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イオン性カードラン誘導体および該カードラン誘導体と疎水性高分子から成る複合体 コモンズ

国内特許コード P110003970
整理番号 B18P39
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-048690
公開番号 特開2008-208294
登録番号 特許第5112716号
出願日 平成19年2月28日(2007.2.28)
公開日 平成20年9月11日(2008.9.11)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発明者
  • 新海 征治
  • 池田 将
  • 沼田 宗典
  • 長谷川 輝明
  • 杉川 幸太
  • 櫻井 和朗
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 イオン性カードラン誘導体および該カードラン誘導体と疎水性高分子から成る複合体 コモンズ
発明の概要 【課題】天然多糖であるカードランの水溶性誘導体。
【解決手段】6位に炭素に選択的にイオン性置換基を導入した下記の化学式1で示される繰り返し単位から成るカードラン誘導体。式中、Rはイオン性置換基。各種の疎水性高分子と混合して、水溶性複合体を形成する。



【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


近年、多糖に代表される水溶性らせん高分子は、その特異な構造からキラル認識や分離のための材料として注目されている(非特許文献1および2)。また、らせん構造は、タンパク質のヘリックス構造や核酸の二重らせんに代表されるように生体機能を発現・制御する上でも欠かすことのできない重要な構造である。したがって、らせん構造を発現する水溶性高分子の合成は、キラルテクノロジーおよびバイオテクノロジーの技術革新にとって重要な課題である(非特許文献3および4)。
【非特許文献1】
Y. Okamotoand E. Yashima, Angew.Chem. Int. Ed., 37, 1020-1043 (1998)
【非特許文献2】
E. Yashima, K. Maeda and T. Nishimura, Chem.-Eur. J., 10, 42-51 (2004)
【非特許文献3】
T. Nakano andY. Okamoto, Chem. Rev., 101, 4013-4038 (2001)
【非特許文献4】
J. J. L. M. Cornelissen, A. E. Rowan, R. J. M. Nolte and N. A. J. M. Sommerdijk, Chem. Rev., 101, 4039-4070 (2001)



上記のような水溶性らせん高分子と疎水性高分子との複合体はそれぞれの機能を同時に活用できる材料として注目されている。これまでに、例えば水溶性らせん高分子としてアミロースを用いることで、カーボンナノチューブとの複合体(非特許文献5および6)や高分子との複合体(非特許文献7および8)などが合成されている。代表的な疎水性高分子である共役高分子(非特許文献9)やカーボンナノチューブ(非特許文献10および11)はその電気化学的、光化学的性質から導電材料やセンサーとしての応用が検討されている。このような疎水性高分子を水溶性らせん高分子で水溶化し、複合体として得ることは、生体適合性のあるセンサーの創製やナノレベルにおける成形性の向上などの効果が期待される。また、核酸との複合体はジーンデリバリーなどのバイオテクノロジーへの応用が期待される(非特許文献12)。したがって、水溶性らせん高分子と疎水高分子の複合体は、ナノテクノロジーおよびバイオテクノロジーの分野で有用な材料へと応用可能である。
【非特許文献5】
A. Star, D.W. Steuerman, J. R. Heath and J. F. Stoddart, Angew. Chem. Int. Ed., 41,2508-2512 (2002)
【非特許文献6】
O.-K. Kim, J.Je, J. W. Baldwin, S. Kooi,P. E. Pehrsson and L. J. Buckley, J. Am. Chem. Soc. 125,4426-4427 (2003)
【非特許文献7】
T. Sanji, N. Kato, M. Kato and M. Tanaka, Angew.Chem. Int. Ed., 44, 7301-7304 (2005)
【非特許文献8】
Y. Hui and W. Zou, in Frontiers in Supramolecular Organic Chemistry and Photochemistry (Eds.:H.-J. Schneider, H.Duerr), VCH, Weinheim,1991, pp. 203-221.
【非特許文献9】
D. T. McQuade, A. E. Pullen and T. M. Swager,Chem. Rev., 100, 2537-2574 (2000)
【非特許文献10】
M. M. J. Treacy, T. W. Ebbesen and J. M.Gibson, Nature, 381, 678-680 (1996)
【非特許文献11】
S. J. Tans, M.H. Devoret, H. Dai, A. Thess,R. E. Smalley, L. J. Geerlings and C. Dekker, Nature, 386, 474-477 (1997)
【非特許文献12】
S. C. D. Smedt, J. Demeester and W. E. Hennink, Pharm. Res., 17, 113-126(2000)



本発明者らは、水溶性かつ天然のβ-1,3-グルカンの一種であるシゾフィラン(以下、SPGということがある。図2参照)が核酸や機能性分子と複合体を形成することを明らかにしている。β-1,3-グルカンは、天然に存在する状態では一般に三重のらせん構造を形成しているが、非プロトン性の極性溶媒またはアルカリ水溶液中では一本鎖のランダムコイル状に解離していることが知られている。そして、そのランダムコイル状のβ-1,3-グルカンは、水中で三重のらせん状に巻き戻ること、その際に一本鎖の核酸や疎水性高分子物質が存在すると、それらを巻き込んで超らせん構造を有する複合体を形成することが本発明者らにより発見されている。
【特許文献1】
再表2001-034207
【特許文献2】
特開2005-104762
【特許文献3】
特開2006-131735
【特許文献4】
特開2006-160770
【特許文献5】
特開2006-205302
【特許文献6】
特開2006-241334
【特許文献7】
特開2006-248973
【非特許文献13】
K. Sakuraiand S. Shinkai, J. Am. Chem. Soc., 122 (18),4520-4521 (2000)
【非特許文献14】
M. Numata, M. Asai, K. Kaneko, A. Bae, T. Hasegawa, K. Sakurai and S. Shinkai,J. Am. Chem. Soc., 127 (16), 5875-5884 (2005)
【非特許文献15】
T. Hasegawa,S. Haraguchi, M. Numata, T.Fujisawa, C. Li, K. Kaneko, K. Sakurai and S. Shinkai,Chem. Lett., 34 (1), 40-41 (2005)
【非特許文献16】
C. Li, M. Numata, A. Bae, K. Sakurai and S.Shinkai, J. Am. Chem. Soc., 127 (13), 4548-4549(2005)
【非特許文献17】
A. Bae, M. Numata, T. Hasegawa, C.Li, K. Kaneko, K. Sakurai and S. Shinkai, Angew. Chem. Int. Ed., 44 (13), 2030-2033 (2005)
【非特許文献18】
K. Sakurai,K. Uezu, M. Numata, T.i Hasegawa, C. Li, K. Kaneko and S. Shinkai;Chem. Commun., 35, 4383-4398 (2005)
【非特許文献19】
M. Numata, C. Li, A.-H. Bae, K.Kaneko, K. Sakurai and S. Shinkai, Chem. Commun., 37, 4655-4657 (2005)



シゾフィランの如き水溶性β-1,3-グルカンを用いる多糖/高分子複合体の調製においては天然の素材をそのまま使用できるメリットがある反面、DMSOのような極性溶媒やNaOHのような塩基の水溶液に一旦溶解させ、三重鎖のへリックス構造をランダムコイル状に解離させた後に対象高分子と混合し、さらに水を加えて巻き戻し・熟成させる必要があるため、操作が煩雑、かつ極性溶媒の処理を要した。一方、天然素材から安価に得られるβ-1,3-グルカン(図1(A)参照)の一種であるカードランは、水に難溶で、高分子との複合体形成に利用するには不向きであった。
【非特許文献20】
I.-Y. Lee,In Biotechnology of Biopolymers-From Synthesis to Patents (Ed.: A. Steinbuechel,Y. Doi), Wiley-VCH, Weinheim, 2005, Chapter 16, pp. 457-480.

産業上の利用分野


本発明は、新規な多糖誘導体、およびその多糖誘導体を生体高分子や機能性高分子と複合化することによって得られナノテクノロジー、バイオテクノロジーの分野で有用な新規な水溶性複合体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の化学式1(式中、Rはカチオン性置換基またはアニオン性置換基であるイオン性置換基を表わす)で示される繰り返し単位から成るカードラン誘導体であって、Rで表されるカチオン性置換基が、4級アンモニウム基であるトリメチルアンモニウム基-N(CH)もしくはトリエチルアンモニウム基-N(C)であるか、または、Rで表されるアニオン性置換基が、硫酸基-SO3-、リン酸基-POもしくはカルボン酸基-COであることを特徴とするカードラン誘導体。
【化1】


国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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