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IP3受容体結合タンパク質による細胞内標的分子の制御

国内特許コード P110003986
整理番号 I018P109
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-073396
公開番号 特開2007-284433
登録番号 特許第5146944号
出願日 平成19年3月20日(2007.3.20)
公開日 平成19年11月1日(2007.11.1)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
優先権データ
  • 特願2006-077607 (2006.3.20) JP
発明者
  • 御子柴 克彦
  • 安東 英明
  • 水谷 顕洋
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 IP3受容体結合タンパク質による細胞内標的分子の制御
発明の概要 【課題】IP受容体結合タンパク質(IRBIT)の標的分子を明らかにし、さらにIRBITの重要な生物学的機能を明らかにし、その機能の制御を確立する。
【解決手段】IRBIT、IRBITの発現/翻訳を制御する核酸、またはIRBITに対する抗体を含む組成物であって、(1)タンパク質合成、(2)イノシトールリン脂質代謝、および(3)細胞内pH、からなる群から選択される少なくとも1つの細胞内生物学的機能の制御のための組成物。
【選択図】図15
従来技術、競合技術の概要


細胞膜上の受容体の活性化に伴いホスファチジルイノシトール4,5-ビスホスフェート(phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate)が加水分解されると、細胞内セカンドメッセンジャーであるイノシトール1,4,5-三リン酸(inositol 1,4,5-trisphosphate (IP))が生成する。IPはIP受容体(IPR)に結合することにより、細胞内カルシウム貯蔵オルガネラ(主に小胞体)からのCa2+放出を誘導する。このIP/Ca2+シグナル経路において、IP受容体は、IPのシグナルをCa2+のシグナルへ変換する役割を担っている。



IP受容体は、4量体の細胞内IP誘導性Ca2+放出チャネル(IP-gated Ca2+ release channel)である。哺乳動物では、3種の異なるIP受容体が存在する。IP受容体タイプ1(IPR1)は、中枢神経系、特に小脳において高発現している。マウスIPR1は、2749アミノ酸からなり、3つの機能的に異なる領域に分かれている。すなわち、N末端近傍にIP結合ドメイン、C末端近傍に6回膜貫通領域を有するチャネル形成ドメイン、およびこれら2つの領域の間に制御領域が存在する。IP結合ドメインの欠失突然変異体解析より、IP受容体のアミノ酸226~578残基が特異的かつ高親和性のリガンド結合に必要な最小領域であることが示され、IP結合コアと呼ばれている。



IP受容体の活性化による細胞質Ca2+濃度の増加によって、多種多様な下流標的分子の活性が制御される。これら下流標的分子は、受精、発生、増殖、分泌、シナプス可塑性など多岐に渡る細胞応答において重要な役割を担っている。



本発明者らは、先に、新規のIP受容体結合タンパク質を見出し、IRBIT(inding protein released with nositol 1,4,5-risphosphate)と命名した(特許文献1)。IP受容体は、ヒト、マウスなどの哺乳動物の例えば脳、心臓、肝臓、腎臓、膵臓、胸腺などの種々の組織や細胞に広く分布することから、IRBITもそのような組織や細胞に存在すると推定される。ヒトおよびマウスIRBITのアミノ酸および塩基配列は、本発明者らによって決定された(非特許文献1、特許文献1)。これらのIRBITは530アミノ酸からなり、ヒトおよびマウス間の同一性は100%である。IP受容体との結合領域は、IRBITのN末端領域(ヒトおよびマウスにおいて、アミノ酸1~104)に存在する。



IRBITは、(1)中性タンパク質である(推定pI値:6.48)が、N末端領域は比較的酸性である(推定pI値:4.98)、(2)N末端領域に複数のリン酸化部位が集中的に局在しており、リン酸化がIPR1との相互作用に必要であると推測される、(3)IPR1のIPとの結合に必須である508番目のリジン残基がIRBITとの相互作用においても必須である、(4)IPによりIPR1との相互作用から解離する、および(5)高塩濃度により、IPR1との相互作用から解離し、かつ粗ミクロソーム画分から抽出されることから、IPR1との相互作用は静電気的結合によると推測される、などの特徴を有する(特許文献1)。



IRBITは、IP受容体のIP結合領域に結合し、in vitroでIPによりIP受容体から解離するという性質をもつ。このため、IRBITは、IP受容体のIP結合を抑制することにより、IP受容体の活性を抑制する機能をもつことも明らかになっている(特許文献1)。



本発明者らは、今回、以下に説明するように、IRBITの標的分子を明らかにし、さらにIRBITが三次メッセンジャーとして重要な生物学的機能をもつことを明らかにした。



【特許文献1】
特開2004-129612
【非特許文献1】
H. Andoら,J.Biol.Chem.2003,278:10602-10612

産業上の利用分野


本発明は、哺乳動物細胞における生物学的機能を制御するための組成物および方法に関する。さらに具体的には、本発明は、IP受容体結合タンパク質(IRBIT)およびその細胞内標的分子が関与する該生物学的機能を制御するための組成物および方法に関する。



本発明はまた、前記生物学的機能の制御を利用する物質のスクリーニング方法を提供する。

特許請求の範囲 【請求項1】
IP受容体結合タンパク質(IRBIT)、またはIRBITをコードするDNAを発現可能に含むベクター、を含む、哺乳動物細胞内でのタンパク質合成を抑制するための組成物であって、前記タンパク質合成が、切断/ポリアデニレーション特異性因子(CPSF)による細胞質のmRNAポリアデニレーションが関与するものである、組成物。

【請求項2】
前記IRBITが、ヒトまたはマウス由来のものである、請求項に記載の組成物。

【請求項3】
前記IRBITが、配列番号1または配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、あるいは該アミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含みかつIRBITと同等の生物学的活性を有するタンパク質である、請求項1または2に記載の組成物。

【請求項4】
前記組成物が、in vitroで使用される、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。

【請求項5】
前記IRBITがCPSFに結合してCPSFの機能を阻害し、それによって前記タンパク質合成が抑制される、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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