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シリカで被覆されたβ-1,3-グルカン/導電性高分子複合体

国内特許コード P110003976
整理番号 B18P40
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-059772
公開番号 特開2008-222764
登録番号 特許第5084307号
出願日 平成19年3月9日(2007.3.9)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成24年9月14日(2012.9.14)
発明者
  • 新海 征治
  • 原口 修一
  • 広瀬 良治
  • 櫻井 和朗
  • 沼田 宗典
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 三井製糖株式会社
発明の名称 シリカで被覆されたβ-1,3-グルカン/導電性高分子複合体
発明の概要 【課題】 熱的・構造的に安定で、単一鎖状に分散した導電性高分子ナノファイバーと無機物ナノファイバーとの複合体を構築する。
【解決手段】 β-1,3-グルカンと導電性高分子から成る複合体をシリカゲルで被覆した有機・無機ナノコンポジット。β-1,3-グルカン/導電性高分子複合体の存在下にシリカの前駆体に対してゾル-ゲル反応を進行させることにより製造できる。
【選択図】 図14
従来技術、競合技術の概要


導電性ポリマーとして知られているポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン等は、特異的なπ電子系の非局在化を特徴とする分子性のワイヤーを形成し、分子エレクトロニクス、ナノバイオ、センサー等の先端的機能材料の開発において今後期待されている有機物質である。



無機物質においても各種金属または金属酸化物をナノサイズで構造的に制御する技術の開発が各種の先端的な分野で進められている。その一環として、ゾル-ゲル法による金属酸化物の合成がある(図1参照)。その手法は、調製時のpHやゲル化時間などが脆弱な生体物質や有機分子の包括固定化に許容範囲内であることや、生成するゲルの細孔構造を幅広く制御できることなどから、酵素や微生物菌体などの生体物質や有機分子の固定化に盛んに用いられており、生成物は機械的強度に優れるためバイオセンサーなどに応用されている(非特許文献1-4)。
【非特許文献1】
Iqbal Gill,Chem. Mater., 2001, 13, 3404
【非特許文献2】
Kjeld J. C.van Bommel,Seiji Shinkai,Langmuir, 2002, 18, 4544-4548
【非特許文献3】
MarekGrzelczak, Miguel A. Correa-Duarte, Luis M. Liz-Marzn, small, 2006, 2, 1174-1177
【非特許文献4】
I. Ichinose,and T. Kunitake, Adv. Mater., 2002, 14, 34



天然多糖のシゾフィランはβ-1,3-グルカン系多糖の一つであり、水中では三重らせん状(t-SPG)を、DMSOのような極性有機溶媒やNaOHのような塩基の水溶液中ではランダムコイル状(s-SPG)を呈する(図2参照)。このように溶媒の性質によって可逆的にその構造を変化させる興味深い性質を示すことから、本発明者らはこのシゾフィランをナノテク材料の開発に利用してきた。



例えば、我々はSPGがs-SPGからt-SPGへと巻き戻る過程において、様々な疎水性高分子ゲスト(ポリアニリン、ポリチオフェンなど)を共存させておくことにより、SPGのらせん構造内部にゲストの高分子鎖1本を取り込ませ、ファイバー状に成形することを可能とした(図3および図4;非特許文献5-7、特許文献1-3)。SPGのらせん内部に取り込まれた高分子ゲストはSPG内部にインシュレートされることにより、主鎖が伸びたことに由来する共役長の増加や、SPGのらせん構造に由来した特有のねじれ構造をとることもわかっている。さらに、SPGによる複合化は導電性高分子間の凝集を効果的に抑制し、導電性高分子本来の電気化学的、光化学的機能の保持に重要な役割を果たしている。従来、導電性高分子をベースとした機能性材料の開発は凝集体やフィルムなどのバルク状態を対象として行われてきたが、本系の採用により導電性高分子1本の構造を制御し、高分子鎖1本1本の機能をナノメートルレベルで制御できる全く新しいシステムの構築が可能となるはずである。
【非特許文献5】
C. Li, M.Numata, M. Takeuti, S. Shinkai, Angew. Chem., 117, 2 (2005)
【非特許文献6】
C. Li, M.Numata, T. Hasegawa, K. Sakurai, S. Shinkai, Chem. Lett., 34, 1354 (2005).
【非特許文献7】
C. Li, M.Numata, A.-H. Bae, K. Sakurai, S. Shinkai, J. Am. Chem. Soc., 127, 4548 (2005).
【特許文献1】
特開2006-131735号公報
【特許文献2】
特開2006-160770号公報
【特許文献3】
特開2006-241334号公報



さらに我々は、β-1,3-グルカンのらせん状構造体の内部に形成される疎水性空間に、有機系ポリマーだけでなく、無機系の金属酸化物(シリカ)のポリマーをゲストとして挿入することを可能としている(特許文献4)。しかしながら、有機系ポリマー(導電性高分子)と無機系ポリマー(シリカゲル)とをナノレベルで複合体化する技術は本発明が完成されるまでは認められなかった。
【特許文献4】
特開2006-248819号公報

産業上の利用分野


本発明は表面をシリカで被覆され、熱的および構造的に安定化した導電性高分子ナノファイバーの調製に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
β-1,3-グルカンと導電性高分子から成る複合体をシリカゲルで被覆したことを特徴とする有機・無機ナノコンポジット。

【請求項2】
導電性高分子がポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレンから選ばれたものであることを特徴とする請求項1のナノコンポジット。

【請求項3】
β-1,3-グルカンがシゾフィラン、レンチナン、スクレログルカンから選ばれたものであることを特徴とする請求項1のナノコンポジット。

【請求項4】
請求項1のナノコンポジットを製造する方法であって、β-1,3-グルカンと導電性高分子から成る複合体の存在下にシリカの前駆体に対してゾル-ゲル反応を進行させることを特徴とする方法。

【請求項5】
シリカの前駆体としてテトラエチルオキシシランを用いることを特徴とする請求項4の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007059772thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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