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フラーレン誘導体の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110003965
整理番号 E079P09
掲載日 2011年7月4日
出願番号 特願2007-039836
公開番号 特開2008-201721
登録番号 特許第4877800号
出願日 平成19年2月20日(2007.2.20)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
登録日 平成23年12月9日(2011.12.9)
発明者
  • 中村 栄一
  • 松尾 豊
  • 岩下 暁彦
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 フラーレン誘導体の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 フラーレン骨格に特定の種類の有機基を特定の数だけフラーレンに付加できるフラーレン誘導体の製造方法が求められている。また、低コストで、目的のフラーレン誘導体を収率良く選択的に製造するフラーレン誘導体の製造方法が求められている。
【解決手段】 フラーレンに、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」という)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。そして、フラーレン誘導体を用いた電子伝導材料、半導体、医薬や生理活性物質等の各種用途開発が進められている。



このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[例えば、特開平10-167994号公報(特許文献1)、特開平11-255509号公報(特許文献2)、J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996)(非特許文献1), Org. Lett., 2, 1919 (2000) (非特許文献2), Chem. Lett., 1098 (2000) (非特許文献3)]。



具体的には、特開平10-167994号公報(特許文献1)には、5重付加フラーレン誘導体の製造方法として、フェニルグリニヤール試薬とCuBr-SMe2とから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フラーレンC60の一つの5員環の廻りを取り囲むように5個のフェニル基が位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60Ph5H)が定量的に得られることが記載されている。



しかしながら、フェニルグリニヤール試薬とCuBr-SMe2とから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させるフラーレン誘導体の製造方法は、フラーレンの5重付加体、6重付加体、7重付加体、10重付加体などの製造においては目的物の収率が比較的高いが、モノ付加体、2重付加体、3重付加体などフラーレンに付加する置換基が少ない誘導体を合成する場合には、目的物の収率が低いため、この方法を用いることは困難であった。



上記方法の他に、フラーレンに有機基を付加させる方法の一つとして、三塩化アルミニウム存在下で、フラーレンとトルエンを反応させる方法が提案されている(G.A.Olah, et al., J. Am. Chem. Soc., 113, 9387-9388 (1991)(非特許文献4), Olah, G. A.; Bucsi, I.; Ha, D.S.; Aniszfeld, R.; Lee, C. S.; Prakash, G.K.S Fullerene Science and Technology 1997, 5,389(非特許文献5))。この方法は、三塩化アルミニウムで代表されるルイス酸を用いたFriedel-Crafts型反応として知られているが、アルキルが付加されたフラーレン誘導体が多岐にわたり、目的物の収率が低いという問題があった。
【特許文献1】
特開平10-167994号公報
【特許文献2】
特開平11-255509号公報
【非特許文献1】
J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996)
【非特許文献2】
Org. Lett., 2, 1919 (2000)
【非特許文献3】
Chem. Lett., 1098 (2000)
【非特許文献4】
G.A.Olah, et al., J. Am. Chem. Soc., 113, 9387-9388 (1991)
【非特許文献5】
Olah, G. A.; Bucsi, I.; Ha, D.S.; Aniszfeld, R.; Lee, C. S.; Prakash, G.K.S Fullerene Science and Technology, 5,389(1997)

産業上の利用分野


本発明は、フラーレン誘導体の製造方法に関し、具体的には、フラーレンに、少なくとも、ルイス酸(A)とベンゼンまたはその誘導体(B)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレンC60に、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法であって、
ルイス酸(A)が、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表される化合物であり、
ベンゼンまたはその誘導体(B)が、下記式(5)
【化1】


[式中、R~R11は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリール基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アリロキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、または、ハロゲンである。]
で表される化合物であって、前記置換基がC~C10炭化水素基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である化合物である、
フラーレン誘導体の製造方法

【請求項2】
フラーレン誘導体が下記式(1A)または(1B)
【化2】


[式中、R、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有してもよいC~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項3】
フラーレン誘導体が下記式(2)
【化3】


[式中、RとRは、それぞれ独立して置換基を有してもよいC~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項4】
フラーレン誘導体が下記式(3)
【化4】


[式中、Rは、置換基を有してもよいC~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項5】
ルイス酸(A)1モルに対して、水(D)またはアルコール(C)を0.05~0.6モル添加する、請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項6】
さらに、溶媒として、ジクロロベンゼンを用いる、請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項7】
~Rが、それぞれ独立して下記式(4)
【化5】


[式中、R~R11は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリール基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アリロキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、または、ハロゲンである。]
で表される基であり、前記置換基がC~C10炭化水素基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である、
請求項2~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項8】
とR10が、それぞれ独立して置換基を有してもよいC~C20のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいC~C18のアリール基、または、ハロゲンであり、RとRとR11が水素原子であり、前記置換基がC~C10炭化水素基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である、
請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項9】
ルイス酸(A)が、塩化アルミニウムである請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項10】
アルコール(C)がメチルアルコールである請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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