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β-1,3-グルカン/カルボラン複合体

国内特許コード P110003975
整理番号 B18P42
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-059771
公開番号 特開2008-222585
登録番号 特許第5159125号
出願日 平成19年3月9日(2007.3.9)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成24年12月21日(2012.12.21)
発明者
  • 新海 征治
  • 為末 真吾
  • 広瀬 良治
  • 櫻井 和朗
  • 長崎 健
  • 沼田 宗典
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 三井製糖株式会社
発明の名称 β-1,3-グルカン/カルボラン複合体
発明の概要 【課題】ホウ素中性子捕捉療法に使用されるカルボランを生体内へ導入しやすくするための、水溶性かつ細胞親和性のある複合体及びその調製方法の提供。
【解決手段】天然多糖のβ-1,3-グルカン内にカルボランを包接させた複合体。β-1,3-グルカンおよびカルボランを極性溶媒溶液中で混合し、水を加えて熟成する工程を含む、複合体の調製方法。β-1,3-グルカンとしてシゾフィランが、カルボランとしてm-カルボランが好適に使用できる。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要


原子番号10のホウ素のケージ状化合物であるカルボラン(図1参照)は新規ながん治療法であるホウ素中性子捕捉療法neutron capture therapy(BNCT)に用いる化合物として近年注目を集めている。ホウ素は同位体の存在比が大きく、そのため人体に無害な熱中性子線を照射すると核反応が生じ、この核反応によりホウ素はα線を照出する(図2参照)という興味深い性質を持つ。α線は飛程が9~10 nm程度と極めて短く、この範囲の細胞のみを死滅させることができる。この性質を利用したホウ素中性子捕捉療法(BNCT)では、ガン細胞のまわりにホウ素を集積させ、ガン細胞のみを選択的に死滅させることを目的としている。カルボランは10 個ものホウ素を含む生物学的に安定なホウ素クラスターである。前記のごとくこの治療法の成否は、いかにしてガン細胞のみにカルボランを集積させるかにかかっている。しかしながら、カルボランは水に難溶で、細胞選択性もないため細胞に導入することや、ガン細胞の周りに集積させることは困難である。このためこれまでに細胞選択性や水溶性の向上、置換基修飾など様々な研究がなされている(非特許文献1-9)。
【非特許文献1】
T. Takenobu, T.Takano, M. Shiraishi, Y. Murakami, M. Ata, H. Kataura, Y. Achiba, Y. Iwasa,Nature Materials, 2, 683 (2003)
【非特許文献2】
S. B. Kaul, R.A. Kaser, J. Am. Chem. Soc., 118, 1223 (1996).
【非特許文献3】
P. D. Godfrey,W. J. Crigsby, P. J. Nichols, C. L. Raston, J. Am. Chem. Soc., 119, 9283(1997).
【非特許文献4】
A. Harada, S. Takahashi, J. Chem. Commun.,12, 1352 (1988).
【非特許文献5】
M-J. Hardie,C-L. Raston., J. Chem. Commun., 12, 1153 (1999).
【非特許文献6】
M-J. Hardie,C-L. Raston., Eur. J. Inorg. Chem., 12, 195 (1999).
【非特許文献7】
L. Craciun, R.Custelcean, Inorg. Chem, 38, 4916 (1999).
【非特許文献8】
L. Deng, H-S.Chan, Z. Xie, J. Am. Chem. Soc, 128, 5219. (2006).
【非特許文献9】
A. H. Soloway,W. T. Beverly, A, Barnum, F-G. Rong, R-F. Barth, I-W. Codogni, J. G. Wilson,Chem. Rev., 98, 1515 (1998).



しかしながら、過去報告されている手法はカルボランの炭素部に種々の置換基を導入する手法がほとんどであり、思ったような機能の向上はなされていない。また、シクロデキストリンなどの包接化合物によるカルボランの複合化も報告されており、成功例としてβ-シクロデキストリンによる複合化があるが、β-シクロデキストリンは水溶性がα-およびγ-体に比べて悪いことが知られている。後にγ-シクロデキストリンによる包接も報告されているが、カルボラン自身に置換基を導入する必要があった。また、シクロデキストリンとの複合体を細胞に導入することは複合体の安定性などの問題も考えられる。

産業上の利用分野


本発明はホウ素中性子捕捉療法に使用されるカルボランを、生体内へ導入しやすくするために水溶性かつ細胞親和性のある複合体に包接する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
β-1,3-グルカンとm-カルボランから成ることを特徴とする複合体。

【請求項2】
β-1,3-グルカンがシゾフィラン、スクレログルカン、レンチナン、パッキマンまたはカードランから選ばれたものであることを特徴とする請求項1の複合体。

【請求項3】
β-1,3-グルカンおよびm-カルボランを極性溶媒溶液中で混合し、水を加えて熟成する工程を含むことを特徴とする、請求項1の複合体を調製する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007059771thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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