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多孔質シリカゲル及びシリカガラスの製造方法 コモンズ

国内特許コード P110003983
整理番号 BE060P15
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-066988
公開番号 特開2008-222527
登録番号 特許第4912190号
出願日 平成19年3月15日(2007.3.15)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
発明者
  • 細野 秀雄
  • 平野 正浩
  • 梶原 浩一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 多孔質シリカゲル及びシリカガラスの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】4官能ケイ素アルコキシドを原料とし、水及びアルコールという取扱い及び廃棄
の容易な溶媒のみを使用し、亀裂のない多孔質シリカゲル及び亀裂と泡のないシリカガラ
スを製造する方法を提供すること。
【解決手段】4官能ケイ素アルコキシドに水及び酸を添加する(混合工程1)ことによっ
て酸性下で4官能ケイ素アルコキシドを部分加水分解反応させた反応溶液に、さらに、塩
基性水溶液、又は弱酸の塩を含む水溶液を添加する(混合工程2)ことによって反応溶液
を中和し、4官能ケイ素アルコキシドを完全加水分解せぬまま重縮合させて表面が疎水化
したシリカ高分子からなるシリカヒドロゲル相を形成し、該シリカヒドロゲル相と溶媒相
との相分離を起こさせることによって、多孔質シリカヒドロゲルを形成し、これを乾燥す
ることにより細孔径の大きな多孔質シリカゲルを製造する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


シリカゲルは、一般に、液相反応であるゾル-ゲル法によって作製される。典型的には、
ケイ素アルコキシドを加水分解し、続いて重縮合によってヒドロゲル化させることが行わ
れる。シリカヒドロゲル(湿潤シリカゲル)の細孔構造を制御するため、酸、塩基、アル
コール、有機溶媒、水溶性高分子、界面活性剤などがケイ素アルコキシド、水、及びケイ
素アルコキシドの加水分解によって生じたアルコールからなる反応溶液中に添加される。



得られたシリカヒドロゲルを乾燥させることで乾燥シリカゲルが得られ、該乾燥シリカゲ
ルを焼結することでシリカガラスを製造することができる。また、該反応溶液に予め金属
元素の化合物を少量溶解させておくことによって、該金属元素が均一に分散したドープシ
リカゲル(例えば、特許文献1)及びドープシリカガラスを製造することができる。



ゾル-ゲル法によってシリカゲル及びシリカガラスを製造する各種の方法が知られている
(例えば、特許文献2~7)。ゾル-ゲル法によって作製したシリカヒドロゲルには、一
般に、直径1~5nm程度の細孔が形成されており、乾燥シリカゲルを得るためには、こ
れらの細孔から溶媒の水、アルコールを除く必要がある。しかし、細孔径が小さいと、溶
媒の蒸発の際に大きな毛管力が生じ、その結果、乾燥中にシリカゲルが収縮して割れやす
い。また、乾燥シリカゲルを焼結してシリカガラスとする過程でも、乾燥シリカゲルの細
孔径が小さいと収縮のため割れたり、焼結中に乾燥シリカゲルから発生する水蒸気のため
乾燥シリカゲルが発泡したりしやすい。



ゲルの割れや発泡を抑制して再現性良く乾燥シリカゲル及びシリカガラスを得るためには
、ヒドロゲルの細孔径を大きくして乾燥中の収縮応力の原因である毛管力を小さくし、か
つゲル全体で均一な溶媒蒸発及び均一な収縮を起こすことが必要である。しかし、4官能
ケイ素アルコキシド(Si(OR)4、ここでRはアルキル基)、水、アルコールを主原料としてこ
れまで作製されたシリカヒドロゲルの細孔径は一般に10nm以下であり、乾燥中の収縮応力
を十分に小さくするには不十分である。そのため、亀裂のない乾燥シリカゲルを得るには
、(1)乾燥を極めてゆっくり行ってゲルを均一に収縮させる、(2)高沸点かつ表面張
力の小さい溶媒を乾燥制御材として湿潤ゲルに添加して毛管力を下げる、(3)超臨界乾
燥を行って毛管力が働かないようにする、のいずれかを行うことが必要であった。



一方で、高濃度の強酸、水溶性高分子、又は極性溶媒であるホルムアミドなどを反応溶液
に添加すると、反応溶液がシリカヒドロゲル相と溶媒相とに相分離しながらゲル化するた
め、溶媒が占めていた空間が10nm以上の大きさの細孔としてヒドロゲル中に残ることが知
られている(例えば、非特許文献1~3)。この方法によって作製されたシリカヒドロゲル
は、細孔径が大きいため、迅速に乾燥することができ、かつ乾燥中に亀裂が入ったり焼成
中に発泡したりしにくい。



しかし、このような添加物は、最終製品である乾燥シリカゲルやシリカガラスでは多くの
場合不必要である。さらに、添加物の廃棄が煩雑であったり、また添加物中の元素が製品
中に残留して悪影響を及ぼしたりする場合があるため、これらの添加物を使用しない手法
が望まれている。



また、4官能ケイ素アルコキシドではなく、加水分解されにくいSi-C結合を有する3官能
ケイ素アルコキシド(R1Si(OR2)3;ここでR1、R2はアルキル基)をシリカ源として使用した
場合にも、シリカゲル相の表面がアルキル基で疎水化されるため、該シリカゲル相を溶媒
相と相分離させることができ、細孔径の大きい多孔質シリカゲルを得ることができる(例
えば、特許文献5、非特許文献4)。しかし、3官能アルコキシドは4官能アルコキシド
よりも製造法が複雑である。またシリカゲルからSi-C結合を除くためには、十分酸素を供
給して熱処理することが不可欠である。



この他に、シリカ微粒子を反応溶液に加えたり(例えば、特許文献8)、反応中に一旦シリ
カ微粒子を生成した後ゲル化を行ったりすると(例えば、特許文献9)、亀裂のない乾燥シ
リカゲルが容易に得られ、該乾燥シリカゲルを焼結することで、数cm角のサイズのシリカ
ガラスが再現性良く製造できることが知られている。しかし、シリカ微粒子を加えるため
、該シリカ微粒子の融点近くで乾燥シリカゲルの焼結を行わないと均一性の良いシリカガ
ラスが得られない。また、金属元素の化合物を反応溶液に溶解させてドープシリカゲル及
びドープシリカガラスを作製する場合、シリカ微粒子と金属元素を均一に混合させること
が難しい。



【特許文献1】
特開2003-267720号公報
【特許文献2】
特開昭64-87523号公報
【特許文献3】
特開平5-116931号公報
【特許文献4】
特開平5-58617号公報
【特許文献5】
特開平6-219726号公報
【特許文献6】
特開平7-206453号公報
【特許文献7】
特開平7-242410号公報
【特許文献8】
特開昭60-131834号公報
【特許文献9】
特開平6-24754号公報
【非特許文献1】
Kozuka et al. Formation of particulate opaque silica gels from highly acidic solutions of tetramethoxysilane, Chem. Mater. 1,398-404(1989)
【非特許文献2】
F. Kirkbir, et al., Drying and Sintering of Sol-Gel Derived Large SiO2 Monoliths, J. of Sol-Gel Sci. and Tech. 6, 203-217 (1996)
【非特許文献3】
K. Nakanishi, Pore Structure Control of Silica Gels Based on Phase Separation J. Porous Mater. 4, 67-112(1997)
【非特許文献4】
K. Nakanishi and K. Kanamori, Organic-inorganic hybrid poly(silsesquioxane) monoliths with controlled macro- and mesopores J. Mater. Chem. 15 3776-3786(2005)

産業上の利用分野


この発明は、ゾル-ゲル法による多孔質シリカゲル及び該多孔質シリカゲルを焼結するシ
リカガラスの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
4官能ケイ素アルコキシドに水を加えて加水分解してシリカヒドロゲルを形成し、これを
乾燥して多孔質シリカゲルを製造する方法において、
4官能ケイ素アルコキシド1モル対して0.5モル以上3モル以下を添加し、かつ
を添加する(混合工程1)ことによって酸性下で4官能ケイ素アルコキシドを部分加水分
解反応させ
該部分加水分解された4官能ケイ素アルコキシドと水が互いに混和した反応溶液に、さら
に、塩基性水溶液、又は弱酸の塩を含む水溶液を添加する(混合工程2)ことによって反
応溶液を中和し、
該混合工程2によって、4官能ケイ素アルコキシドを完全加水分解せぬまま重縮合させて
表面が疎水化したシリカ高分子を形成し、該表面が疎水化したシリカ高分子水及び4
官能ケイ素アルコキシドの部分加水分解によって生じたアルコールからなる親水性の溶媒
とからなる溶媒相との相分離を起こさせることによって、
表面が疎水化したシリカ高分子の構造がヒドロゲル化によって凍結された多孔質シリカヒ
ドロゲルを形成し、
該多孔質シリカヒドロゲル熟成後、乾燥して溶媒を蒸発させ
ことを特徴とする多孔質シリカゲルの製造方法。

【請求項2】
4官能ケイ素アルコキシドはアルコールで希釈されていることを特徴とする請求項1に記
載の多孔質シリカゲルの製造方法。

【請求項3】
請求項1又は2記載の混合工程1又は混合工程2で、さらに金属元素の化合物を混合して
溶解させ、シリカゲルに該金属元素を含有させることを特徴とする多孔質シリカゲルの製
造方法。

【請求項4】
請求項1、請求項2、又は請求項3記載の方法で得られる多孔質シリカゲルを焼結するこ
と特徴とするシリカガラスの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開 領域
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