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リグノフェノールの製造方法 コモンズ

国内特許コード P110003985
整理番号 B74P08
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-071633
公開番号 特開2008-231213
登録番号 特許第5146799号
出願日 平成19年3月19日(2007.3.19)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
発明者
  • 舩岡 正光
  • 三亀 啓吾
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 リグノフェノールの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】リグノフェノールの製造方法及びそれから得られる低分子量リグノフェノールを提供することを目的としている。
【解決手段】リグノフェノールの製造方法は、出発原料1となるリグノセルロース系材料からリグノフェノールを含むフェノールからなる相2を抽出する工程と、この相を貧溶媒へ添加して粗リグノフェノール4を分離する工程と、を備え、分離工程において貧溶媒へ超音波を照射する。粗リグノフェノールを親溶媒に添加し溶液とする工程と、この溶液を貧溶媒へ添加してリグノフェノールを分離する工程と、を備え、分離工程において貧溶媒へ超音波を照射してもよい。この製造方法によれば、高分子量のリグノフェノールを効率良く得ることができる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、中国、インドなどの石油の需要増加、及びヘッジファンドなどによる投資対象のため、石油価格の高騰が続いている。また、地球温暖化防止に関して京都議定書に定められた二酸化炭素削減目標を達成するために、温室効果ガスの増加を抑制する循環型社会の形成やバイオマス資源の利活用をさらに促進する必要があるとされている。



再生可能なバイオマス資源は、石油や石炭などと異なり、大気中の二酸化炭素を炭素源とし、燃焼廃棄しても大気中の二酸化濃度の増加は防げることからバイオマス資源の活用が望まれている。その中でも植物由来のリグノセルロース資源は再生可能な材料として再注目され、バイオマス発電やガス化などの熱化学的変換や発酵によるエタノールの生産などエネルギーとしての利用に関する研究が多くなされている。しかし、リグノセルロース資源は、エネルギーとして利用するのみでは、植物資源の再生能力を越えてしまい植物資源の枯渇の可能性が生じる。



植物資源を石油の代替工業原料として有効に利用するためには、石油から様々な有機化学製品が導かれるのと同様、生活に必要な製品の原料を植物資源から誘導することが重要である。植物資源を分子素材として完全活用するためには、分子レベルで高度に複合化された植物体の各構成成分をそれぞれの機能を活かした状態で効率よく分離することが重要である。



本発明者等は、フェノール類と濃酸とを用いた植物資源の相分離系変換システムを開発し、植物の主要構成成分であるセルロース、ヘミセルロースからなる炭水化物とリグニンとを迅速かつ定量的、そして容易に分離・変換することに成功した(特許文献1及び非特許文献1~3参照)。相分離系変換システムにおいて、フェノール類はリグニンのフェノール化試薬、溶媒、濃酸からの保護媒体として機能し、濃酸は炭水化物の加水分解試薬、溶媒、リグニンのフェノール化触媒として機能する。この手法により誘導されたリグノフェノールは、従来の工業リグニンなどのリグニン系試料には見られない熱可塑特性や高いタンパク質吸着特性を有している(非特許文献2参照)。



相分離系変換システムに用いられる植物としては、木材や草、廃木材、建築廃材等が挙げられる。上記方法により誘導されたリグニン(以下、リグノフェノールと呼ぶ。)は有機溶媒に溶け、各種材料に塗布した後、乾燥して成形体とすることができる。成形体が不要となった場合には、有機溶媒に溶かして回収することで再利用が可能となる。



近年、リグノフェノールに関して用途研究が行われ、成形体以外の応用として、塗料、電子や電気用材料、医薬などへの幅広い用途が期待されている。リグノフェノールは、300~100000の範囲を有する高分子であり、一般に幅広い分子量分布を有する。幅広い分子量分布を有する状態が望ましい用途に関してはそのまま用いればよいが、分子量分布が狭いもの、より高分子量、より低分子量のリグノフェノールが望ましいと考えられる用途がある。



上記フェノール相に含まれるリグノフェノールの精製は、以下のような2段階の精製が必要である。
(1次精製)
フェノール誘導体の親溶媒であり、リグノフェノールの貧溶媒であるジエチルエーテルやジイソプロピルエーテルやn-ヘキサンに滴下し、大過剰に存在する未反応フェノール誘導体及びリグノフェノール抽出用フェノール誘導体を可溶化し、リグノフェノールを不溶区分として回収する。相分離系変換システムでは、ヘミセルロースを中心とするリグニンと親和性のある炭水化物の一部がフェノール相に含まれるため(非特許文献3参照)、1次精製により回収された不溶区分をアセトンで抽出し、少量の炭水化物を除去する必要がある。さらに、1次精製では除去できなかったフェノール誘導体を除去するために2次精製を行っていた。



(2次精製)
抽出されたリグノフェノールアセトン溶液を、再度ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ヘキサン等に滴下することにより、精製されたリグノフェノールを回収することが可能となる。



従来の1次精製や2次精製で得られるリグノフェノールは、高分子リグノフェノールであった。



【特許文献1】
特開平02-233701号公報
【特許文献2】
特開平2004-115736号公報
【特許文献3】
特開平2004-137347号公報
【非特許文献1】
M. Funaoka and I. Abe, Tappi Journal, 72 (1989) 145
【非特許文献2】
M. Funaoka, Polymer International, 47 (1998) 277
【非特許文献3】
K. Mikame and M. Funaoka, Polymer Journal, 38 (2006) 694

産業上の利用分野


本発明は、リグノセルロースから効率よくリグノフェノールを製造することができるリグノフェノールの製造方法に関する

特許請求の範囲 【請求項1】
出発原料となるリグノセルロース系材料からリグノフェノールを含むフェノール類からなる相を抽出する工程と、
上記リグノフェノールを含むフェノール類からなる相を貧溶媒へ添加して粗リグノフェノールを分離する工程と、を備え、
上記分離工程において上記貧溶媒へ超音波を照射することを特徴とする、リグノフェノールの製造方法。

【請求項2】
出発原料となるリグノセルロース系材料から粗リグノフェノールを抽出する工程と、
上記粗リグノフェノールを親溶媒に添加し溶液とする工程と、
上記溶液を貧溶媒へ添加してリグノフェノールを分離する工程と、を備え、
上記分離工程において上記貧溶媒へ超音波を照射することを特徴とする、リグノフェノールの製造方法。

【請求項3】
前記貧溶媒の量が、前記親溶媒の量の5~15倍である、請求項1又は2に記載のリグノフェノールの製造方法。

【請求項4】
前記貧溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタンの何れか一つの溶媒又はこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒であることを特徴とする、請求項1~3の何れかに記載のリグノフェノールの製造方法。

【請求項5】
出発原料となるリグノセルロース系材料から粗リグノフェノールを抽出する工程と、
上記粗リグノフェノールを親溶媒へ添加し溶液とする工程と、
上記溶液を超音波照射下、貧溶媒に添加してリグノフェノールを分離する工程と、
上記分離工程の貧溶媒残液を超音波照射下、無極性溶媒に添加する工程と、備えことを特徴とする、分子量400から1500のリグノフェノールの製造方法。

【請求項6】
前記無極性溶媒は、n-ヘキサンであることを特徴とする、請求項5に記載の分子量400から1500のリグノフェノールの製造方法。

【請求項7】
前記貧溶媒がジイソプロピルエーテルであり、前記無極性溶媒が、n-ヘキサンである、請求項5に記載の分子量400から1500のリグノフェノールの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007071633thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成16年度採択課題
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