdGaOからなる基板上に提供して、該基板上に水酸基を形成させる工程;および
該酸溶液を除去した基板上に該自己組織化材料を含む溶液を提供して、該基板上に形成された該水酸基と該自己組織化材料とを直接的に結合させる工程
を包含する、方法。

【請求項2】
前記自己組織化材料が、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記基板上に提供された前記自己組織化材料を含む溶液を乾燥させる工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
前記乾燥させる工程を、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行う、あるいはスピンコートによって行う、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
自己組織化材料が固定化された基板であって、該自己組織化材料が、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、Ga-Gd-ガーネットY-Fe-ガーネット、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOまたはNdGaOからなる基板上に施された、過酸化水素水と塩酸の混合溶液からなる酸溶液による酸処理によって基板表面に形成された水酸基と直接的に結合している、基板。

【請求項6】
前記自己組織化材料が、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖である、請求項5に記載の基板。

【請求項7】
前記自己組織化材料が微粒子を担持している、請求項5に記載の基板。

【請求項8】
前記微粒子が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなる、請求項7に記載の基板。

【請求項9】
前記微粒子の粒経が、1nm~100nmの範囲内である、請求項7に記載の基板。
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 医療に向けた自己組織化等の分子配列制御による機能性材料・システムの創製 領域
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